資格取得

司法書士の試験を受けるならまず「足切り」に注意! 合格に必要な点数と気になる合格率

合格率が低く取得困難な資格である司法書士試験には、いわゆる足切りラインが設定されています。午前の択一式問題、午後の択一式問題と記述試問題のそれぞれに、合格に必要な基準点が設けられており、一つでも基準点に達していないとそれだけで不合格になってしまうので注意が必要です。

筆記試験に全力投球すべし! 司法書士試験の概要

司法書士試験の足切りラインについて解説する前に、まずは司法書士試験の概要を説明しておきます。

司法書士試験を受けられるのは1年に1回のみです。受験資格に制限はなく、年齢、学歴、性別、経験、国籍に関係なく誰でも受験が可能です。また、受験回数にも制限はなく、合格するまで何度でもチャレンジが可能です。

中学性や高校生でも受験して合格することはできますが、司法書士の登録は20歳以上と規定されているため(司法書士法5条2号)、20歳にならないと司法書士として働くことはできません。

司法書士試験の年間スケジュールは下記の通りです。


【年間スケジュール】

・願書提出:5月中旬
・筆記試験:7月第1日曜日
  午前の部:多肢択一式問題(35問で105点満点)
  午後の部:多肢択一式問題(35問で105点満点)と、記述式問題(2問で70点満点)
・筆記試験の合格発表(9月末~10月初旬)
・口述試験:10月中旬
  筆記試験の合格者のみ受験可能。午前か午後どちらかを選択。
・最終合格発表:11月初旬

願書(司法書士試験受験申請書)の提出は5月の中旬、期間は2週間弱です。願書の提出期間を過ぎてしまうと試験を受けらないので、必ず提出期間を確認しておくことが大切です。

願書提出に必要なものは写真と受験手数料です。写真の大きさは縦5cm横5cm。脱帽して正面から上半身を写した背景のない写真で、申請前3カ月以内に撮影したもの。受験手数料は8,000円、収入印紙で納付します。受験手数料は受験しなかった場合でも返還されません。

試験には、筆記試験と口述試験があります。7月に筆記試験が行われ、筆記試験の合格者だけが、10月の口述試験を受験できます。

口述試験は本人確認としての意味合いが強い面接試験です。よほどのことがない限り不合格になることはありませんので、筆記試験に全力投球してください。口述試験の準備は、筆記試験に合格してからで十分間に合うでしょう。

筆記試験と口述試験の両方に合格すると最終合格者となります。

一つでも基準点に達しないと不合格に! 司法書士試験の足切りラインとは

司法書士試験の足切りラインとは、試験区分ごとに設定された基準点のことです。

筆記試験は、午前の部と午後の部に分かれています。午前の部は択一式問題だけですが、午後の部は択一式問題と記述式問題の2つが実施されます。よって、筆記試験は下記の3つの区分に分けられます。


【筆記試験の区分と出題科目】

(1)午前の択一式問題
 憲法:3問、民法:20問、刑法:3問、会社法(商法):9問
(2)午後の択一式問題
 民事訴訟法:5問、民事保全法:1問、民事執行法:1問、司法書士法:1問、供託法:3問、不動産登記法:16問、商業登記法:8問
(3)午後の記述式問題
 不動産登記:1問、商業登記:1問

3つの区分それぞれに、合格に必要な基準点が設けられています。一つでも基準点に達していない場合は、それだけで不合格になってしまいます。たとえ、その他2つの問題が満点であっても合格することはできません。これがいわゆる司法書士試験の足切りライン(基準点)です。

したがって、3つの区分すべてで、基準点以上の点数を獲得することが、試験合格への条件になってきます。

そのためには苦手な科目を作らないこと。出題数の多い、民法、会社法(商法)、不動産登記法、商業登記法で確実に点数を稼ぐことも重要になってきます。

では、それぞれの基準点は何点に設定されているのでしょうか。平成26年~平成30年度まで5年間の筆記試験の基準点をあげておきます。


【筆記試験の区分と基準点(平成26年~平成30年度)】

(1)午前の択一式問題(35問で105点満点)
 平成30年度:78点(74.3%)
 平成29年度:75点(71.4%)
 平成28年度:75点(71.4%)
 平成27年度:90点(85.7%)
 平成26年度:78点(74.3%)

(2)午後の択一式問題(35問で105点満点)
 平成30年度~平成26年度:72点(68.6%)

(3)午後の記述式問題(2問で70点満点)
 平成30年度:37.0点(52.9%)
 平成29年度:34.0点(48.6%)
 平成28年度:30.5点(43.6%)
 平成27年度:36.5点(52.1%)
 平成26年度:37.5点(53.6%)

上記のように、基準点は開催年度により異なっているので、予想するのは難しいですが、過去の基準点の最高点が判断基準となるでしょう。

午前の択一式問題の基準点は、平成27年度だけ90点と突出して高くなっていますが、それを除く最高点が78点です。午後の択一式問題の基準点は5年間同じで72点でした。記述式問題の最高点は37.5点です。

まとめると、基準点の目安は以下となります。

(1)午前の択一式問題:78点以上(35問で105点満点)
(2)午後の択一式問題:72点以上(35問で105点満点)
(3)午後の記述式問題:38点以上(2問で70点満点)

知りたい! 司法書士試験での合格ライン

司法書士試験の足切りライン(基準点)について説明してきましたが、基準点をすべてクリアしたからといって合格できるというわけではありません。司法書士試験に合格するには、足切りラインの次に、合格ライン(3つの試験の合計点:合格点)も突破する必要があるのです。

では、司法書士試験は合計何点とれば合格できるのでょうか。平成26年~平成30年度まで5年間の筆記試験の基準点の合計と合格点をあげておきます。


【基準点の合計と合格点(平成26年~平成30年度)】

・平成30年度
 基準点の合計:187.0、合格点:212.5
・平成29年度
 基準点の合計:181.0、合格点:207.0
・平成28年度
 基準点の合計:177.5、合格点:200.5
・平成27年度
 基準点の合計:198.5、合格点:218.0
・平成26年度
 基準点の合計:187.5、合格点:207.0

基準点と同じく、合格点も開催年度により異なります。やはり予想するのは難しいですが、過去の合格点の最高点が判断基準となるでしょう。平成27年度の218点が最高点なので、合格するには220点以上が目安となります。

ただし、総合点で合格ラインを突破しても、基準点に達しないものが一つでもあれば、不合格となってしまうのは前述した通りです。

合格者数は600人台⁉ 気になる司法書士試験の合格率

司法書士試験の合格率は3%~4%ほどで推移しています。平成26年~平成30年度まで5年間の司法書士試験の受験者数と合格率を掲載しておきます。


【司法書士試験の受験者数と合格率(平成26年~平成30年度)】

・平成30年度
 受験者数:14,387人、合格者数:621人、合格率:4.31%
・平成29年度
 受験者数:15,440人、合格者数:632人、合格率:4.09%
・平成28年度
 受験者数:16,725人、合格者数:660人、合格率:3.24%
・平成27年度
 受験者数:17,920人、合格者数:707人、合格率:3.25%
・平成26年度
 受験者数:20,130人、合格者数:759人、合格率:3.09%

受験者数と合格者数は毎年減少傾向にあります。5年間で受験者数は2万人台から1万4千人台へ70%ほどに減少。合格者は約700人台から600人台へ80%ほどに減少しています。

一方、合格率は、3%台から4%台へ若干上昇していますが、受験者数と合格者数の減少に比べると大きな変化がないのが特徴です。

司法書士になるための方法

司法書士になるためには、難関の司法書士試験に合格して、司法書士の資格を取得する必要がありますが、司法書士試験に合格する以外にも、司法書士になれる方法があります。

それは、特定の業務経験を積んだ上で、法務大臣の認可を受けることにより、司法書士の資格を得るという方法です。特定の業務経験には以下のものがあります。

・裁判所書記官や法務事務官などとして10年以上務める
・簡易裁判所判事副検事として5年以上の経歴を持つ

ただし、司法書士の資格を取得しただけでは、まだ司法書士としての業務を行うことはできません。日本司法書士会連合会に登録して、指定の研修を受ける必要があります。こうして晴れて司法書士として活動できるようになるのです。

まずは基準点突破を目指そう!

司法書士試験は、合格率3~4%の難関試験です。基準点という高い足切りラインも設けられています。司法書士試験に合格するためには、まずは、この足切りラインを突破しなければなりません。各科目で基準点が確実に取れるように勉強を進めていきましょう。

合格点が確実に取れる方法としては、出題数が少ない科目を捨てて、出題数の多い科目で確実に点数を稼ぐ方法も考えられます。しかし、合格点を突破しただけでは合格することはできません。合格ラインの前に足切り基準ラインを突破する必要があるのです。

そのためには、やはり、苦手な科目を作らずに、全科目で点数を取れるように実力をつけることが必要です。苦手科目がある場合は早めに克服して、得意科目にしてしまいましょう。

そして、まずは基準点突破を目指しましょう。その先に合格、司法書士の資格取得があります。

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