英語学習

「2019年の世界経済最大のリスクは日本銀行」海外メディアの論調/黒坂岳央

日本語ではない英語のメディアにも触れることで、「グローバルに俯瞰する力」がつきます。今回はブロガーの黒坂岳央さんが海外メディアをセカンドオピニオンとして活用する方法を紹介します。

日本の中で日本のメディアだけでは、正しい日本の姿が見えてくることはありません。

私は「グローバルに俯瞰(ふかん)して見る力」を持つことが極めて重要だと考えています。

さて、グローバルに世界を俯瞰し、正しい実態を理解するのには英語力が必須です。今回は日本経済をテーマに、グローバルに俯瞰して見る力の重要性を解説したいと思います。

2019年、日本経済の見方に違い

「2019年の日本経済の行方はどうなるのか?」は多くの人が関心を寄せているテーマですが、このテーマ一つとっても日本国内のメディアと海外メディアの海外ライターでは見ている視点が異なるものです。

国内メディアは、2019年の経済リスクは「米国の利上げ」「米中貿易摩擦」といったことを中心に取り上げていますが、海外メディアは「2019年の世界経済最大のリスクは日本銀行」といった論調が目につきます。これは驚くべきことです。

日本から見ると、米国や中国といった海外の大国が世界経済動向に影響を与えると言っているのに対して、海外から見ると、「日本こそが最大のリスク因子だ」とされているのです。

日本の隠れた爆弾、「日銀の国債発行残高」

日銀の国債発行残高の大きさは、度々問題になっています。

2017年の日本の経済規模を示す「名目GDP」は549兆円あります。日本国(政府)の借用証書である「国債」の発行残高は994.8兆円(2018年Q3暫定)で、GDPの2倍近くにおよびます。

国債を買い入れているのは「日本銀行454.6兆円」、「民間銀行409.6兆円」で、「海外59.1兆円」と6%に満たない額です。つまり、「日本の借金が大きい」と騒がれる話がありますが、そのほとんどは日銀と民間銀行が買い入れています。

これは家族間でお金の貸し借りをしているのと同じで、日本全体から見たら外部にお金を借りている比率は極めて低いという見方もできます。

一方、ロイター通信のSwaha Pattanaik氏のコラム「2019年の世界市場、最大の「隠れた脅威」は日本」では、これこそが日本の抱えている爆弾だとあります。

日本発の金融危機!?

「日本経済のリスクは、日銀が大量に保有する国債」と見ている海外メディアはなにを問題視しているのか?

国債の発行残高は年々増加の一途をたどっています。そのほとんどが日銀と民間銀行が保有しているわけですから、ひとたび国債の価値に疑念が生じれば、毀損(きそん)した時のダメージは日銀と民間銀行のバランスシートに一挙に現れます。

かつて「あの銀行、潰れるらしいよ」という噂で取り付け騒ぎが起きてしまい、金融恐慌が発生した事がありました(1927年昭和金融恐慌)。

「国債が危ない」となれば、「国債を大量に保有する地方銀行が危ないのでは?」という取り付け騒ぎの勃発にもなりかねず、そこから派生する金融危機がグローバル経済に与える影響は極めて大きいということなのです。

日本のチャンスもリスクも海外から見える

経済に限らず、日本の中から日本を見ても、チャンスもリスクも見えづらいです。しかし、反対に海外メディアを活用することで見出すことができる場合もあります。

昨今、「こんなにすごい日本」のような日本を称賛する番組が流行っています。

あたかも世界全体が「日本はすごい!」と思っているように錯覚してしまいがちですが、実際はそのように思っている外国人は世界的に見て少数派です。

外国人が感じている日本の魅力は、逆に私達日本人自身が知らなかったりするのです。

日本で問題になっている「過労死」は、ヨーロッパ圏の人たちに奇異に映るようで、「なぜ死ぬまで働くのか?」という事を熱心にメディアで取り上げ、研究していたりするわけです。

日本の中にいるだけでは、リスクもチャンスも見えないものなのです。

英語はセカンドオピニオンを得るためのツール


今回ご紹介した経済見通しについていえば、日本国内では悲観的に見ていても、海外ではとてもポジティブに見ているという例は数多くあります。

国内のメディアが流す国内のニュースだけを見ても、見えてこない真実は数多くあります。メディアを多面的に見て、真理に近づく努力をする。これこそが、これからの時代に求められるのではないでしょうか。

チャンスもリスクも、等しく正しい理解をするためにも、英語を勉強して海外メディアをセカンドオピニオンとして活用する。その英語力が求められるのです。


黒坂 岳央

カテゴリ:英語学習

【著者紹介】黒坂 岳央(くろさか・たけお)
1981年、大阪府生まれ。「水菓子 肥後庵」代表。ビジネスジャーナリスト。高校卒業後、5年間のニート&フリーター生活の後、関西外国語大学短期大学部に入学。在学中にシカゴの大学へ留学し、会計学を学ぶ。卒業後は、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て、高級果物ギフト専門店「水菓子 肥後庵」を設立。

【書籍紹介】『1年でTOEIC985点&英検1級! 中学レベルの僕が「読むだけ勉強法」で英語をペラペラ話せるようになった! 』(大和書房)

※参考記事
コラム:2019年の世界市場、最大の「隠れた脅威」は日本(ロイター)

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