資格取得

シンガポールMBAを検討している人が知っておきたい基礎知識/川尻秀道

シンガポールはMBAの留学先として真っ先に上がるほどの人気があります。そこで今回は、シンガポールMBAを検討している人が知っておきたい基礎知識についてご紹介します。

MBA Loungeが定期的に開催している個別相談会の中でもっとも多い相談が、シンガポールMBAに関するものです。

関心が高い理由として、「就学期間や学費が魅力的」「住みやすい」「将来はシンガポールで就職したい」「もともと仕事で関わっている」などが挙げられます。多くの人が、シンガポールに留学して今後のキャリアを形成していきたいと考えているのです。

そこで今回は、シンガポールMBAを検討している人が知っておきたい基礎知識についてお話します。

1.アジアの広範囲をカバーできる

シンガポールMBAの魅力は、アジア地域の広範囲をカバーするその守備範囲の広さでしょう。

シンガポールは地理的にアジアの中央に位置します。プログラム内容も日本、中国、韓国などの東アジアからマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムなどの東南アジアまでをカバーし、ビジネスパーソンとしてアジア諸国で展開していくための感覚を養うことができます。

また、それらの地域からの学生も多く、アジアでの強力なネットワークを形成することができます。

ビジネス環境面から、多くの外国企業がシンガポールに進出しているため、シンガポールでの就学経験が就職活動における大きな強みとなります。

世界銀行(The World Bank)が行なった調査「ビジネス環境ランキング2019」では、シンガポールがニュージーランドに続いて世界2位となりました(※1)(日本は39位)。

また、在シンガポールの米国商工会議所(American Chamber of Commerce)によると、シンガポールの最大の強みは安定した政治と法整備であり、それぞれ90%、84%の満足度があるとの調査結果を発表しています(※2)。

それゆえに日本やアメリカを含め世界中から本社や支店をシンガポールに誘致する企業も急増しています。

2.優秀な学生とのネットワークが充実している

シンガポールをMBA留学先に選ぶ方々の理由として多いのは、ランキングの高い有名大学であるということです。

シンガポール国立大学(NUS)、ナンヤン理工大学(NTU)、シンガポール経営大学(SMU)の3校における主要なMBAランキングは以下の通りです。

●Financial Times: Global MBA Ranking(2018)
18位:シンガポール国立大学(NUS)
22位:ナンヤン理工大学(NTU)
49位:シンガポール経営大学(SMU)

●The Economist: Which MBA? Full Time MBA Ranking (2018)
68位:ナンヤン理工大学(NTU)
73位:シンガポール国立大学(NUS)

●QS: Global MBA Ranking(2019)
40位:シンガポール国立大学(NUS)
52位:ナンヤン理工大学(NTU)

3.住環境が整備されている

イギリスの人材調査会社ECAインターナショナルが発表した「アジアの駐在員が最も住みやすい都市ランキング2018」で、シンガポールは4年連続1位で、特に犯罪率の低さ、医療の質、そして教育の質などが大きく評価されています(※3)。

ビジネスパーソン、主婦(主夫)、学生まで多くの日本人が在住しており、もちろん差別などもなく、生活面での不安を最小限におさえることができそうです。

留学する本人はもちろんのこと、家族で留学先へ引っ越す場合であっても安心して現地で生活できるといえるでしょう。

期間と学費(フルタイム)

就学期間と学費が、欧米のビジネススクールと比べて短いのも特徴です。これは、私費留学の方々にとっては特に大きな魅力です。

各大学のフルタイムMBAプログラムの期間と学費は以下の通りです。

・シンガポール国立大学(NUS):17カ月、SGD62,000(約520万円)
・ナンヤン理工大学(NTU):12カ月、SGD62,000(約520万円)
・シンガポール経営大学(SMU):12カ月、SGD60,489(約500万円)

相談会でよく聞かれる質問

最後に、MBA Loungeが開催している相談会でよく聞かれる質問とその回答を記載します。

【Q:実務経験によってはGMATが免除になるケースがあると聞きましたが、シンガポールの場合、GMAT免除の可能性はありますか?】

A:私が各スクールに確認した情報によると、シンガポール国立大学(NUS)、ナンヤン理工大学(NTU)、シンガポール経営大学(SMU)ともにGMAT免除は現時点ではないようです。とは言うものの「GMAT=MBA入学試験」ではありませんので、エッセイ、インタビュー、CVなどが優れていれば低いスコアでも合格することもあり、その逆もしかりです。

【Q:MBA取得後にシンガポールで就職したいのですが、可能ですか?】

A:シンガポールには日本企業をはじめ、多国籍企業が多く進出していますので、MBAホルダーや日本人に対する求人は他の国に比べて比較的多いと思います。しかしながら、シンガポールでMBAを取得した卒業生の方々に就職事情を聞いてみると、現実はそう甘くはないようです。多くの求人があるということは、他国でMBAを学んだ多くの優秀な学生もシンガポールで職を求めてやってくるということです。シンガポール現地での就職を希望するのであれば、英語力はもちろんのこと他のMBAホルダーよりも秀でたスキルを身に付け、それをアピールしていくことが重要となります。

【Q:シンガポールMBAは、日本で高く評価されますか?】

A:シンガポールに限らずアジアMBAホルダーの存在感は年々増してきているというのが私の印象です。社費留学でも留学先はアジアのビジネススクールに限定している企業も出てきています。アジアでMBAを取得する学生の数も上昇傾向にあり、これまで以上にアジアMBAは日本でも評価されていくことになるでしょう。とはいうものの、MBAには弁護士や会計士のような独占業務はありませんので、自分の強みを企業側にしっかりとアピールして自分の市場価値を上げていくことが重要です。

◇ ◇ ◇

以上、シンガポールMBAについて、その特徴やよくある質問をまとめました。みなさんのMBA留学の参考になれば幸いです。

※データ・情報はすべて2018年11月現在のものです。

川尻 秀道

カテゴリ:資格取得
【著者紹介】川尻 秀道(かわじり・ひでみち)
MBA Lounge 代表。
1978年1月生まれ。静岡県出身。少年時代は、勉強「普通」、スポーツ「普通」、顔「普通」。三拍子そろった普通の少年。あまりの「普通」の人生に危機感を感じ、人生最大のリスクを背負って2007年8月よりMBA国際認証トリプルクラウン校であるクイーンズランド工科大学(オーストラリア)のQUT Business SchoolへMBA留学。現在はMBA Loungeを運営。MBAでの経験、海外勤務や海外事業での経験から学んだ事を惜しみなくシェアし、クライアント様が第二のキャリアとして世界で活躍して頂くことに最高の喜びを感じる。

【参考記事】
※1・Doing Business 2019
※2・「Why Singapore is still ASEAN's best business hub」
※3・「Singapore once again the most liveable city for Asian expats」

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