自己流で本当に合格できますか? ビジネス実務法務検定試験®の頻出ポイントを 『ゼロからスタート!武山茂樹のビジネス実務法務検定試験®1冊目の教科書』の著者でLEC人気講師の武山茂樹先生が解説します(第1回)。

はじめまして。LEC東京リーガルマインド専任講師の武山茂樹といいます。ビジネス実務法務検定試験®講座だけでなく、司法試験講師も担当しており、これまで各種法律系資格試験で問われるポイントを徹底的に分析してきました。

さて、東京商工会議所主催のビジネス実務法務検定試験®ですが、企業の法務部門に限らず、あらゆる職種に役立つ資格として、ビジネスマンや就職活動を視野に入れた学生に人気がある検定試験です。東京商工会議所の試験といえば、簿記が有名ですが、その法律バージョンと考えていただければよいでしょう。

3級の合格率は70~80%程度と、比較的合格しやすい試験といえますが、民法をはじめとして大変広い範囲を扱います。そのため、はじめて法律に触れる方は、範囲の膨大さを見て途方に暮れることも多いようです。

この連載では、ビジネス実務法務検定試験®3級の合格を目指す方に向けて、参考になる勉強法や試験のポイントを紹介していきたいと思います。

試験ではどのような内容が問われる?

まずは出題範囲を見ていきます。ビジネス実務法務検定試験®には1級、2級、3級と3つの級があります。まずは登竜門である3級の出題内容を見てみましょう。ちなみに、3級の出題形式はすべてマークシート式です。公式ホームページの表記とは若干違いますが、内容は同じです(私がわかりやすいように再構成しました)。

① ビジネス実務法務の法体系
 法律の種類、ビジネス実務法務の全体像、CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンスについて学びます。

② 企業取引の法務
 契約の種類、取引や契約でトラブルが起きたときの処理を学びます。

③ 債権の管理と回収
 売掛金などの債権の管理や回収、企業倒産時の処理などを学びます。

④ 企業財産の管理と法律
 不動産や知的財産などに関わる法律を学びます。

⑤ 企業活動に関する法規制
 消費者保護法や個人情報保護法、環境法や独占禁止法など、さまざまな規制について学びます。

⑥ 企業と会社のしくみ
 会社に関する法律です。そもそも会社とは何かという点から、株主総会や取締役会の手続きまで扱います。最も企業法務らしい分野といえます。

⑦ 企業と従業員の関係
 労働に関する法律です。労働契約や有給休暇などについて学びます。

⑧ ビジネスに関連する家族法
 結婚や離婚などの家族に関する法律や、相続について学びます。

このように、幅広い内容になっています。ただ、試験に合格するためには、全てを覚える必要はまったくなくて、ポイントを抑えればよいのです。ビジネス実務法務検定試験®は弁護士になる試験ではありませんから。

3級のレベルは、「ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる(ビジネスパーソンとして最低限知っているべき法律実務の基礎知識を想定)」となっています。ポイントをおさえ、問題演習をしていけば、合格レベルに達することでしょう。

2級や1級合格を目指してみよう

2級以上の試験内容についても紹介しておきましょう。2級のレベルは「企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家への相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している(知識レベルとしてのアッパーレベルを想定)」となっています。

簡単に言えば、社内で営業担当が法律的なトラブルに遭遇してしまったときに、そのトラブル内容を聞き取り、社内で解決できるのか、弁護士への相談が必要なのかを振り分け、弁護士相談が必要な場合は弁護士にわかりやすく伝える。そんな能力が身に着くということです(まさに法務部の仕事ですね)。

3級の知識に加え、より詳細な会社法の規定や労働組合、国際取引法務、民事裁判手続など、レベルの高い法的知識も含まれます。企業の法務部の方は、できればこのレベルまでは目指したいところです。

また、法律的な知識が必要な業界では、営業や企画等でもこのレベルの知識を身に着けて損はないでしょう。さらに、労働法などの知識も当然法務には入りますし、会社法などは経理とも関係が深いので、総務、経理、人事の方にもおすすめの資格になっています。

次に1級のレベルですが、「業務上必要な法律実務知識をビジネス全般にわたって持っており、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断・対応ができる(実務的対応能力としてのアッパーレベルを想定)」となっています。要求される知識レベルは2級とほぼ同じです。

ただし、1級は事例問題を実際に論文の形で解答する論述式試験となっています。その点、かなりレベルが高い試験といっていいでしょう。

資格取得で活躍のフィールドが広がる!

ビジネス実務法務検定試験®の資格は、就職・転職の際に法務知識のアピールに使えるでしょう。

近年はコンプライアンス(法令遵守)の重要性が叫ばれていますから、法務部の方はもちろん、営業の方等にとっても役に立つ資格です。また、他の法律系資格への登竜門として、取得を目指す方もいます。

ふだんお仕事をされている方であれば、資格試験の勉強には大変な面もありますが、結果はきっとついてきます。一緒に頑張りましょう。

※ビジネス実務法務検定試験®は東京商工会議所の登録商標です

武山 茂樹(LEC東京リーガルマインド専任講師)

カテゴリ:資格取得
ビジネス実務法務検定試験®についてもっと知りたい方はこちら

【著者紹介】武山 茂樹(たけやま・しげき)
弁護士。北海道出身。京都大学法学部卒業。国家公務員I種試験(法律職)合格。LECで公務員や宅建講座を教えるなか、第1回予備試験に合格。司法試験予備試験合格は世間で言うほどには難しくないことを伝えるため、予備試験の講師としても教壇に立つ。現在、司法試験講座だけでなくビジネス実務法務検定試験®講座も担当する、マルチで活躍する人気講師。

【書籍紹介】『ゼロからスタート! 武山茂樹のビジネス実務法務検定試験®1冊目の教科書』(KADOKAWA)
法律系資格試験の講師歴9年以上で現役弁護士のLEC武山講師が、初学者に向けてビジネス実務法務検定試験®3級合格への最短ルートを提示します。膨大な試験範囲から、合格に必要な基礎知識を1冊に凝縮。1項目見開きで、左に試験に出る頻出ポイントの丁寧な解説、右に理解しやすい図やイラスト満載で、どんどん読み進められます。難解な法律用語も図解で攻略!

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