資格取得

転職に役立つ? 副業にできる? 行政書士の資格を最大限に活かす方法

終身雇用へのこだわりが薄らいだ時代を生きるには、自分に合った働き方を探すことも必要かもしれません。そのためには転職という選択肢もあるでしょう。資格があると転職に役立つといわれますが、行政書士の場合はどうでしょうか。

ここでは、行政書士とはどのような資格なのか、また、どのような仕事で活かすことができるのかについて説明していきます。

行政書士ってどんな資格? どんな仕事?

行政書士は、「行政書士法」に基づく国家資格者です。行政書士制度の歴史は、1872年の「司法職務定制」による代書人制度にさかのぼります。その後「代書人取締規則」や「代書人規則」の制定を経て、1951年に「行政書士法」が成立しました。さらに数次の法改正がなされた経緯があります。

行政書士の主な業務は、書類作成とその代理、相談業務です。また、依頼者から報酬を得て業務を行うことが大きな特徴です。行政書士が作成する書類として、官公署に提出する書類(許認可など)が挙げられます。

他にも、権利義務に関する書類(遺産分割協議書、各種契約書など)、事実証明に関する書類(実地調査に基づく各種図面類、各種議事録など)も行政書士の仕事です。ただし、他の法律で制限される業務を行うことはできません。

書類作成には専門知識を要するという性質があり、作成に手間取ることも少なくないでしょう。しかし、行政書士が手掛けることで正確で迅速な書類作成ができます。その結果、依頼者の権利や利益を守るなどのメリットも期待されます。

また、行政書士は「代書的業務」(依頼された書類の作成)だけでなく、「許認可手続き業務」(複雑多様なコンサルティングも含む)の需要も多く、行政手続きのスペシャリストとしても注目されています。

行政書士の求人状況

行政書士の資格を活かして働くためには、行政書士の求人状況について知ることが大切です。まず、行政書士は、独立開業を目標とした業務独占資格であることを把握しておきましょう。

また、ほかの資格と組み合わせることにより、仕事の幅を広げることにもつながります。司法書士と組み合わせることも方法の一つです。土地家屋調査士や社会保険労務士などもあるため、自分がやりたい仕事に必要な資格取得を目指すとよいでしょう。

行政書士の資格を活かす方法として、行政書士事務所での仕事が考えられます。小規模な事務所が多く、仕事量は景気に左右されることも少なくありません。しかし、コンサルティング業務(経営、相続など)に力を入れるところが増える傾向があり、行政書士としての活躍も期待できるでしょう。

また、行政書士事務所の求人は、正社員が少なく契約社員やアルバイトが多いのが現状です。さらに、未経験の場合は、若い世代のほうが採用されやすい傾向がみられます。

行政書士として働くには

行政書士は年齢層が広く、年齢と関係なく活躍できることが大きな強みです。そのため、行政書士資格を活かして独立することも選択肢の一つです。ただし、資格試験に合格しただけで行政書士として働くことができません。資格取得後は開業のための手続きが必要なことを把握しておきましょう。

行政書士事務所を開業するには、「日本行政書士会連合会」の行政書士名簿への登録が不可欠です。そのためには、行政書士事務所が所在する各都道府県会への入会申請が必要であり、事務所の場所に関する情報収集や、入会申請時に必要な書類準備も欠かせません。

ちなみに、必要書類には、登録申請書をはじめ戸籍抄本や身分証明書などがあります。多くの書類が要るため戸惑うかもしれませんが、行政書士として活躍するための経験として役立ちます。なお、入会申請から登録されるまでは1~2カ月かかりますが、その間を利用して備品などをそろえておくことがポイントです。

行政書士としての登録が終わると、業務が始められます。そのためには、開業後1カ月以内に「開業届」をする必要があります。こちらは、管轄の税務署で行いますが、同時に「青色申告」の手続きをしておきましょう。

青色申告には「10万円控除」と「65万円控除」があり、後者がおすすめです。複式簿記に基づく記帳が必要ですが、節税につながるメリットが大きいからです。なお、開業にあたって金融口座の開設も必要になります。事務所名(屋号)での口座をつくるためには、開業届(控)をもらっておきましょう。

行政書士を副業にできる?

行政書士として働くためには、必ずしも独立する必要はありません。これまで通りに会社員として働きながら、休日を利用して行政書士として活動してもよいでしょう。

相談のみ受け付ける方法や、セミナー講師などの方法があります。セミナーなどで扱う内容も大切です。やはり、生活に役立つものや時代のニーズに即したものが喜ばれるでしょう。副業で成功するには、行政書士を副業にしている人の体験も参考になります。

行政書士を副業にする場合、勤務先の就業規則に従うことは言うまでもありません。副業を始める前には、勤務先の許可をもらいましょう。そのうえで、本業に支障をきたさないことや、本業と副業を混同しない心掛けも必要になります。

さらに「行政書士法」を遵守することも大事な条件と言えます。なかでも、11条「依頼に応ずる義務」の内容については、いま一度確認しておきましょう。

行政書士の資格をアピールして転職

行政書士の資格試験に受かるには、行政書士の業務に必要な知識や能力が求められます。そのため、試験は「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」から構成されています。

なかでも、法令には憲法をはじめ行政法や民法、商法などもあり、行政書士の資格を取得すると幅広い法律の知識を有する証明にもなります。

このような理由から、行政書士の資格があると転職活動に有利になる場合もでてきます。ただし、勤務先では行政書士としての業務ができないため注意が必要です。もちろん、前段落で述べたように、行政書士の仕事を副業にする方法もあります。

しかし、勤務先の業務とは完全に分けることが大前提になります。こちらについては、行政書士法の禁止事項で確認することが大切です。また、兼業で行政書士を開業する場合、「誓約書」の提出が必要な都道府県があることも知っておきましょう。

「営業力」こそ行政書士に必要なスキル

行政書士として働くには、行政書士に必要とされるスキルを把握する必要があります。そうすることで、自分自身を客観的にみつめられるメリットもでてきます。行政書士として活躍できるためにも、いま一度自分としっかり向き合ってみましょう。

まず、大切なことは営業力です。行政書士の仕事量には波があり、まとまった収入が期待できません。そのため、行政書士としての自分を知ってもらう必要があります。特に、新人の場合は、自分をアピールすることから始めましょう。

宣伝のためには、ホームページやブログなどが役立ちます。また、異業種交流会などに参加することも大切です。幅広い人脈づくりをすることで、仕事の依頼にもつながります。

行政書士の主な仕事は書類作成ですが、そのためには顧客の存在が欠かせません。仕事の引き受けを焦るのではなく、相談業務に力を入れることが大切です。顧客の要望をきちんと聞き出したうえで、信頼関係を結ぶことから始めましょう。

また、難解な法律用語をわかりやすく伝えられるなど、行政書士はコミュニケーション能力も問われる仕事です。顧客から依頼されるためにも、目の前の「一人」と真摯に向き合えるように心掛けましょう。

行政書士になるには、仕事に対する勤勉さを持つことも大事です。時代の流れに応じて法改正されることも少なくありません。最新情報を得るためにも、いろいろな話題に関心を持っておきましょう。

また、顧客の相談内容によっては、自分で対応しきれないケースもでてきます。そのような場合は、専門的な知識を有する人につなぐなど、臨機応変で柔軟な対応ができるスキルが求められます。

独立したい人におすすめの資格! 行政書士

行政書士の資格は、独立開業を目的とする資格という点が大きな特徴です。そのため、転職には必ずしも有利とは言えないでしょう。ただし、行政書士の資格があると、法律に関する知識を持っている証にもなります。

そのため、転職活動時には資格をアピールすることができます。行政書士の資格を取得することで、兼業という働き方もあります。自分の適性を知ったうえで、行政書士の資格を活かす方法を考えていきましょう。

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