資格取得

中小企業診断士の維持費はいくら? 更新費用や協会の加入メリットについて

中小企業診断士は独立を目指す人にも、会社員にも人気の資格です。しかし、資格取得後に維持費がかかるので、それを危惧している人もいるでしょう。そこで、この記事では、具体的にどのような費用がいくらかかるのか、活動ができずに支払えなくなった場合はどうすればいいのか、などについて紹介します。中小企業診断士として活躍していくために、ぜひ維持費についても詳しく理解しておきましょう。

中小企業診断士の資格を維持するためには?

試験に合格し、晴れて中小企業診断士となるためには、経済産業省に登録する必要があります。登録によって初めて資格が有効なものとなり、その有効期限は1回の登録につき5年間です。

更新時の条件は、「知識の補充」と「実務の従事」の要件をいずれも満たしておくこと、となっています。更新時にこれらの状況はリセットされるので、長く中小企業診断士として活動するためには、期間内にその都度条件を満たさなければなりません。

この2つの要件を満たすために別途費用がかかる、というわけです。中小企業診断士の資格そのものではなく資格を維持するための条件に費用がかかる、という点は後に紹介する制度にも関わってきますので、心に留めておくと良いでしょう。

資格維持のために必要な要件1:知識の補充

中小企業診断士の資格を維持するためには、2つの要件を更新時に満たしておく必要がある、ということを紹介しました。では、その要件とは、それぞれどのようなものなのでしょうか。まずは、1つ目の「知識の補充」について、満たすべき条件と、そのための費用を紹介します。

1.「知識の補充要件」を満たすために必要なこと

以下に紹介する3つのうちいずれかを5年間で5回行うと、「知識の補充」要件を満たすことができます。1つは「理論政策更新研修」の受講、もう1つは「論文審査」に合格すること、そして最後の1つは「理論政策更新研修」の講師を務めることです。

中小企業診断士の維持費はいくら? 更新費用や協会の加入メリットについて1

いずれも期間内であれば内訳や実施タイミングなどは考慮されないため、1年に1回ずつでも、最初の1年間で5回クリアしてしまっても構いません。難易度や労力の面から、最初に上げた理論政策更新研修の受講が一般的とされています。

理論政策更新研修は、「新しい中小企業政策について」というテーマで行われる1回4時間の研修です。サブテーマは年度ごとに、また地域によって選択が異なりますが、例えば2019年度は「中小企業のIT利活用支援」「地域資源を活用した中小企業支援」などとなっています。

2.「知識の補充要件」を満たすためにかかる費用

理論政策更新研修の講師を務める場合、費用負担はありません。理論政策更新研修を受講する場合、そして論文審査の受講・受験の場合、費用はいずれも1回6,000円程度です。そのため、「知識の補充」要件を満たす費用は5年間で30,000円程度が目安となっています。

理論政策更新研修の場合、受講料納入後のキャンセルは原則として返金しないことが定められているため、どうしても受講できない事態が発生した場合以外は必ず受講するようにしましょう。理論政策更新研修は都道府県ごとに、週に1回~月に1回程度のペースで開催されています。

資格維持のために必要な要件2:実務の従事

2つ目の要件は「実務の従事」です。一度受かってしまえばずっと有効となる資格もある中で、実務を行っていなければ長期的な資格保持ができないと定められているため、難関資格らしい厳密な判定が行われているといえます。そのような「実務の従事」要件について、満たすべき条件と、そのための費用を紹介します。

1.「実務の従事要件」を満たすために必要なこと

主な方法は、中小企業に対して経営診断・助言業務を行うことです。1日、つまり1回訪問して業務を行うごとに1ポイントが与えられるので、これを5年間で30ポイントためれば条件を満たすことができます。すでに独立して仕事をしている場合は、その際にクライアントから証明書への署名捺印をもらえれば問題ありません。

個人事業主を含め、付き合いのある中小企業がある場合は、支援を申し出てみるのも良いでしょう。無償の業務であっても構わないので、証明書への署名捺印をもらえるのであれば、知人に助言を30回行うことでも達成できます。

もし企業内診断士として働いているケースなど、日々の業務内にコンサルティング業務を行うクライアントがいない場合は、自分で実務先を見つけたり知り合いの中小企業診断士から実務先を紹介してもらったり、といった行動が必要です。そのような場合は「中小企業診断士協会」に加入すると、実務従事先を斡旋してもらえたり、協会主催の実務従事に参加したりすることができます。

2.「実務の従事要件」を満たすためにかかる費用

自分で証明書に署名捺印をしてもらえるクライアントを見つけられる場合は、費用はかかりません。もちろん実務を行ううえで必要な経費はかかりますが、有償業務のついでに記入を依頼するのであれば、報酬も通常通り受け取ることができます。

中小企業診断士協会に加入して実務の従事を行う場合は、年会費と実務従事の参加費用が別途必要です。実務従事の参加費用は地域によって異なりますが、例として神奈川県では20,000円となっています。年会費は中小企業診断士協会についての説明時にまとめて紹介しますが、要は日頃の業務次第で費用がかかる場合とかからない場合があるということです。

中小企業診断士協会には加入した方がいい?

中小企業診断士協会への加入は任意です。経済産業省への初回登録の際に入会を勧められますが、「どうしても費用を払いたくない」などの考えがあれば、入会しないという選択もあります。しかし、入会することで得られるメリットもあるので、まずは仕組みを理解しておきましょう。ここからは、そのような中小企業診断士協会について、入会するメリットや費用などを説明します。

1. 入会金・年会費

中小企業診断士の維持費はいくら? 更新費用や協会の加入メリットについて2

中小企業診断士協会は都道府県ごとにあり、どの都道府県の協会に加入しても構いません。住所地や勤務地などに応じて、任意の都道府県の協会に加入できます。入会金や年会費は都道府県ごとに異なり、例えば東京都は入会金30,000円、年会費は50,000円です。

ほかにも神奈川県の場合は入会金30,000円、年会費は42,000円、大阪府なら入会金30,000円、年会費45,000円、などとなっています。年度途中での加入の場合は月割りで支払うケースが多いです。試験合格後3年以内に加入しなければ以降入会できなくなるので、迷っている場合は入会しておくのも良いでしょう。

2. 加入するメリット

先述した、資格更新のための「実務の従事」要件を満たすための研究会などに参加できることが大きなメリットの1つです。通常の業務で「実務の従事」要件を満たせるクライアントがいない場合は、入会することで要件を満たしやすくなります。

また、協会によっては、企業診断士の診断を必要としている中小企業と実務の実施要件を満たしたい診断士のマッチングの機会を設けているところもあります。例えば東京都なら参加費は2,000円なので、多くの場合は協会の講習などに参加するよりも安価です。他にも、クライアントの紹介や相談窓口の利用、機関誌の配布などが受けられます。

中小企業診断士の更新要件を満たせない場合は休止制度の利用も

5年毎の更新を行わない場合、資格は抹消してしまいます。しかし、経済産業大臣に休止申請書を提出すれば、資格の有効期限の経過を止めることが可能です。申請した日から15年間という期限つきではありますが、再開するまでの期間は維持費が0円になります。

中小企業診断士としての活動こそできなくなりますが、中小企業診断士を名乗ることや履歴書の資格欄に記入することは可能です。実務を伴わないのであれば、このような休止制度の利用を視野に入れても良いでしょう。

中小企業診断士の維持費は要件を満たす方法によって変わる

中小企業診断士の維持費には、内訳として2つの要件を満たすための費用という面があります。「知識の補充」面では一般的に受講する理論政策更新研修費の30,000円は必須となりますが、「実務の従事」に必要な費用は、自分で従事先を見つけることができれば節約も可能です。

中小企業診断士協会に加入すれば実務先が見つけやすくなりますが、任意加入となるので、費用とメリットをよく検討してから決めるようにしましょう。

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