英語学習

アメリカ英語とイギリス英語は、分けて勉強するべき?/黒坂岳央

英語にはアメリカ英語とイギリス英語があり、発音やスペルでいくつかの違いがあります。今回はブロガーの黒坂岳央さんが、それらの主な違いや勉強の心構えについて解説します。

「アメリカ英語は北米へ留学や仕事をする人、イギリス英語はヨーロッパへ留学や仕事をする人が身につけるべき」という意見があります。

こうした話を聞くと、「英語にはアメリカ英語とイギリス英語の2種類があって、それぞれを勉強しなければいけないのだ」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

今回はこうしたアメリカ英語、イギリス英語の違いや疑問を解決します。

単語の違い

アメリカ英語とイギリス英語は同じ意味でも、違った単語を使用することがあります。

例えば、「映画」は、

・アメリカ:movie
・イギリス:film

という違いがあったり、「エレベーター」は

・アメリカ:elevator
・イギリス:lift

といった具合です。

こうした話を聞くと、「それじゃアメリカ英語とイギリス英語の単語を、それぞれしっかり勉強しないとダメなのでは?」と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。

こうした単語の違いは、心配するほど多い分量ではありません。

・driver’s license
・driving license

とどちらで言われても「運転免許証」を指していることはわかると思います。このように、両者の単語は原型を留めないほど、まったく異質のものでもありません。

表現の違い

アメリカ人はとにかく「略称」が大好きな文化を持っています。

私が働いていた外資系企業でも、アメリカ系ということもあり、ビジネスメール文面には頻繁に略称が使われていました。

・ASAP:as soon as possible(できるだけはやく、いわゆるなるはや)
・FYI:for your information(ご参考までに)
・BTW:by the way(ところで)

「マクドナルドに行きませんか?」と尋ねる場合には、アメリカ英語とイギリス英語で次のような違いが見られます。

<アメリカ>
●You wanna go McDonald?(マクドナルドに行きたい?)

<イギリス英語>
●Would you like to go to McDonald?(マクドナルドに行きたいですか?)

アメリカ英語では「want to」を「wanna」と略称を使っていますよね? 一方、バシバシ略称を使わず、丁寧で紳士的なのがイギリス英語の特徴です。イギリス英語圏では「あまり略しすぎるのはエレガントでない」と捉える人もいます。

アメリカ英語は頻繁に略称が使われ、イギリス英語ではあまり略しすぎることを好まないという違いがある。この違いを覚えておきましょう。

スペルの違い

アメリカ英語とイギリス英語は一部の単語で、「つづり」が異なるケースがあります。

・organize(アメリカ英語) ⇆ organise(イギリス英語)
・center(アメリカ英語) ⇆ centre(イギリス英語)
・labor(アメリカ英語) ⇆ labour(イギリス英語)

しかし、心配する必要はありません。こうしたつづりの違いにはパターンがあり、学習の過程で自然に理解できる程度の差異です。

発音の違い

日本でも地域によってイントネーション(なまり)の違いがあるように、「アメリカ人は「R」をしっかり発音し、イギリス人は「T」をしっかり発音する」といったようなに、両者の英語には発音の違いがあります。

例えば、

●I get up at 7 tomorrow morning.(明日の朝7時に起きます)

という文章があった場合、アメリカ英語だとget upを「ゲダップ」と発音し、イギリス英語は「ゲタップ」としっかりと「T」を感じられる発音になります。

使用されている国の違い

アメリカ英語とイギリス英語は、使われている国が異なります。

イギリスは他国を植民地にしていた影響で、アメリカより多くの国でイギリス英語が使われているといわれています。

分かりやすいのはニュージーランドや、オーストラリアの例ですね。この2つの国は、かつてイギリスの植民地だった歴史があり、自国の国旗の中にイギリスの国旗が入っています。使われている英語も、アメリカ英語よりイギリス英語に似ている部分が多くあります。

一方、使用人口でいえば、アメリカ英語のほうがイギリス英語より多いというデータがあります。

文法の違い

アメリカ英語とイギリス英語は一部文法の違いがあり、最大の特徴はhaveの使い方の違いです。イギリス英語ではhaveをhave gotと使います。

●アメリカ英語:Do you have time?(時間ある?)
●イギリス英語:Have you got time?(時間ある?)

慣れれば大したことはないのですが、知識がないと驚いてしまうので、おさえておきましょう。

結論:違いはあるが、個別に勉強するほどではない

結論的には、アメリカ英語とイギリス英語は確かに異なる点がいくつもあるのですが、個別に必死に勉強をするほどではない、というのが私の考えです。

根底に「英語力」があれば、あとは慣れの問題です。

私は大学、外資系でアメリカ英語にどっぷりつかっていましたが、ヨーロッパ圏に旅行へ行ってイギリス英語に触れても、しばらくすれば完全に慣れ、困ることは何もありませんでした。

「アメリカ英語、イギリス英語のどちらを学ぶのかをしっかり選ぼう!」と鼻息荒くする必要はありません。両方とも、英語は英語です。しっかりした英語力をつければ、2つの違いなど恐るるに足らず、です。

黒坂 岳央

【著者紹介】黒坂 岳央(くろさか・たけお)
1981年、大阪府生まれ。「水菓子 肥後庵」代表。ビジネスジャーナリスト。高校卒業後、5年間のニート&フリーター生活の後、関西外国語大学短期大学部に入学。在学中にシカゴの大学へ留学し、会計学を学ぶ。卒業後は、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て、高級果物ギフト専門店「水菓子 肥後庵」を設立。

【書籍紹介】『1年でTOEIC985点&英検1級! 中学レベルの僕が「読むだけ勉強法」で英語をペラペラ話せるようになった! 』(大和書房)

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カテゴリ:英語学習

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