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国内MBAでどんなことを習うの? ビジネススクールで習う内容がイメージできる本/小林敬明

戦略、人事組織、マーケティング、会計、ファイナンスは、代表的な経営学のカテゴリーですが、ビジネススクールで開講されている全ての科目がこれらのカテゴリーにきっちり分類できるわけではありません。

たとえば、医療経営、公共経営、観光経営といったカテゴリー横断で学習する科目や、クリエイティブ発想法、シナリオ・プランニングといったビジネスの基礎スキルを強化するための科目、知財、税務、統計、経営科学といった経営学以外の分野と関係の深い科目が挙げられます。

このような経営学のカテゴリーでは捉えきれない科目も併せて概観することで、ビジネススクールで習う内容をイメージできるのではないでしょうか。

そこで今回は、①代表的な経営学のカテゴリーに分類できる科目、②複数カテゴリーを跨ぐ科目、③いずれのカテゴリーにも属さない科目の3パターンについて、それぞれ該当すると考えられる本をご紹介いたします。

1.代表的な経営学のカテゴリーに分類できる科目

『事業戦略策定ガイドブック-理論と事例で学ぶ戦略策定の技術』(坂本 雅明、同文舘出版、2016年)

実務における事業戦略の策定について書かれた本です。実証済み理論だけでなく、実務的な検討手法も取り入れている点がこの本の特徴です。ポジショニング・アプローチ、SWOT分析、3C分析といったシンプルで比較的頑強な理論やツールを利用した事業戦略策定の手法を学ぶことができます。

社会人であればなじみのあるだれもが知っている企業の戦略を例にして解説されているため、具体的なイメージをもって理解できると思います。また、各部の末ページにしっかりと引用文献が記載されていますので、より理解を深めたい場合の架け橋にもなると思います。

2.複数カテゴリーを跨ぐ科目

『ロジカル・ライティング 論理的にわかりやすく書くスキル』(照屋華子、東洋経済新報社、2006年)

ベストセラー「ロジカル・シンキング」の著者が書いた、ビジネス遂行に不可欠な論理的にわかりやすく文書を書く技術を学べる本です。

メッセージの組み立てから表現までの工程について、それぞれのステップでおさえるべきポイントや手法が書かれています。MECE、So What? / Why So?、論理パターンという3つの考え方からなるロジカル・シンキングのアプローチを用いて、読み手に納得感をもってもらえるような文書の作成方法を得ることができます。

この本自体がロジカル・ライティングの手本として練られており、例えば各章のタイトルを見ると体言止めを使用せず、必ず述語で終わっています。その理由はこの本の「第2部 メッセージの表現」に記載されています。文書作成に自信のない方だけでなく、文書作成技術をより高めたい方にもおすすめです。

3.いずれのカテゴリーにも属さない科目

『影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか』(ロバート・B・チャルディーニ(著)、社会行動研究会 (訳)、誠信書房、2014年)

他人に考える隙を与えずにYesと言わせる技術があったら、どうしますか? また、そのような技術があったとしたら、もし自分に使われたらどうしますか?

実はこの世界にはそのような技術が存在して、セールスマン、募金活動員、広告マンは、意図的して使っているのです。著者が承諾誘導のプロを研究した結果、他人にYesと言わせるために使う戦術は数限りなくあっても、その大部分は6つの基本的なカテゴリーに分類できることがわかりました。

それぞれのカテゴリーを支配するのは、人間の行動をつかさどる基本的な心理学の原理であり、その原理をこの本では「影響力の武器」と呼んでいます。

この本の原著初版は1985年に出版されて以来、30言語に翻訳されロングセラーとなっています。科学的知識に基づいて書かれた良書であり、単なるハウツー本とは異なります。496ページの圧倒的なボリュームに尻込みしてしまうかもしれませんが、社会人なら喉から手が出るほどほしい交渉相手に「Yes」と言わせる(言わされる)技術が載っています。是非、読んでいただきたいと思います。

ちなみに著者が33年ぶりに書き下ろした「PRE-SUASION」も、2017年に日本語版が発売されました。こちらは、「なにを」言うかだけでなく、「いつ」言うのが影響力を発揮するかについても科学的に述べられています。私もちょうど今読んでいるところですが、相変わらず面白いです。ただ残念ながら508ページもあるので、カバンに入れられませんが……。

MBAに興味をもつ方は、ここで取り上げた3冊の中で興味のある本を手に取って頂ければと思います。面白い、と思ったらビジネススクール入学をおすすめします。

また、今回あげた本以外にもビジネススクールで習う内容を知る方法はあります。各ビジネススクールのシラバスに、テキストや参考図書が載っています。


小林 敬明

カテゴリ:資格取得

【著者紹介】小林 敬明(こばやし・たかあき)
株式会社TransRecog代表取締役。東京理科大学理学部応用数学科卒業、首都大学東京大学院社会科学研究科経営学専攻(MBAプログラム)修了。大学在学中にプレイステーション用ソフト「アランドラ」の開発にプログラマとして参画。卒業後、株式会社日立製作所、マイクロソフト株式会社などに所属しSE、プロジェクトマネージャとして従事。2017年11月、現職。世界初のWindows向け重ね書きメモアプリ「AxelaNote」展開事業を実施中。かわさき起業家賞受賞。「落ちないシステムの作り方」日経SYSTEMS 2011年3月号他。

■ブログ:ある国内MBA(ビジネススクール)に通っていたエンジニア

【書籍紹介】
『事業戦略策定ガイドブックー理論と事例で学ぶ戦略策定の技術ー』
『ロジカル・ライティング (BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING) 』
『影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか』

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