英語学習

海外旅行で役に立つのは? TOEICと英検のガチンコ比較/黒坂岳央

海外旅行を楽しむ上で、TOEICと英検はどちらが役に立つのでしょうか。英語学習の著作もある黒坂岳央さんが、自身の海外旅行経験をもとにガチンコ比較します。

英語が活用できる場というのは、何もビジネスや留学といったアカデミックな場面だけではありません。

海外旅行の際にも、英語力は大いに楽しみを広げ、深堀りしてくれるツールになります。

私は過去に色々な国へ旅行に行ってきましたが、その時には「努力して英語を身につけて本当によかったな」と心から感じたものです。

さて、海外旅行を楽しむ上で役に立つのは、TOEICなのか、それとも英検なのか。

今回はそんなガチンコ対決をご紹介します。

海外旅行は読む・聞くが9割

海外旅行に行く時に、多くの人が真っ先に考えるのが「英会話」です。

入国審査やホテルでの受付、レンタカーの利用時に、質問に対して返答をしなければいけません。

「ちゃんと話せるか?」ということでがぜん気合が入るのは、「話す」ことについてです。

しかし、ふたを開けてみると、海外旅行を英語で楽しむためには「読む・聞く」というスキルが9割を担っています。

書く出番はほとんどなく、話す場面は非常に限定的でさらに対策を講じることができるので、英語が苦手な人はついつい大きく構えてしまいます。

しかし、大きな問題になることは実はほとんどありません。

むしろ真に求められるのは「読む・聞く」というスキルです。

海外旅行はよほどのハプニングが起きない限り、話せなくても困りませんが、英語が読めず、聞きとれなければ困ってしまうシーンはたくさんあるのです。

話す事はほとんど必要ない

海外旅行で読むシーンはたくさんあります。私はフランスとスペインに行った時、奥さんがお肉(牛・豚・鶏)が苦手なのでシーフードメニューを選ぶ必要がありました。

その際、メニューを見て判断していましたが、そこで読む力が問われれます。

ヴェルサイユ宮殿へ行った時も、広大な宮殿を闊歩する上でこの広間はどういうものなのか、自分たちが行きたいプチ・トリアノンにはどう移動すればよいのか。

さらに、徒歩か、プチトラン(ミニ列車)か、ということなども、案内板が読めなければいけません。

また、パリでは「クロワッサンコンクール」を受賞した人気店トップ3へ行き、クロワッサンの食べ比べをしたのですが、その際も地図だけではお店への道がわからず「May I ask you a direction?(道をお尋ねしても良いですか?)」と声をかけて、相手の回答を正確に聞き取る必要がありました。

その一方で、話すことに関しては、その場面も必要な表現もかなり限定的です。

入国審査では、あらかじめ内容が決まっている事に答えるだけで、高度な英語力など必要ありません。

ホテルもレストランも、ツアーでは言わずもがな。

自分たちで楽しむ場合も、予約しておけば現地ではチケットを出すだけで済んでしまいます。

現地に仲のいい現地人の知り合いがいて、その人にお世話になるという特殊なケースでない限り、海外旅行は読む・聞く力が9割です。

よしんば少々話すことができたとしても、相手の返答を理解できなければ、片通話にしかならないのです。

TOEICと英検はどちらが必要か?

海外旅行を楽しむ上で、「TOEIC900点を持っていた方が有利か、それとも英検1級か?」という観点でお話をします。

資格自体がまったく役に立たないのは当然ですが、英検の準1級・1級レベルが取れる人の方がTOEIC700点取れる方よりも海外旅行に有利と考えます。

まず、英検は使用されている単語はかなり骨太です。

特に1級レベルになると、fiasco(大失敗)や、raison d'etre(存在意義)といった「英語でない英単語」も出題されます(fiascoはイタリア語、raison d'etreはフランス語)。

この歯ごたえの強い英単語を覚えているのは、強力に働きます。

ヨーロッパの寺院などに行くと、そこでの案内板にはその建物の歴史などが書かれていますが、それを読む上では英検で必要となる単語力が役に立ちます。

語彙力がなければ何が書いてあるのかが読めず、せっかくのツアーを楽しむことができない場面もあると考えます。

そして英検は、TOEICと違って面接があります。

たとえば1級の試験では、2分間のスピーチが求められます。

「話す機会はあまりない」とお話したものの、現地の友達と会い、その際に「日本人は働いてばかりというのは本当か?」といった質問や「なぜ、日本人は集団で行動するのか?」といった事を聞かれると、かなりのスピーキング力が必要です(実際、私はこのような質問を受けた経験があります)。

TOEICの問題を9割解いて高スコアを叩き出しても、このような質問を回答する力がないことがほとんどではないでしょうか。

しかし、英検をパスできる人なら、2次試験の面接を突破しているということですから、こうした質問へきちんと回答する能力を持ち合わせていると考えます。

結論的には、私はやはり英検に軍配があがると感じます。

スペインのコスタ・デル・ソルやバルセロナのガウディ建築を楽しむ上で、英検を頑張っていた時代に獲得した英単語と再開できて嬉しく感じたものです。

やっぱり、英検は過小評価されているもったいない試験と感じます。

真剣に英検をやった人だけが分かる、英検の価値というものがあるのです。


文=黒坂 岳央

カテゴリ:英語学習

【著者紹介】黒坂 岳央(くろさか・たけお)
1981年、大阪府生まれ。「水菓子 肥後庵」代表。ビジネスジャーナリスト。高校卒業後、5年間のニート&フリーター生活の後、関西外国語大学短期大学部に入学。在学中にシカゴの大学へ留学し、会計学を学ぶ。卒業後は、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て、高級果物ギフト専門店「水菓子 肥後庵」を設立。
■Blog:黒坂岳央の超公式ブログ
■Twitter:@takeokurosaka

【著書紹介】『1年でTOEIC985点&英検1級! 中学レベルの僕が「読むだけ勉強法」で英語をペラペラ話せるようになった!』(大和書房)

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