著者養成ゼミ

ベストセラー作家が出版への心得を熱弁「寝食を忘れて没頭できるほどの強い気持ち」

寝食を忘れて没頭できるほどの「出版に対する強い気持ち」
KADOKAWA SEMINAR(C)

 作家エージェントとして200名以上をデビューさせてきたアップルシード・エージェンシーと、オールジャンル出版社のKADOKAWAがタッグを組み、未来のベストセラー著者を養成する「日本一出版に結びつく著者養成ゼミ」の第二期が開始。生徒募集のプレ講座では、講師を務めるベストセラー作家・鬼塚忠氏がマイクを持ち「このコンテンツを世に出したいという強い気持ちだ」と、作家の心得を語った。

 第1期では選抜7名のうち5名の出版が決まったゼミの第2期が始動。入門講座では、アップルシード・エージェンシー代表であり、ベストセラー作家でもある鬼塚忠さんが講師を務め、ゼミ開講にあたってのオリエンテーションを行った。

 出版確率7割以上! 日本一出版に結びつく著者養成ゼミ第2期が始動
出版確率7割以上! 日本一出版に結びつく著者養成ゼミ第2期が始動KADOKAWA SEMINAR(C)


重要なのは、寝食を忘れて没頭できるほどの「出版に対する強い気持ち」


 20年間で1200冊以上の書籍を世に送り出してきた鬼塚さんは、数々のセミナーで「書籍を出版するには企画書が最も重要」と説いてきた。しかし、それ以上に重要なのは「このコンテンツを世に出したいという強い気持ち」だと気づいたという。

 書籍を出すには莫大な手間と時間がかかる。企画を考え、企画書を作って出版社に売り込み、実際に本を書き……とステップを重ねるにつれて、気持ちがどんどん削られしぼんでいく。「寝食を忘れるほど没頭できる強く大きな気持ちがなければ、いくら良い企画書ができても最後まで走り切ることは到底難しい」と鬼塚さんは指摘する。

講師の鬼塚忠さんが出版のために必要なことを力説
講師の鬼塚忠さんが出版のために必要なことを力説KADOKAWA SEMINAR(C)


 では、具体的にはどうすればよいか。鬼塚さんは「何を書きたいのか」「あなたは誰なのか」の2点を明確にすることが重要であると語る。出版社によっては、著者プロフィールだけを判断材料に企画を選定するという。「どんな仕事も10年続けていれば深いところまで到達し、何かが見えるものです。そこにヒントがある」と鬼塚さんは補足する。

読者が「対価を支払ってでも読みたい」コンテンツになっているか


 一方で難しいのは、自分が書きたいことと読者が書き手に求めることが必ずしも一致しない現実である。一般的なインターネットメディアと違い書籍は有料のメディアなので、年間8万冊の書籍が世に出る中、出版で成功を収めるためには、読者が「対価を支払ってでも読みたい」と思えるほどのコンテンツが求められる。

 コンテンツの考え方には大きく2つある。一つは「多くの悩んでいる人に解決策を提示する」もの。ダイエット本や投資本などはまさにその代表例と言える。もう一つは「めちゃくちゃ面白い話」。ノウハウでも体験談でも面白おかしく書ければよいというシンプルなものだが、だからこそ難易度は高い。たとえ高く評価されても売上は別、というケースも少なくない。

ゼミから羽ばたいた著者が語る成功体験談

 第二部では、第1期著者養成ゼミを機に『即! ビジネスで使える 新聞記者式 伝わる文章術』(CCCメディアハウス)を出版した白鳥和生さん、編集を担当した鶴田寛之さんを迎え、鼎談形式でゼミと出版についての体験談を語っていただいた。

 前半の第一部では「強い気持ち」がキーワードの一つだったが、白鳥さんは「人に流されてみること」とこのゼミの意義を語る。大学で非常勤講師を務める白鳥さんは、コロナ時代の学生たちにエールを送る書籍を出版したいとゼミに参加したものの、鬼塚さんから「あなたは新聞記者なのだから文章術の本を出すべき」と指摘を受け、方向転換。結果、ゼミの修了を待たず出版が決まった。鬼塚さんは「若者にエールを送りたい気持ちは分かるが、それは権威や年齢を重ねてからやること。まずは本業の新聞記者という強いコンテンツで読者層を増やすべきだと考えた」と当時の真意を打ち明けた。

 また、鶴田さんからは「90年代には8000部ぐらいだった初版部数も、30年経った今は4000〜5000部が一般的。10000部売るのも大変な時代」と出版業界の現状についてコメント。白鳥さんの場合、文章術に関心のある人が手に取った他、白鳥さんのファンや関係者によるまとめ買いの効果もあり、初速で約1000部の売上が見込めたため2刷まで増版がかかったが、鬼塚さん曰く「2刷に到達できるのも肌感覚では全体の2割程度」。出版の難しさを改めて感じさせる。

 その後も参加者からの質問を受け、出版に至るまでの経緯や心得などをそれぞれの立場からコメント。厳しいハードルを乗り越えて成功を手にしたリアルなエピソードを多く聞くことができた。最後に11月から始まる本講座についてKADOKAWAより説明と連絡事項を伝えて入門講座は終了。第2期から羽ばたく著者たちの活躍に期待したい。

【講師プロフィール】
鬼塚 忠
(アップルシード・エージェンシー代表取締役、エージェント)

1965年鹿児島市生まれ。鹿児島大学卒業。在学中2年間の英国留学。大学卒業後、2年間
かけて、アジア・オセアニア、中近東、アフリカ、ヨーロッパなど世界40か国を放浪。
ヨーロッパでお金が底をつき、シベリア鉄道で帰国。帰国時、所持金は1万円を切ってい
た。1997年より2001年6月まで海外書籍の版権エージェント会社「イングリッシュ・
エージェンシー」に勤務。映画の原作、ビジネス書、スポーツ関連書籍など年間60点ほど
の翻訳書籍を手掛ける。そこで海外の書籍の日本語翻訳権を日本の出版社に売り込む技術を会得すると同時に、企画を見る目を養う。次に海外の作家ではなく、日本に住む自分の周辺にいる作家のエージェントをしたいと思い、2001年10月に有限会社アップルシード・
エージェンシーを設立。2003年に株式会社へ改組。現在では会社の経営とともに、本来の
エージェント業務を行う。

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