英語学習

英語学習で大きな成果を出す人の共通点、出せない人の共通点/ヒロ前田

英語学習で成果を出せる人は、一部の人に限られているのが現実です。英語学習で大きな成果を出す人の共通点について、TOEIC講師・企業研修講師のヒロ前田さんに語ってもらいます。

この国に英語を学んでいる人が何人いるのでしょうか。学校で英語の勉強をしている中学生や高校生は当然のことですが、かなり多くの会社員も英語を学んでいます。電車やカフェでTOEICの対策や英会話の練習をする人の姿を見るのは珍しいことではありません。

では、一体どれだけの人が成果を出しているでしょうか。確かなデータは存在しないので想像に頼りますが、100人の英語学習者のうち90人は成果が出る前にあきらめています。残りの10人の中で、大きい成果を出しているのは多く見積もって3人です。100人中3人。英語学習に成功しているのは「クラスに1人」と考えれば、この予想は大きく間違ってはいないでしょう。

日本では「英語ができる」ことは特殊なので、「できる人」の発言は「できない人」から注目されます。それを示すように、勉強ノウハウや成功者の体験談、お勧め教材などは常に誌面を賑わせています。また、個人が運営するブログやSNSでも同類の情報が盛んに発信されています。

英語学習で成果を出すために必要な情報はいつでも誰にでも入手可能ということですが、成果を出すのはごく一部の人に限られているのが現実なのです。今回、英語学習で大きい成果を出す人と、成果を出せずに挫折する人の特徴や共通点をボク(ヒロ前田)の体験に基づいていくつか紹介します。

具体的な情報 vs 抽象的な情報

まず、最初に指摘したい、成果を出さない人の共通点は「何かにつけて具体的な情報を求める」ことです。例えば、「半年でTOEICスコアが200点アップした」といった話を聞くと、「どんな教材を使ったのか?」「どんなメソッドで勉強したか?」と具体的に知ろうとします。

具体的な情報を求めるのは良いことのように思えるでしょうが、典型的な失敗パターンです。なぜなら、成功者から具体的な情報を聞けば聞くほど、本人には実行できない理由が増えていくからです。

200点アップを達成した人に、使った本や学習メソッドを質問する人は、それらの答えが成功の原因だと思っているのでしょう。同じ本やメソッドを使えば自分も成功できると期待するのかもしれませんが、それらは原因ではありません。実際の成功の原因は、「弱点を分析し、克服したこと」や「毎日欠かさず英文読解をしたこと」かもしれません。成功者から聞くべきなのは、このような抽象的な部分であり、本やメソッドの重要度は実は低いのです。

誰かの行動Aが結果Xにつながった場合に、「A→X」と表すとします。自分自身も結果Xを望んでいる場合、成果を出せない人はAの内容を具体的に知ろうとします。ですが、それらは重要な情報ではありません。重要なのは、Xが起きた原因を理解することなのです。

結果Xをもたらす原因を理解すれば、行動Aの代わりにBやCでもXにつながると気づくはずです。そうすれば、ある特定の人に合うAでなく、自分に合うBやCが見つかる可能性が高くなります。さらに、BやCを見つけるのは自分自身なので、実行も継続もしやすくなるものです。

おもに日本語を読む vs おもに英語を読む

次に指摘したいのは、成果を出さない人は「学習中に読んでいる文章の日本語率が高い」ことです。1時間の学習時間のうち、英語を読んでいる時間は10分間だけで、50分間は日本語を読んでいる人は珍しくありません。ここで言う日本語とは解説や和訳です。英語が得意でなければ日本語の助けが必要なのは理解できますが、学習時間の半分以上を日本語に費やすようでは、もはや「英語学習」とは呼べません。

TOEICを例にすると、パート7(長文読解問題)が苦手だと言っている人は、問題を解いた後は、英語で書かれた文書を一度も読まない傾向があります。解説と訳を読み、解答の根拠を確認して終わります。一方で、大きい成果を出す人は違います。設問と選択肢はもちろん、文書を何度も読んでいます。それにより英語に触れる時間が増え、読解力や語彙力が伸び、さらには英語に対する耐久力も高めています。

現実的な目標を設定する vs いきなり背伸びする

多くのTOEIC受験者を見てきて気づいたことがあります。それは、大きい成果を出した人は、そうでない人に比べ、圧倒的に高いスコアを目指して行動した傾向が強いということです。全ての人に当てはまるわけではありませんが、「300点アップ」とか、「990点取得」のように、「周りの人がびっくりするような高い目標」を設定し、それに向かってガツガツと勉強した人が目立ちます。もちろん、高い目標を設定すること自体が成果をもたらしたのではなく、あくまでも効果的な勉強時間が増加したことが成果を生んだのです。

一方で、「まだ650点前後しか取ったことがないから、目標は700点」のように低めの目標を設定する人は、「そのうち達成するだろう」とか「運が良ければ来月クリアするだろう」などという心理が働くのかもしれません。その結果、あまり学習量が増えないままスコアが停滞するようです。

勉強法の勉強を続ける vs 英語の勉強を続ける

英語の勉強法を日本語で読んでも、実践しなければ何も伸びません。成果を出さない人の中には、英語の勉強をしないまま、ひたすら勉強法を探している人が少なくありません。勉強法は日本語で書かれていますから、勉強法の勉強をしても英語力は変わるはずがありません。

本人は「効率的な勉強法を見つけてから英語を学べば、結果的に速くて大きい効果があるはず」と思っているのかもしれませんが、それは夢です。そんな方法があれば、とっくに日本中に広まっているはずですし、英語が苦手な人は存在しないでしょう。ですが、今日現在、そんな様子は全く見られません。

成果を出す人は、「効率」という言葉をあまり使いません。どれだけ時間を使ったとしても、それに見合う「大きな効果」を得ることができれば効率は気にならないからです。成果さえあれば、「効率」は重要ではないのです。

仕方なく勉強する vs 好きで勉強する

よく、「モチベーションを維持する方法は?」とか「やる気を出すにはどうすればいいか?」といった悩み相談を目にします。このような質問をする人は、おそらく全員、成果を出せない人です。何らかの理由で、仕方なく英語を学んでいるうちは、大きい成果を期待できません。

高校時代に物理が嫌いな人は、物理の授業を熱心に聞くことができなかったはずです。テストの点は低かったでしょう。それにより、ますます気持ちが離れていったのではないでしょうか。物理は嫌いでも日本史が好きであれば、きっと授業を真剣に聞き、自宅学習の時間も長く、成績は良かったことでしょう。英語もそれと同じです。

大きい成果を出す人が、そうでない人と比べて最も違うのは、「好きで学んでいる」ことだと思います。「好きこそ物の上手なれ」と言われるように、勉強に熱中し、心血を注ぎ、工夫することができれば上達が早いのは当然です。こんな話を聞くと「確かに自分は英語が好きではない。

だから、一生、上達しないのか」と悲観的になる人がいるかもしれません。確かにその通りかもしれませんが、そうでないかもしれません。つまり、現時点で英語が好きでなくても、これから好きになる可能性はあるのです。ボクの知り合いの中に、英語が嫌いなまま40歳を過ぎたものの、その後で好きになった人が何人かいます。

彼らに共通するのは、とにかく行動したことです。

小さい一歩を踏み出して、毎日英語の勉強をすることで、徐々に理解できることが増えます。学習が習慣となり、少し前まで解けなかった問題が解けるようになり、スコアが少し上がる。このような体験を頻繁に重ねることで、いつの間にか好きになるケースは確かにあります。成果を出せない人は、残念ですが、成果が出る前に止めてしまうのです。英語学習が、呼吸や歯磨きのように、当たり前の行動に変われば必ず大きい成果が生まれます。


ヒロ前田

カテゴリ:英語学習

【著者紹介】ヒロ前田( ひろ・まえだ)
TOEIC講師/企業研修講師/指導者養成トレーナー。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。全国の企業・大学でスコアアップ指導を行うほか、教員を対象とした「成果の出るTOEICの教え方」のセミナーも実施する。
TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。取得スコアは15点から990点まで幅広い。
■T’z英語ラウンジ:http://tz-eigolounge.jp/
■メールマガジン:http://hiromaeda.info/
■Twitter:@hiromaeda

【書籍紹介】『TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問 』(ヒロ前田  (著)、テッド寺倉 (著)、ロス・タロック (著)、アルク)
【書籍紹介】『TOEIC(R)テスト 新形式問題やり込みドリル』(ヒロ前田 (著)、 ロスタロック(著)、アルク)

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