資格取得

中小企業診断士になるには? 養成課程にかかる費用やメリットを解説

国が認めた経営コンサルタント資格である「中小企業診断士」になる方法として挙げられるのが、「中小企業診断士(登録)養成課程」を受講することです。資格取得のために有効な手段であり、受講にあたって費用がいくらかかるのか気になる人も多いのではないでしょうか。今回は、養成課程を受講するための費用をはじめ、養成課程ならではのメリットについて解説していきます。

中小企業診断士への道は2通りある

中小企業診断士になるための道のりは、主に2通り存在します。1つ目は、一般社団法人中小企業診断協会が行っている「中小企業診断士試験」の1次試験・2次試験に合格した後、15日間以上の実務補習を受講するという方法です。

2次試験合格者は6名以内のグループに分かれ、実際の企業の経営を診断したり、よりよい経営を成し得るためのアドバイスを行ったりします。15日間の補習を終えると経済産業大臣への登録を行い、晴れて中小企業診断士を名乗ることができます。

2つ目は、中小企業診断士試験の1次試験に合格した後、経済産業大臣から認められた一部の機関において実施される「養成課程」を受講するという方法です。養成課程の受講には半年~1年ほどかかることが多く、受講料も必要ですが、2次試験や実務補習が免除されるため確実性が高い方法といえるでしょう。

なお、養成課程を受講するケースでも、中小企業診断士を名乗るためには経済産業大臣への登録を済ませなければなりません。

養成課程を受講するためには?

中小企業診断士試験の2次試験に合格したり、実務補習を受けたりするのが難しい場合は、養成課程を受講するとよいでしょう。次は、養成課程を受講できる場所と費用について説明していきます。

1. 受講できる場所と通学期間(昼間)

日中に養成課程を受講したい場合は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する中小企業大学校、または登録養成機関を利用することができます。下記に具体的な機関と通学期間を記載するので、参考にしてみましょう。一般的には半年~2年間通うケースが多いですが、半年で卒業できる「中小企業大学校」が特に人気を集めています。

中小企業大学校には寮が隣接しており、地方在住者も安心して勉強に集中できるでしょう。実習に入ると寮でも議論が続くこともあり、同じ目的を持つ仲間たちと刺激し合って知識を高められるため、思い切って入寮するのがおすすめです。

【昼間の部】
・公益財団法人日本生産性本部(半年)
・中小企業大学校(半年)
・法政大学大学院(1年)
・株式会社日本マンパワー(1年)
・一般社団法人中部産業連盟(1年)
・千葉商科大学大学院(2年)
・東洋大学大学院(2年)
・中京大学大学院(2年)
・名古屋商科大学大学院(2年)

2. 受講できる場所と通学期間(夜間・週末)

養成課程は、日中だけでなく夜間や週末にも受講することができます。日中は仕事などでなかなか受講できないという人は、夜間や週末に行われているところを探して通うとよいでしょう。具体的な機関と通学期間は、以下の通りです。

【夜間・週末の部】
・日本マンパワー(夜間・1年)
・中部産業連盟(夜間・1年)
・東海学園大学(夜間・2年)
・東洋大学(夜間・2年)
・名古屋商科大学(週末・2年)
・千葉商科大学(週末・2年)
・兵庫県立大学(夜間と週末から選択可能・2年)

3. 必要な費用

養成課程を受講するには、一定の費用がかかります。具体的な費用は各機関で変わりますが、たとえば平日昼間の部であれば250万円前後、週末の部では250~300万円前後、夜間の部では150~250万円前後が相場です。これはあくまでも受講にかかる費用の相場であり、通学のために家を借りる際の家賃や生活費などは含まれていないので注意しましょう。

普段の生活を維持しつつ、これだけの費用を準備しなければならないため、計画的に資金を貯めておくことが大切です。なお、中小企業大学校や登録養成機関では、年度によって費用や募集人数が変わる場合もあるため、利用を検討する場合は各機関の公式サイトを確認しておきましょう。

どうやって養成機関を選べばいいのか?

ひと口に養成課程といっても、実施機関や受講時間、費用などはさまざまに異なります。この中から自分に合う養成課程を選ぶには、「場所」「通学期間」「MBA取得可否」という3つのポイントに注目するとよいでしょう。

まず「場所」について、養成課程受講中は予習復習などの勉強時間を確保する必要があります。このため、通学に時間をかけるのはあまりおすすめできません。どんなに魅力的な養成機関があったとしても、自宅や職場から遠く離れたところを選ぶのはやめたほうが無難です。通学にばかり時間をとられ、疲れて予習復習が十分にできなければ元も子もありません。

無理なく通える範囲で実施機関を選ぶか、遠いところに通いたい場合は引っ越しや入寮などを検討したほうがよいでしょう。なお、入寮が可能なのは中小企業大学校のみとなります。「期間」については、1~2年かけてじっくり学べるのか、仕事を半年間休職して集中的に通うのかなど、自分の状況に合わせて考えることが大切です。

「MBA取得可否」については、大学院で養成課程を受講する場合にMBAを同時取得できるコースもあるため、中小企業診断士とあわせてMBAの取得も目指す場合は大学院の中から選びましょう。

養成課程で中小企業診断士を取得するメリット・デメリット

いくら中小企業診断士が有用な資格とはいえ、わざわざ時間と費用をかけてまで養成課程を選ぶことに躊躇する人もいるでしょう。不安や疑問を解消するために、次は2次試験ではなく養成課程を利用して資格を取得するメリット・デメリットについて説明していきます。

1. 養成課程を受講するメリット

養成課程を受講するメリットには、効率よくコンサルティング経験を積めるという点が挙げられます。養成課程では、実際の企業を相手に調査・分析などを行い、アドバイスをするなどの実習を何度も繰り返すケースも珍しくありません。

資格取得前から、実務に近い体験ができるのは大きな魅力でしょう。2次試験を受ける場合は実務補習がありますが、15日間と非常に短い期間であるため、実際に中小企業診断士として働くうえでの経験や実力はつけにくいです。

また、養成課程では半年~2年間、同じ目的を持つ仲間とひたすら勉強する濃密な時間を過ごし、グループディスカッションも何度も経験するため、人脈づくりやコミュニケーション能力の向上も期待できます。

さらに、合格率がわずか20%程度の2次試験と比べ、養成課程は修了すれば資格取得につながるため無駄がありません。実務に生かせる経験を積みながら確実な資格取得を目指したい場合は、やはり養成課程のメリットが大きいといえるでしょう。

2. 養成課程を受講するデメリット

養成課程のデメリットとしては、まず費用がかかることが挙げられます。養成機関にもよりますが、養成課程を受講するには150~300万円ほど費用が必要であり、独学や予備校を利用して2次試験を受験するのと比べるとかなり高額です。

資金に余裕がない場合、まず養成課程受講のための貯金から始めなければならず、資格取得までの道のりが長くなってしまうケースもあるでしょう。また、講座を受講できる期間や時間帯が養成機関ごとに決められているため、それに合わせて時間を確保する必要もあります。

さらに、将来中小企業診断士関連の講師業を目指す場合、2次試験を受験せずに資格を取得することで、2次試験の講師になるのが難しいという点もデメリットのひとつです。もちろん、1次試験の講師や養成課程の講師は可能ですが、活躍できる場などの幅が狭まってしまうのは覚悟しておきましょう。

3. 2次試験を検討する場合の注意点

養成課程にかかる高額の費用の問題から、2次試験の受験を選択するケースもあるでしょう。2次試験は合格すればそのまま実務補習、経済産業大臣への登録と進めますが、不合格になってしまうリスクもあります。

不合格でも翌年のみ2次試験から再受験できますが、2年連続で不合格となった場合、その次の年は1次試験から受けなおさなければなりません。2次試験は難易度が高いため、何年も合格できずに1次試験と2次試験の受験を繰り返すことを考えれば、多少費用がかかっても養成課程を受講したほうが結果的に近道になることもあります。

中小企業診断士の養成課程は費用はかかっても安心感がある

中小企業診断士の養成課程は、養成機関によって通学期間が変わったり高額の費用がかかったりするため、2次試験を選ぶ人も多いでしょう。

しかし、不合格のリスクがある2次試験と比べ、修了すれば資格を取得できる養成課程には大きな安心感と確実性があります。期間が決まっているため先々の計画も立てやすいなど、実は魅力が満載のおすすめの方法なので、これを機に検討してみてはいかがでしょうか。

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