プレゼンを頼むのも「5秒チャット」なら簡単! /ITエンジニアの英語術

現場で必要になのは中学英語の知識ではなく、誰でも身につけられる「5秒でチャット」する技術! 『ITエンジニアの英語術 最強の教科書』(板垣政樹著)で、本当に必要な英語力を学びましょう。今回は第10回目です。
新機能追加について
では次のようなシチュエーションを考えてみてください。
【Case】
データの可視化プラットフォーム、VUE Dashboardを作っている部署に次期バージョンでどんな機能が追加されるのか尋ねたい。調べてみるとプロジェクトマネージャー(PM)をやっているのはシェリーという人のようだ。概要について我々のチーム全員に説明してほしい。
これは「質問する」「依頼する」「確認する」のうち、どのパターンに当たるでしょうか?
少し考えれば依頼のパターンだとすぐにわかりますね。相手に依頼をする場合はなるべくストレートに相手に何をしてほしいかを伝えることがポイントでした。
ここで相手に何をしてほしいかをつきつめて考えると、「プレゼンをしてほしい」ということになります。
この場合もしシェリーがよく知っているPMであれば、
Hi Shelley. Can you do a presentation of the next version of VUE Dashboard?
(シェリー、VUE Dashboardの次期バージョンのプレゼンやってくれる? )
となります。
あるいは、「プレゼンをやる」というのをshow overview(概要を紹介する)と考えて、
Hi Shelley. Can you show us an overview of the next version?
(シェリー、次のバージョンの概要を紹介してくれる?)
でも構いません。
ところが、ここではシェリーは面識のない人です。そこでいきなりプレゼンを頼むのはいくらストレートに伝えた方がスピーディーにやりとりが進むとはいえ、唐突感が否めません。そこで、次のように「概要が知りたい」という背景を短く伝える一文から始めるとどうでしょう。

ここまで短い背景説明なら相手もイライラすることもなく、このチャットがVUE Dashboardについてであることが明確になるので、それからのやりとりもわかりやすくなります。その上で「プレゼンしてください」と依頼を切り出せばスマートなやりとりに仕上がります。このように、お互い状況をよく知る間柄でチャットをする場合と、全く面識のない人にチャットするのとでは、スタートの一文に多少の違いが出てきます。基本的にチャットは面識のある相手と行うことが圧倒的に多いので、通常はストレートに表現をしていって問題はありません。ですが、面識のない人には短く背景説明から入っていくとわかりやすいやりとりになるということを覚えておいてください。


著:板垣 政樹 / イラスト:2g(ニグラム)
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【著者紹介】板垣 政樹(いたがき・まさき)
米国Microsoft社のAI部門にて、パーソナルアシスタント「コルタナ」の音声認識、言語認識データ並びに個人データ管理のプロジェクトを担当。これまで、音声認識モデルのツール開発やビッグデータのプラットフォーム開発など機械学習インフラに関連したプロジェクトに従事。著書に『ITエンジニアが覚えておきたい英語動詞30』(秀和システム)などがある。
【書籍紹介】『ITエンジニアの英語術 最強の教科書』(KADOKAWA)