資格取得

行政書士試験での「3つの苦行」を克服した体験談/杉山友理

行政書士試験で合格するには、勉強をするうえで直面するさまざまな苦労を乗り越えていく必要があります。「資格キラーのブログ」を運営する杉山友理さんが、自身の合格体験を語ってくれました。

行政書士は「街の法律家」とも言われるように、試験を通じて日々の生活において必要な法律知識を習得することができます。特に民法で学ぶことになる貸借権や相続などは一生のうちに一度くらいは関わることになるかと思います。

この行政書士試験は、一昔前はそこそこ受かりやすかったようですが、現在では合格率が一桁の難関試験です。

さらに一般常識という科目ではテキストで対応しきれない内容が出題されるため、日頃からニュースを見ておいたり、高校レベルの社会科の知識を覚えている必要があります。

このような難関試験では勉強をしているうちにツラくなることが多いと思います。本記事では、私が行政書士試験を学習する上で手強かった3つをピックアップし、どうやって切り抜けたかを体験談という形で紹介したいと思います。


判例や法律を覚えるという苦行

法律系試験に共通するのが判例や法律の暗記です。出題方式は様々で、法律知識を応用して解かせる問題もあれば、法律条文の一部が空欄になっていて選択肢から補充させるものもあります。後者の空欄補充問題の場合は法律を丸暗記する必要があります。

丸暗記だけならまだいいのですが、法律というのは小難しい表現や堅苦しい文章が多く、読むだけでも一苦労。

そして最大の問題は、私自身が脈絡もない文章を暗記することが大嫌いだったということです。

私はテキストを読むよりも先に問題集の解説を読みながら理解していくスタンスなので判例や法律を読むのはツラくて仕方がありませんでした。試しに行政法の条文を少しだけ読んでみましたが1分で嫌になって諦めてしまい、モチベーションがだだ下がりしました。

そこで「苦手なことをしても仕方がない」と割り切って、問題集に頻繁に登場する条文だけ暗記することにしました。つまり、判例集や六法を購入せずに、あくまでも問題集を解きながら学ぶという従来通りのスタンスで試験学習に挑みました。その結果、学習意欲を低下させずに勉強を継続することができました。 

似たようで微妙に違う項目を覚えるという苦行

次に苦戦したのが似たようで微妙に違う項目の暗記です。共通する箇所は関連付けて覚えやすいのですが、共通点は多いものの少しだけ差異があるものを区別して覚えるとなると途端に難しくなります。それが中々覚えられずに勉強が進まないことが多々ありました。

例えば、民法では住民監査請求と住民訴訟の請求方式の違いや債権者代位権と詐害行為取消権の違い等、行政法では行政事件訴訟法と行政不服審査法の執行停止手続きの違いなどです。

試験ではこれらの混同を誘って出題されることも多く、その際には曖昧な理解では引っかかってしまうため、完璧に理解しておく必要があります。

他にも所有権の時効完成前の第三者と時効完成後の第三者のような、事象の前後で対応が異なる問題もかなり嫌らしい。

このような問題に対しては、文字だけで理解することを諦めて、表を利用して整理しました。私は自分でノートを作るのが嫌いなので、表を用いて丁寧に区別して説明されているテキストや問題集を選び、該当ページに付箋を貼っておいて何度も目に焼き付けることで頭の中にインプットする方法で対応しました。

このような難解な箇所は、初回の学習時点で全て覚えようとすると挫折しやすいです。暫定的に付箋を貼っておいて頻繁に見直すことで少しずつ覚えていくと学習が継続できるのでお勧めです。 


複雑な関連性や一連の流れを覚える苦行

行政書士試験では文章だけを読んでも内容が理解しづらい問題が多く出題されます。何度読んでも状況が掴めないので、そのうちに飽きてしまうこともしばしば。

これには、民法での複数人が登場する抵当関連の問題、行政法では審査請求手続きの流れ等が該当します。

具体的には「AはBに家屋を受け渡した後でBが登記前に死亡し、家屋を相続したBの子供Cが住むこととなった。その後、Aは別のDに家屋を受け渡し、Dは直ちに登記した。DがCに家屋を受渡すよう要求した場合、Cは家屋を手放さなければならない」という正誤問題が出題された場合、文字だけ追っていって意味を理解するのはかなり難しいと思います。

こういう場合、状況をイラストで図示する方法が効果的です。なので文章だけのテキストや問題集よりもイラストで丁寧に説明されているものを選ぶのが良いでしょう。複雑な関連性や処理の流れを視覚的にインプットするということです。

表やイラストを用いて暗記する手段を変えることで飽きを排除する効果も期待できます。


自分なりの勉強方法を工夫しよう

行政書士の勉強が進まなくなったら苦手だと割り切って学習方法を変えてしまう。そして、必要に応じて表やイラストを図示するといった工夫で乗り切りました。

行政書士試験を受験する人の大半は行政書士として働きたい方だと思われるため、合格後に行政書士として活躍している自分の姿を想像してモチベーションを維持し続けることが大切です。

また、行政書士になりたいという思いがそこまで強くなくても「街の法律家」と呼ばれるように、自分自身の人生に役立つ知識が得られることは大きなメリットです。

試験直前期は今までやってきた方法で合格できるのか不安になることもあるでしょう。しかし、簡単に合格できる試験ではない難関試験だからこそ合格する価値があります。

勉強がツラくなっても自分なりの勉強方法に工夫を凝らしたり、合格後のメリットをイメージするなどして諦めないで合格に向けて勉強し続けてください。


杉山 友理

カテゴリ:資格取得

【著者紹介】杉山 友理(すぎやま・ともよし)
東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 修士課程終了。イギリス留学中ファウンデーションコースにてAAAの成績を取得。ITエンジニア・オンライン家庭教師。東京大学や東京工業大学等の難関大学・大学院、中小企業診断士やITストラテジスト等の難関資格試験の指導合格実績他、資格の合格体験記や勉強のやり方を紹介する資格キラーのブログ「blog.katekyonet.com」を運営。これまでに合格した資格試験数は50以上。資格対策用のAndroidアプリ問題集を開発し、Google Play Storeの教育ジャンルにて有料アプリランキング1位取得実績あり。

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