英語学習

英語「嫌い」の人が英語「好き」に変わるキッカケはある?/イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

日本人の2人に1人は英語嫌いといわれるなか、英語嫌いを解消する方法はあるのでしょうか。「イングリッシュ・ドクター」西澤ロイさんに、英語嫌いを解消する考え方について教えてもらいました。

そもそも日本人の2人に1人が「英語嫌い」

仕事などで必要になり、どうしても英語を学ばなければならない……。しかしそもそも、英語はキライ、もしくは大の苦手という方が少なくありません。

中高生を対象に行なわれている調査では、昔も今もおよそ2人に1人が「英語が嫌い/苦手」と答えています。つまり、数千万人単位の日本人が英語嫌いなのです――。

一般的に、人は嫌いなものを避ける傾向にあります。つまり、英語嫌いであれば、英語と関わらないようにするのが当たり前だと言えます。一方そこで英語に立ち向かい、英語嫌いや苦手意識を乗り越えて「使える英語力」を獲得する人たちも少なからずいます。英語嫌いを克服するためには一体どうしたらよいのでしょうか?

私は今までに5,000人以上の日本人に対して英語学習指導を行なってきましたが、その中には「英語への苦手意識が解消した」「嫌いで仕方なかった英語が好きになった」という方もたくさんいます。英語嫌いを解消する1つの方法についてお伝えしたいと思います。

最初から英語が嫌いな人はいない

まず、生まれた時から英語が嫌いな人はいません。特に何とも思っていないか、むしろ最初は好意を持っていたり、ワクワクしたりしていた人も多いのではないでしょうか。将来的に英語ができるようになることで、世界中に行けたり、外国人の友達ができたりすることを夢見ていた人もいるでしょう。

つまり「英語嫌い」というのは、いつかどこかの時点で「嫌い」になってしまった、ということ。それにはきちんとした原因があり、それを取り除くことができたら「嫌い」という感情は解消できるのです。

食べ物に例えると分かりやすいかもしれません。子どもの時に嫌いだった食べ物が、大人になって好きになる……というのは、よくあることです。例えば「ピーマン」であれば、子どもの時にはイヤだった「苦味」が平気になる――それはつまり、ピーマンをもはや嫌う理由がなくなるだけなのです。

英語が嫌いになる根本原因

では、どうして日本人の多くが英語を嫌いになってしまうのでしょうか?

その原因としてよく語られるのは「先生」でしょう。英語に限らず、科目の好き嫌いは、先生への好き嫌い度合いが強く影響しますし、実際に先生の教え方が良くなかったかもしれませんが、それは根本原因ではありません。嫌いになってしまう本当の原因は、「よく分からない」「うまくできない」ことなのです。

英語は特に、日本語とは大きく違う言語です。文字が異なり、音も全く違います。語順はほぼ正反対ですし、冠詞というよく分からないものを名詞の前にわざわざつけなければいけません。

ですから最初はいろいろな疑問が出てくるはずです。例えば「appleにはなぜanをつけるの?」「疑問文はどうしてYou are...をAre you...?にするの?」「go to schoolにはなぜ冠詞がつかないの?」……etc。しかし、そこで「英語はそういうものだから覚えなさい」と言われてしまった人も多いのではないでしょうか。

結果として、多くの方が英語を「暗記科目」だと思い込んでいます。ワケの分からないままに、暗記を強いられてしまっているのです。

勉強が元々苦手な人であれば、暗記をしなければいけない時点で苦手意識を持ちやすいでしょう。勉強がある程度できる人や、英語にとても興味があった人でも、暗記に次ぐ暗記で嫌になってしまうケースが多いのです。

そもそも大人に丸暗記は向いていない

脳科学的に言って、小学生くらいまでの子どもと、思春期以降の大人とでは、学び方を大きく変える必要があります。中学生以降になると「理屈」、つまり「納得がいくかどうか」が大切になってきます。小学生くらいまでであれば、意味の分からないことでも記憶することが比較的容易にできます。しかし、大人の脳にとっては、意味の分からないことの丸暗記は非常に苦手なことであり、そもそも「やる気」も出づらいものなのです。

ですから、私は「英語は暗記科目ではない」と主張しています。英語は「納得科目」であり、1つ1つの事柄をきちんと腑に落とし、理解を積み重ねていくべき科目なのです。

なぜappleの前だとaではなくanなのか?

a/anという不定冠詞がありますね。例えばtableであれば「a table」になりますが、appleのように母音で始まる単語の場合には、aではなく「an apple」にする……と習います。これをただ暗記してしまっている人もきっとたくさんいることでしょう。

しかし本来、不定冠詞のa/anは実は、「1つ」を意味するoneが弱くなった形です。oneが弱くなることでanという形になり、「an apple」と言うわけです。しかし「an tableって」言いづらいと思いませんか? そこでnの音を落としたaという形が登場し、「a table」という言い方になったのです。

多くの人が暗記してしまっている「母音の前だとanにする」というルールは、実はそもそも存在しないのです。「a/anの語源はoneである」という事実さえ押さえれば、暗記などしなくても自然と納得がゆくものなのです。

まとめ:楽しければ「英語嫌い」「苦手意識」は自然と消える

挙げたのはほんの一例でしたが、このような事柄がたくさん存在し、日本人は余計な暗記を強いられてしまっています。そのせいで英語がうまく理解できなくなり、また大勢の英語嫌いを生んでしまっているのです。

逆に、こういった丸暗記を減らすことができると、英語が本当の意味で理解できていきます。「分かった」と思えれば、学ぶことが楽しくなり、さらに学びたくなります。そして、嫌いという感情や苦手意識は自然と薄れていくのです。

大切なのは、英語に対して「楽しい」と思えるようになること――。今回ご紹介したやり方の他にも、「英語を実際に使うことを通じて、英語でのコミュニケーションの楽しさに目覚める」というアプローチ方法もあります。ただし、その場合であっても、余計な暗記を減らすことは全ての英語学習者にオススメできる方法ですので、ぜひ取り入れてみてください。

納得しながら英語をやり直せる参考教材

・『頑張らない英文法』&『頑張らない基礎英語』(あさ出版)
中学校で学ぶ英文法を「暗記」ではなく「納得」しながら学べる二部作。第1弾の『~英文法』は5万部のベストセラーであり、続編となる『~基礎英語』は「時制」にフォーカスした内容となっています。

・『頑張らない英会話フレーズ』(あさ出版)
haveやtake、makeなど25個の基本動詞と、5個の前置詞を感覚的に理解する方法を解説しています。その結果として、300通りの英会話フレーズを一切の暗記なしで身につけることができます。

『頑張らない英文法』『頑張らない基礎英語』『頑張らない英会話フレーズ』
『頑張らない英文法』『頑張らない基礎英語』『頑張らない英会話フレーズ』

西澤 ロイ

【著者紹介】西澤ロイ(にしざわ・ろい)
イングリッシュ・ドクター®︎(英語の”お医者さん”)。英語への「苦手意識」や「英語嫌い」を解消し、英語が上達しない原因である「英語病」をなおす専門家。TOEIC満点(990点)、英検4級。
著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、「TOEIC L&Rテスト最強の根本対策」シリーズ(実務教育出版)など、計9冊で累計15万部を突破。
メディア出演多数。「めざせ!スキ度UP」の他、コミュニティFMにてレギュラー番組・コーナーを4本オンエア中。

■公式ウェブサイト:English Doctor

【書籍紹介】
◼️『頑張らない英文法』
◼️『頑張らない基礎英語』
◼️『頑張らない英会話フレーズ』

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