英語学習

聞き取れないのはワケがある。ネイティブ英語はココに注意!/英会話もったいない④

日本人の多くがしている英会話の学習は、ムダが多くてもったいない! 来日して35年のキャリアを誇る“日米ネイティブ”の英語講師デイビット・セインによる著書『英会話 その勉強ではもったいない!』より、もっともコスパの良い勉強法を初公開します(第4回)。

まずはリスニングのルールをマスターしよう(前編)

ネイティブではない日本人の皆さんが、英語を聞き取れないのは当たり前です。

◇ ◇ ◇

ネイティブの英語が

聞き取れないのにはワケがある

◇ ◇ ◇

って、ご存知でしたか?

「ネイティブはなまけ者」です。そのため実は、ネイティブが話すナチュラル・スピードの英語では、「言いやすさ」という理由から、さまざまな音の省略や変化が起きています。そのため辞書に載っている発音とは、まったく異なる発音になることも珍しくありません。ある程度、音の変化のルールを知らないと、正確に聴き取ることはできないでしょう。

そこで代表的な音の変化である「連結」「脱落」「同化」にポイントを絞り、ご紹介しましょう。

*本章では便宜上、似た音を表すカタカナ読みを併記しました。

「連結」(linking)とは

Thank you. という言葉を「サンク・ユー」と発音する人はいませんよね? 「サンキュー」と、Thank の最後のk の音とyou の最初のy の音がくっつき、「キュー」の音に変わります。簡単に言えば、これが音の「連結」(linking)です。

2つ以上の単語同士がくっつき、一つの異なる単語のように聞こえる音の変化を指します。

たとえばan orange が「アン・オレンジ」ではなく、an とorange がくっついて「アンノーレンジ」といった音になるのも連結です。

では、実際に音が連結されるとどうなるか、ネイティブの発音に似た音を表すカタカナ読みで見てみましょう。

①an apple[アナッポゥ]
②come on[カモン]
③far away[ファーラウェイ]
④stop it[スタッピッ(ト)]
⑤take out[テイカウ(ト)]


会話は、まず単語をブツ切りにして言うことはありません。

必ずつなげて発音しますから、実際の会話を繰り返しイメージして、パターンを覚えるようにしましょう。


①Here’s an apple.
(リンゴがここにある)
②Can you come on the trip?
(旅行に来れる?)
③My house is really far away.
(私の家はすごく遠い)
④Stop it!
(やめてよ!)
⑤Everyone, please take out your textbooks.
(みなさん、教科書を出してください)


「脱落」(elision)とは

Good job. と人をほめる時、「グッド・ジョブ」とは発音しません。「グッジョブ」とGood の最後のd の音を省略するはずです。このように、音の組み合わせなどにより、ある音が省略されて聞こえなくなる変化を、音の「脱落」(elision)と言
います。

単語が子音で終わり、その次の単語がまた子音で始まる場合、片方の子音が聞こえなくなることがあります。

また、語尾の[d][p][t]などの音は弱く発音され、ほとんど聞こえない場合があります。これらの変化を、音の「脱落」(「弱化」)といいます。いくつかのパターンがあるので、その代表的なものをご紹介します。

同じ子音の連続⇒前の子音が弱くなる

同じ子音が続く場合、片方が弱くなってほとんど聞こえなくなります。たとえばfirst time は同じ[t]の音が続きますが、最初の[t]の音が弱くなって「ファースト・タイム」→「ファースタイム」のようになります。


①good day[グッデイ]
②part time[パータイム]
③take care[テイケァ]
④this song[ディッソン(グ)]
⑤with that[ウィザッ(ト)]


①Have a good day.
(いい1日を)
②I work part time as a maid at a hotel.
(パートでホテルのメイドの仕事をしています)
③I have to take care of my dog.
(うちの犬の世話をしないといけない)
④What’s this song on the radio?
(このラジオでかかってる曲は、なんという曲?)
⑤What’s wrong with that?
(あれ、どうしたのかな?)

語末の[b][d][g][k][p][t]⇒弱くなる

単語の最後に破裂音([b][d][g][k][p][t]などの音)が来ると発音されず、ほとんど聞こえないことがあります。たとえばgood time は good の最後の[d]の音がほとんど聞こえなくなります。


①don’t mind[ドンマイン]
②get back[ゲッバッ]
③keep it[キーピッ]
④last week[ラスウィー(ク)]
⑤next time[ネクスタイ(ム)]


①I don’t mind.
(私は気にしない)
②I hope John can get back to the office before 3:00.
(ジョンが3時までに会社に戻れるといいんだけど)
③For now, let’s keep it between you and me.
(今のところは、あなたと私だけの話にしておいて)
④I read a few books last week.
(先週本を何冊か読んだ)
⑤He should study next time.
(彼は次回は勉強したほうがいいね)

[n]の後にある[t]⇒弱くなる

[n]の後に[t]の音がある場合、音が弱くなる傾向にあります。場合によっては、聞こえないぐらいの時もあります。

たとえば数字のtwenty の[n]の後の[t]は弱くなり「トゥェニィ」に近い発音になります。またwant to をネイティブが「ウァナ」と発音するのも、このルールによるものです。


①painter[ペインナァ]
②plenty[プレニィ]
③twenty[トゥェニィ]
④want to[ウァナ]
⑤winter[ウィナー]

①She’s a famous painter.
(彼女は有名な画家だ)
②There’s still plenty of food left.
(料理はまだたくさん残っている)
③She’s twenty years old.
(彼女は20 歳だ)
④I want to eat pizza.
(ピザを食べたい)
⑤Does England have cold winters?
(イギリスは冬が寒い?)

[t/d]と[n]に挟まれた母音⇒弱くなる

button を早く発音すると、「バトゥン」のような音になります。これは[t]と[n]にはさまれた音が鼻に抜けるような音になるからです。過去分詞形のように、最後に[n]がつく場合によく見られる現象ですから、ぜひ覚えましょう。


①button[バトゥン]
②garden[ガードゥン]
③midnight[ミッナイ(ト)]
④mitten[ミトゥン]
⑤sudden[サドゥン]


①Click on this button.
(このボタンをクリックしてください)
②Have you seen their garden?
(彼らの庭を見たことがある?)
③The game won’t start until after midnight.
(試合は午前0時過ぎまで始まらない)
④If you’re wearing red mittens, clap your hands.
(赤い手袋をしている人は拍手して)
⑤All of a sudden, I saw a ghost.
(突然幽霊が見えたの)

アクセントのない母音・音節⇒弱くなる

英語の場合、アクセントのある場所が強調されるので、もともとアクセントがついていない母音や、弱く発音される音節は、ほとんど聞こえなくなります。たとえばremember は、2音節目のme[メ]にアクセントが置かれるため、その前のre[リ]は添え物程度の音になります。


①because[(ビ)コーズ]
②before[(ビ)フォァ]
③especially[(エス)ペシャリィ]
④remember[(リ)メムバァ]
⑤probably[プロ(バ)ブリィ]


①Because we don’t have very much time.
(時間があまりないからだよ)
②I have to clean up before going out.
(出かける前に掃除しなければいけない)
③I especially like Mexican food.
(私は特にメキシコ料理が好きだ)
④I can’t remember her name.
(彼女の名前が思い出せない)
⑤You’re probably right.
(おそらくその通りだ)


ここで紹介した他にも、冠詞や代名詞、接続詞といった機能語(おもに文法的働きをする語)は、強調する場合をのぞいて弱く発音されるのが基本です。短縮されたり、前後の音とくっついて、ほとんど聞こえなくなることもあります。

◇ ◇  ◇

なまけ者のネイティブは、

発音でも、強調すべきところ以外は

「手を抜き」ます。

◇ ◇  ◇

オンとオフに注意してリスニングすると、新しい発見があるかもしれません。



デイビッド・セイン

カテゴリ:英語学習

【著者紹介】デイビッド・セイン(でいびっど・せいん)
米国生まれ。証券会社勤務後に来日。日本での35年を越える英語指導の実績をいかし、AtoZ GUILDと共同で英語学習書、教材、Webコンテンツの制作を手掛ける。累計400万部を超える著書を刊行、多くがベストセラーとなっている。
AtoZ English主宰。

【書籍紹介】『英会話 その勉強ではもったいない!』(青春出版社)

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