英語学習

英語は「発音」から入るのが最短ルート!/“世界最強”の英語勉強法①

日本人が英語を使えないのは、学び方や教え方が間違っているからだった!――英語習得への“最短ルート”を『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(斉藤淳著)で学びましょう。今回は第1回目です。

イェール大学で学んだ[発音]養成メソッド①~正しい発音はネイティブから学べない

語学の入門は発音から。本当にその言葉を身につけようと思うのであれば、発音は絶対に軽視できません。

まず、「意識的に音を区別して発音する能力」を身につけないかぎり、聴き取る力が育たない。そして、聴き取りができないと、インプットの量が格段に減少するため、長期的に見ても、語学力の質そのものに決定的な悪影響を及ぼしてしまいます。


さらに、ほとんどの言語では、文法の仕組みも「発音の規則」に基づいてつくられています。たとえば、三人称単数現在形のときに動詞の末尾につけるのが「-s」か「-es」か、比較級で「-er」か「more-」かといったことは、すべて「発音のルール」がベースになっているのです。

ですから、効率的に語学を身につけようという人ほど、発音から入るのが最短ルートなのです。


【非ネイティブのための「発音矯正プログラム」】

イェール大学の学部生に外国人留学生が占める割合は1割ぐらいです。しかし、そのほとんどは駐在員の子女や永住権所持者。つまり、すでにアメリカに生活基盤がある学生たちなので、「留学生」といってもネイティブとほぼ変わらないくらいの英語力があります。

ところが、大学院生となると、母国の大学を卒業して、大学院進学のタイミングでイェールに留学する人も多い。そうなると、英語があまり上手でない人も出てきます。


イェール大学にかぎらず、アメリカの大学は一般的にどこでもそうだと思いますが、ディスカッションや問題演習を行う学部の授業は、大学院生が教員を務めます。そこで大変なのは、非ネイティブの大学院生も、こうした授業を受け持たなければならないことです。

大学院生の英語があまりに拙(つたな)いと、「高い授業料を払っているのに、なんで英語ができない人間の授業を受けさせるんだ!」というクレームが学生やその保護者から必ず出てくる。

それを回避するために、大学では教壇に立つ大学院生を徹底的にしごいて、一定のクオリティの授業ができるようにトレーニングする仕組みがあります。このトレーニングの1つが「発音矯正プログラム」です。


私自身も最初は大学院生としてイェールに留学したので、学部生に教えるという義務を与えられました。その際、私も自ら志願し、1学期にわたってこの発音矯正プログラムを受講したのです。


【発音の矯正には「発音のプロ」の指導が理想】

このプログラムでは、音声学で Ph.D.(博士号)を取った人が指導を担当しますから、本当に細かいところまで徹底的に教え込まれることになります。

彼らは英語だけでなく、あらゆる言語の発音の構造を研究しており、私が日本人だとわかると、「日本人に特有のクセ」まで踏まえたうえでのアドバイスをしてくれました。たとえば、「日本語を母語にする人は、この発音をする際に舌がこの位置に来てしまうから、もう少し舌を上にずらすといいですよ」といった具合です。

専門的な知識に裏づけられた発音指導ですから、なんとなく“Repeat after me.”などといって練習するのとはわけが違います。


欲を言えば、日本人の発音学習も、このような専門的知識がベースになっているべきです。

しかも、発音は母語だけでなく、その人個人のクセにも影響されますから、その人の発音のクセを把握したうえで、適切に発音を矯正してくれるコーチが必要です。口の形、歯並びなどは、学習者それぞれに個性がありますので、その人その人に合った指導が理想的なのです。


【ネイティブに「発音の指導」ができるとはかぎらない】

発音矯正は、スポーツや楽器の練習と比べてみるとわかりやすいでしょう。

たとえば、野球の打撃。我流で覚えた変なフォームでボールを打とうすると、体を痛めてしまうこともあります。

では、どうするのか? コーチが適切な介入をし、きちんとしたフォームに矯正していくわけです。これをしないと、なかなかボールを遠くに飛ばせない。

残念なのは、野球の世界での常識が、英語教育の世界では常識になっていないことです。「ただ単に自己流でマネしていればいい」という考えがはびこっています。


といっても、すぐにそうしたコーチを探すのも難しいでしょうから、これ以降ではコーチ無しでもできるトレーニング法をご紹介していきます。

1点だけ注意しておいていただきたいのが、「ネイティブスピーカーと話す機会を増やせば、自然と発音がよくなる」というのは誤解だということ。ネイティブスピーカーは、まさに母語であるがゆえに、英語の発音を体系的・分析的には理解していないことが多いのです。

我々日本人も、日本語の発音について身体では理解しているものの、それを適切な言葉を使ってロジカルに説明できるかというと、そうではないはずです。


ですから、「先生がネイティブなら自然に発音が学べる」というのは幻想なのです。論理的なアドバイスを受けるなり、正しい情報に基づいて、意識的にトレーニングしていかないかぎり、英語の発音は決して改善しません。

日本人の教師に習うにしても、発音がからっきしダメで、まともな音声学の知識がない人に教わるのは論外です。ネイティブ、日本人を問わず、発音指導の知識・経験がある人に習うのがベストです。

斉藤 淳

カテゴリ:英語学習
【著者紹介】斉藤 淳(さいとう・じゅん)
中学・高校生向け英語塾「J Prep斉藤塾」代表。元イェール大学助教授。元衆議院議員。
1969年山形県生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業、イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。イェール大学助教授、高麗大学客員教授などを歴任。
2012年、アメリカより帰国し、東京・自由が丘にて英語塾を起業。現在自由が丘、渋谷、山形・酒田にて塾を展開。「自由に生きるための学問」を理念に、第二言語習得法の知見を最大限に活かした効率的なカリキュラムで、生徒たちの英語力を高め続けている。
研究者としての専門分野は日本政治・比較政治経済学。主著『自民党長期政権の政治経済学』により、第54回日経・経済図書文化賞などを受賞。

【書籍紹介】『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)
ハーバード、プリンストンと並ぶ米名門校の教授法をベースに再構成した、英語勉強法を紹介する一冊。世界のエリートたちがやっている「標準的な学び方」を実践しさえすれば、誰でも英語をマスターできます。元イェール大学助教授が公開する「世界最強メソッド」で、英語習得への最短ルートを走り抜けましょう!

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