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簿記における仕訳とは? 仕訳のルールや実際の流れを解説!

簿記における仕訳とは?仕訳のルールや実際の流れを解説!

ビジネスの基本的な知識を身につけられる簿記は、就職やキャリアアップのために取得を目指す人も多く、学生から社会人まで幅広く人気の高い資格です。簿記では日々の取引を伝票に記録しますが、そのためには仕訳のルールを知っておくことが前提となります。この記事では、簿記における仕訳の基本的な知識とともに、仕訳を正しく行うために理解しておくべき勘定科目や、実際の仕訳の手順についても詳しく解説します。

{ 目次 }

1. 仕訳とは取引を分けて記録すること
2. 取引の勘定科目は5つに分類される
2-1. 資産
2-2. 負債
2-3. 純資産
2-4. 収益
2-5. 費用
3. 貸借対照表と損益計算書
4. 実際の仕訳の流れ
4-1. 取引を2つの増減に分ける
4-2. 勘定科目に置き換える
4-3. 左右を考えて勘定科目を記入する
5. 貸方と借方の組み合わせは8つ!
簿記の仕訳は難しくない!

1. 仕訳とは取引を分けて記録すること

会社は利益を出すために、日々さまざまな企業活動を行っています。そして、その活動に伴い出入りするお金やモノの動きを帳簿に記録する方法が「簿記」です。また、このようなお金やモノの動きを簿記では「取引」と言います。

帳簿に取引を記録する際には、決められた仕訳のルールに従わなければなりません。「仕訳」とは、簿記上の取引の要素を「借方」と「貸方」の2つに分類して、帳簿に記録することです。借方は帳簿の左側に、貸方は右側に記録することがルールとなっています。

2. 取引の勘定科目は5つに分類される

仕訳をするにあたり、取引の分類について理解しておくことは基本です。まず、企業活動における取引は、要素によって5つのグループに分けられます。取引にはさまざまな内容がありますが、必ずいずれかのグループに分類することがルールです。

また、5つのグループのなかには、取引の性質によって、さらに細かく分けた「勘定科目」もあります。勘定科目とは、記録された取引の内容を見やすくするために、お金やモノの出入りの詳細をわかりやすく表したものです。現在の経営状況を把握する際にも役立ちます。ここでは、簿記に欠かせない勘定科目について、5つのグループに分けて説明します。

2-1. 資産

資産とは企業が所有している財産です。経済活動において評価される「価値のあるもの」を指します。現金のほか、企業名義のものであれば、事務所などが建つ土地や建物なども資産です。パソコンや机などの備品、まだ販売していない物品なども含まれます。

さらに、現在手元になくても、将来入ってくる予定があるものであれば、所有財産と扱われるものもあるため注意が必要です。たとえば、売掛金や貸付金はその一例となります。

売掛金とは、代金の支払いをあとで請求できる権利です。その場では現金を受け取らずに代金は後払いとしているため、お金は未払いの状態となっています。また、貸付金とは、貸したお金をあとで請求できる権利です。返済してもらえば現金として所有財産となります。

2-2. 負債

簿記における仕訳とは?仕訳のルールや実際の流れを解説!1

経済活動は、自己資金だけですべてをまかなえるとは限りません。外部からの資金調達が必要となる場合もあります。ただし、資金調達と言っても返済が必要なこともあれば、不要な場合もあるものです。そして、負債とは資金調達したもののうち、将来返済する必要があるお金を指します。たとえば「借入金」や「買掛金」などです。

借入金とは、金融機関などから借り入れをして返済しなければならない資金を言います。一方、買掛金は、同じ後払いによる取引でも、あとで支払いを受けることが決まっている売掛金とは立場が逆で、あとから支払いを行わなければならない義務のことです。負債は、いずれ出ていくことが決まっているお金であるため、少ないほどよいものということになります。

2-3. 純資産

純資産とは、名前の通り純粋な意味での資産を指し、出資金や利益などといった企業の所有資産のうち、ストックしておくお金のことです。純資産のグループに属するものには、たとえば「資本金」や「元入金」などがあります。

純資産のカテゴリに含まれる資本金と元入金は、どちらも事業の元手になる資金のことですが、2つの勘定科目には違いがあるため注意が必要です。まず、資本金は会社の運転資金を示すのに対し、元入金は個人事業主が事業を開始する際に用意する資金を言います。

また、株主の出資金が充てられる資本金に対して、事業主自ら出資するお金が元入金です。個人事業主は株式発行ができないため自分で出資することが必要となります。さらに、資本金は増資や減資が行われなければ原則同額ですが、元入金は毎年金額が変わるというのも異なる点です。

開業時に銀行からの借入金も元手とする場合がありますが、借入金は将来返す必要があるお金であるため、純資産には入れられないことに注意しましょう。

2-4. 収益

事業の成果として新たに会社に入ってきたお金が収益です。収益に含まれる項目は複数ありますが、代表例として、営業活動により得られる「売上」を挙げることができます。一般的には、収益のうち最も多く占めるのが売上です。売上は、商品を販売したりサービスを提供したりすることで得られる代金です。

営業活動により上げたい数字のひとつとして「利益」もありますが、売上と利益はまったく別のものであるため気をつけましょう。売上は営業活動によって得たすべてのお金を指すのに対し、利益は売上から原価を差し引いた儲けを意味する言葉です。

2-5. 費用

通常であれば、収益を得るためには何かしらの行動を取ることが必要となり、収益につながる行動にかかったお金を費用と言います。収益は資本を増やすためのものですが、費用は資本を減らす原因となるものです。たとえば、広告宣伝費や交際費などは収益を得るために使われたお金となります。

販売する物品の購入や商品の基となる原料の調達などの際に支払う「仕入れ高」も一例です。そのほか、従業員に支払われる基本給や賞与などの「給与手当」といった人件費も費用に含まれます。

3. 貸借対照表と損益計算書

ここまで、勘定科目が「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」の5つに分類されることについて説明してきました。しかし、この5つに分けられた勘定科目を、どのように帳簿に記録していくべきかがわかりにくいところです。

簿記では、ひとつの取引があるごとに借方と貸方に分けて2つの記録を行います。この作業が「仕訳」です。仕訳の際に各項目を貸方と借方のどちらに記入するかは「貸借対照表」と「損益計算書」の2つの書類に関連しています。

そもそも、簿記の目的とは、会社の財政状態や経営成績を明らかにすることです。簿記の目的を達成するために必要となる書類が財務諸表で、通称「決算書」とも呼ばれています。なかでも、代表的な書類として「財務三表」に含まれているのが「貸借対照表」と「損益計算書」です。

貸借対照表は、ある時点における会社の資産と負債の状況をまとめたもので、財産状況を知ることができます。

一方、損益計算書とは、一定期間における会社の経営成績を明らかにしたものです。貸借対照表を構成するものは「資産」「負債」「純資産」の3つで、「資産」から「負債」を引くと「純資産」になります。対して「費用」と「収益」により構成されているのが損益計算書で、収益から費用を差し引いて算出されるのが「純利益」です。

4. 実際の仕訳の流れ

各勘定科目は、貸借対照表と損益計算書のどちらで使用する項目かを理解したら、実際の仕訳の流れについても知っておきましょう。ここからは、仕訳フローを具体例とともに説明します。

簿記における仕訳とは?仕訳のルールや実際の流れを解説!2


4-1. 取引を2つの増減に分ける

今回は「会社で1万円のホワイトボードを購入した」というケースを例に取って、具体的に説明をしていきます。仕訳の最初のステップとして行うことは「ホワイトボードを購入した」というひとつの取引を2つに分類する作業です。取引には、見方によって必ず「増えた」側面と「減った」側面があります。

今回の例では、1万円のホワイトボードの購入で、購入代金として現金は1万円減りますが、同時に購入品が手に入るためホワイトボードという1万円の価値をもった資産は増えることになるのです。

4-2. 勘定科目に置き換える

「ホワイトボードを購入した」という取引を資産の増加と現金の減少に分けることができたら、次に行うのは勘定科目への置き換えです。どの勘定科目に分類されるかは、取引の特徴に応じて決まっています。たとえば、ホワイトボードはオフィス用品であるため、テーブルや電球などと同じ分類となり消耗品費です。

ただし、本来であれば消耗品費に含まれるものでも、取得価額が10万円以上または使用できる期間が1年以上のものは固定資産という扱いになり減価償却が必要となります。今回の例では、10万円未満で購入しているため「消耗品」となり、分類されるのは「資産」です。減少した現金も「資産」に含まれます。

4-3. 左右を考えて勘定科目を記入する

仕訳の最後のステップとなるのが、勘定科目の記入です。分類した項目を勘定科目に置き換えて「資産の増加」と「資産の減少」に分けたら、分けたものをそれぞれ借方と貸方に書き込みます。借方と貸方のどちらに書き込むかについてはルールがあり、資産の場合だと、増加したほうを借方に、減少したほうを貸方に記入するのが決まりです。

また、借方は帳簿の左側に、貸方は右側に欄を作ることも固定で定められています。今回の例では、帳簿の左側にある借方の欄に「消耗品/10000」、右側にある貸方の欄に「現金/10000」と書かなければなりません。

5. 貸方と借方の組み合わせは8つ!

借方と貸方のどちらに書き込むかの判断は、8つのパターンを覚えてしまえば簡単です。借方と貸方の組み合わせは8パターンしかありません。まず、資産の増減を見て、増えていたら借方(左)に、減っていたら貸方(右)に記入します。負債の場合は、増えたら貸方(右)、減ったら借方(左)に書き入れるのがルールです。

さらに、純資産を確認し、増えていたら貸方(右)、減っていたら借方(左)に書き込みます。一方、費用と収益は発生したときに記録が必要となる項目です。費用が生じたら借方(左)に、収益が発生したら貸方(右)に記入します。

簿記の仕訳は難しくない!

簿記の仕訳は専門的な知識が必要となるため、一見すると簡単には理解できないように感じることもあるでしょう。しかし、ルールさえ覚えてしまえば難しいものではありません。最初に取引の増減により2つに分け、勘定科目に分類したら、貸借対照表や損益計算書の図に基づいて帳簿に記入していくだけです。基本となるルールをしっかりと押さえて、正しい仕訳を行いましょう。

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