英語学習

転職に役立つのは? TOEICと英検のガチンコ比較/黒坂岳央

転職に役立つのは?TOEICと英検のガチンコ比較!/黒坂岳央

転職時にあなたの英語力を証明するためには、TOEICと英検のどちらが役に立つのでしょうか。英語学習の著作もある黒坂岳央さんが、転職に役立つ英語資格についてガチンコ比較します。

英検とTOEICの試験を比較して、どちらが転職に有利なのでしょうか?

結論から先に言えば「資格そのものの価値としては、TOEICの方が有利! だけど……」というものです。「だけど……」という部分については、ほとんどの人が語らない部分だと思います。

真実は「転職サイト」にある

私は大学生の頃から、その仕事の需要を見るために「転職サイトでキーワード検索をする」ということをやっていました。どのような専門家よりも「市場の求人」にこそ、嘘偽りのない需要の真実があることを知っていたからです。

今回は「英検とTOEICのどちらに需要があるのか?」というテーマですから、早速それぞれのキーワードで転職サイトを検索してみることにします。

・英検:150件
・TOEIC:4,243件
(※「doda」にて検索、2019年9月16日取得)

実に、28.3倍もの差が現れる結果となりました。

これにより、英語力を示す指標には英検ではなく、TOEICに軍配があがることが明らかになりました。

TOEICの需要は採用担当者が作っている

TOEIC試験の根強い需要は、会社の採用担当者が作り出しています。会社の規模によっても異なるのですが、

・一次面接:採用担当者
・二次面接:現場の担当者やその上司
・三次面接:役員や部長クラス

といった流れになることが多いのではないでしょうか。

最初の関門である、一次面接は採用担当者がその役割を務めており、人材採用募集は彼らが出すことになります。つまり、TOEICの需要は彼らが作り出していると言えるのです。

英検はアカデミック、TOEICはビジネス

英検は出題内容にアカデミックなものが使われることが多いです。「医学」「環境」「生物」「歴史」といったものです。

一方、TOEICについてはビジネス英語というイメージがあります。確かにオフィス内での会話や、仕事のやり取りも問題に含まれます。

ですが、「ボランティア募集」のようなものもテーマに選ばれることもあり、決して「ビジネスに特化した英語」というわけではありません。

英検は知的でアカデミックな内容が多いのは事実であり、実際英検準1級、1級の試験に合格するのは簡単ではありません。

しかしながら、試験内容は本格的な英語力がなければ決して突破することはできませんし、英検の二次試験では英会話もこなす必要があります。

予期せぬ状況に身をおいても、卒なくこなすことができる能力を「真の英語力」とするならば、個人的にはTOEICより英検の上位級を持っている人の方を評価したいと思っています。

しかし、多くの採用担当者が「ビジネス英語といえばTOEIC」という感覚を持っている事実が、TOEIC信仰という潮流を作り出し、それがルールとして機能しているように感じます。

最強の資格は「英語運用経験」

しかしながら、やはりいつの時代でも最も評価されるのは英検でもTOEICでもなく、英語の運用経験です。これに勝るものは間違いなくありません。

私は外資系企業やグローバル企業、海外駐在案件など、数十社の転職面接を受けてきました。会社によっては面接官が外国人ということもあり、日本人でも「面接は英語で行います」という人もいたのです。

彼らは私の履歴書や職務経歴書を熱心に見て、これまでの仕事の経験などを次々と質問してきましたが、「TOEICスコア」について触れられたことはほとんどありません。

「TOEICより、英語経験は?」という具合です。

英語経験とは具体的に何を指すか?

英語経験と一口に言っても、実にさまざまです。

・英文メールをちょこっとコピペで作るだけなのか?
・数万人の宛先に一斉送信するような経験を持っているのか?
・同僚と英語でジョークを言い合う程度か?
・上司にプロジェクトの進捗報告を英語でプレゼンしたのか?
・通訳が入る会議か? 
・海外本社も交えたビデオ会議なのか?

経験にも質がありますから、それについてはどの企業でもかなり厳しくチェックされた記憶があります。

「TOEICスコアが高いですね」と褒めてもらえたのは1、2社という具合で、あとはほとんどの企業で英語での実務経験を聞いてきたものです。

もとい、英語はかなりできることが前提であり、専門分野(私の場合は会計・ファイナンスなど)を英語でどのくらい運用できるのか、という確認だったのです。

結論:転職に役立つのはTOEIC

英語運用経験は、TOEIC900点より、英検1級より価値のある「資格」といえるでしょう。

しかし、「これから英語を使って職務経験を積んでいきたい」という人にとっては、TOEICや英検でしか実力を示す手段がありません。

そうした場合、「役に立つのはTOEIC」といって間違いなさそうです。


文=黒坂 岳央

カテゴリ:英語学習

【著者紹介】黒坂 岳央(くろさか・たけを)
1981年、大阪府生まれ。「水菓子 肥後庵」代表。ビジネスジャーナリスト。高校卒業後、5年間のニート&フリーター生活の後、関西外国語大学短期大学部に入学。在学中にシカゴの大学へ留学し、会計学を学ぶ。卒業後は、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て、高級果物ギフト専門店「水菓子 肥後庵」を設立。
■Blog:「黒坂岳央の超公式ブログ」
■Twitter:@takeokurosaka

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