英語学習

ストーリー・テリングの力が磨かれる「ショー・アンド・テル」のおすすめ練習法/リラックスイングリッシュ

20ヵ国語を身につけた著者が教える新常識。『リラックスイングリッシュ』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著)で、母国語のように「力を抜いて」英語を話す方法を学びましょう。今回は第9回目です。

日本文化でショー・アンド・テルをしていく

一般的に日本人はストーリー・テリングの力が足りていない。残念ながら、そう言わざるを得ません。

質問を投げかけても、一言だけで終わってしまう。物語で語ることができない。だから「何を考えているか分からない」と思われてしまう。それだけならまだしも、最悪「つまらない人」と思われてしまう可能性だってあります。

だから、英語を学んでいるなら、英語でショー・アンド・テルの訓練を積みましょう。日本人にとってストーリー・テリングが難しいのは、単に学校で習ってこなかったからです。安心してください。訓練すれば身につきます。

皆さんが練習するにあたり、当然「おもちゃ」を語っても意味はありません。何か伝えたいトピックをご自分で選んでください。

僕のお勧めは「日本文化」です。お寿司、天ぷら、忍者、着物、京都……もちろん伝統文化ではなく、現代の文化でも。アニメ、マンガから、度がすぎると過労死を引き起こす日本人の働き方まで……これらは全て外国人が知りたがっているものです。

今や日本文化は世界中に輸出されています。パリはもちろん、僕の母国のポーランドでも日本アニメは人気です。ニューヨークのマンハッタンでは、おしゃれなラーメン店が流行っていて若い女性にも人気だそうです。

しかし、そういった「海外に輸出された日本文化」は、どうしても外国流にアレンジされていて、少し本場のものとは違ってきます。

今となっては笑い話ですが、以前こんなことがありました。

グーグルに在籍していた頃、シンガポールで人事のメンバーが一堂に会するオフサイト・ミーティングが開催され、僕も参加しました。そこで色々なアクティビティがあり、僕は「寿司作り体験」に申し込みました。メンバーは、日本人と日本に長年住んでいるオーストラリア人、そして僕です。たまたま普段から日本の寿司を食べている人が集まったわけです。

ところが、教室に入ると待っていたのは中国人の先生です。先生が日本人でないところからして、何となく雲行きが怪しい。薄々そう感じてはいましたが、先生は開口一番、自信たっぷりにこう言いました。

「皆さん、いいですか。まず、お米にマヨネーズを入れて混ぜてください」

これには「いや、もう全然違うから、おかしいから」と3人で顔を見合わせて辟易したのを思い出します。

なぜマヨネーズを入れたかと言うと、使っていたお米が日本米ではなく、東南アジアのお米だったから。パラパラしていて、どうにかまとめなくてはいけなかったそう。ここまで極端な例は珍しいとは思います。しかし、大なり小なりこういうことはあるはずです。日本文化は世界各国でアレンジされています。

「間違っている」指摘はできても……

問題は、こういった時に大半の人が「ここが間違っている。日本ではこうではないよ」と、指摘をすることはできても「じゃあ何が正しいのか」という説明ができないことです。

「寿司飯にマヨネーズを入れるのはおかしい」と指摘はできる。しかし「普通より少なめの水に昆布を入れて、お米を炊いて、炊けたら熱いうちに寿司酢と砂糖、塩を混ぜたものを回し入れます。しゃもじで切るように混ぜていってくださいね。混ぜすぎると粘り気が出るので注意して……」こういう説明まではなかなかできません。

1分で「ざっくり」伝える

完璧な説明をする必要は全くありません。日本文化は、着物、茶道、華道など、「完璧を目指し、極めること」が素晴らしいとされる文化だと思います。しかし、ここでの目的は、知識のない外国人に文化を伝えることなので「ざっくり」で構いません。

極端に言えば、着物を説明する時に正式な着付けを教えることが難しかったら、浴衣を用意して着せてあげればいいのです。それで「着物のかんたんなバージョンが浴衣だから」と伝える。それだけで外国人は喜びます。

ショー・アンド・テルの訓練のポイントは1分で伝えることです。1分間を計りながら、「物語で」伝える練習を積みましょう。

ネイティブが日常会話で1分間に話す語数は、大体150から200語くらいだと言われています。何かを丁寧に説明したり、プレゼンをしたりする際は、自然と日常会話よりゆっくりした話し方になるので、ネイティブでも200語まではいかないはず。まずは、1分間で100語前後を目安に訓練してみるのがいいと思います。

ショー・アンド・テルできるトピックがあればあるほど、相手は「面白い日本人だな」と興味を持ってくれ、異文化間での距離は縮まっていきます。

 
 



ピョートル・フェリクス・グジバチ

カテゴリ:英語学習

【著者紹介】ピョートル・フェリクス・グジバチ
ポーランド出身。2002年よりベルリッツにてグローバルビジネスソリューション部門アジアパシフィック責任者を務め、2006年よりモルガン・スタンレーにて、ラーニング&ディベロップメントヴァイスプレジデントを務める。2011年よりグーグルにて、アジアパシフィックでのピープルディベロップメント、2014年からはグローバルでのラーニング・ストラテジーに携わる。現在は独立し、プロノイアとモティファイの2社を経営。著書に『ニューエリート』(大和書房)などがある。

■プロノイア・グループ:http://www.pronoiagroup.com
■モティファイ株式会社:www.motify.work/
■Twitter:https://twitter.com/piotrgrzywacz

【書籍紹介】『リラックスイングリッシュ』(KADOKAWA)
20ヵ国語を身につけた著者が教える、落ち着いて英語が話せるようになる新常識。
完了形はいらない!
・関係詞ナシ
・仮定法ナシ
・RとLの発音ナシ
・三単元のsナシ

あなたへのオススメ記事

  • 20ヵ国語を身につける“原動力”となった「行動英文法」とは?/リラックスイングリッシュ
  • 「つまらない英会話」が一変する“価値観型”の質問/リラックスイングリッシュ
  • 相手に不快感を与えない! 一番安全で万能な質問は○○○○○/リラックスイングリッシュ
  • 日本の学校では絶対に教えてくれない「ショー・アンド・テル」とは?/リラックスイングリッシュ
  • 「電験三種」ってどんな資格? 仕事内容・試験概要・合格率・攻略法を徹底解説!

    「電験三種」ってどんな資格? 仕事内容・試験概要・合格率・攻略法を徹底解説!

  • NEW
    コレならOK? コレだと失礼? 上司&取引先とのビジネスマナー

    コレならOK? コレだと失礼? 上司&取引先とのビジネスマナー

  • 知ればもっとおいしくなる! 食べ物の秘密クイズ

    知ればもっとおいしくなる! 食べ物の秘密クイズ

  • いざというときもスマートに! 慶事・弔事のビジネスマナー

    いざというときもスマートに! 慶事・弔事のビジネスマナー

  • おいしい英語のトリビア満載! 英語の雑学クイズ

    おいしい英語のトリビア満載! 英語の雑学クイズ

  • 言われてみると…どっちがどっち?? 違いがわかる雑学クイズ

    言われてみると…どっちがどっち?? 違いがわかる雑学クイズ

英語学習の人気記事ランキング

  • 仕事に役立つのは? TOEICと英検のガチンコ比較/黒坂岳央

  • theなし複数形とthe+複数形の違いとは?/関正生のやり直し中学英語

  • 実際のところ、英検とTOEICはどっちが役に立つの?/黒坂岳央

  • 「じゃあ」「それじゃ」って英語で何て言う? /今日のタメ口英語

  • 「座席を倒しても良いですか?」を2語で言うと?/短い英語クイズ[前編]⑫

{ カテゴリ別ランキングを見る }

資格・スクール情報

  • 行政書士とは? 仕事内容を詳しく解説

    行政書士って何? どんな仕事をするの? 他の法律系資格との違いは? 行政書士に関する素朴な疑問を解決します。

    行政書士とは? 仕事内容を詳しく解説
ページトップに戻る