ツールを制するものは進度管理を制す!「ガントチャート」の効果的な使い方/中小企業診断士の教科書⑧

中小企業診断士の試験に出てくる言葉は、ビジネスシーンでも必須!LECトップクラスの受講生支持率を得る人気講師・金城順之介著『ゼロからスタート! 金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書』より、いまさら聞けないビジネス用語の基本を伝授します(第8回)。
適切な生産速度を維持し、納期を厳守するための手法
進度管理の目的は、納期の厳守とそのための生産速度の維持・調整です。
進度を調査するにあたって、個別生産形態の場合は、計画に対してどこまで作業が進んでいるかを確認します。連続生産の場合は、計画数量に対して完成品数量を確認します。以下のように、進度管理には、活用できるさまざまなツールがあります。
進度管理のツール
①カムアップシステム:決められた期日にやるべきことをやったり、納期を厳守したりするように注意喚起するしくみです。日付ごとのフォルダや棚を用意し、その中にタスクや作業指示票などを完了期日が迫った順番に入れておくことで、その日時に必ず作業が行われるように管理することができます。
②製造三角図:連続生産で用いられる管理図表です。縦軸に累計生産数、横軸に稼働日数を取り、右上がりの対角線を生産予定数とします。これに対して稼働日ごとに生産実績の累計を記載することにより、計画と実績のズレを把握することができます。
③流動数曲線:縦軸に累計数量、横軸に日付を取り、受け入れた仕事の累計線と完成品累計線を記載します。受け入れ線と完成線のズレについて、縦軸方向は仕掛品の量を、横軸方向は生産リードタイム(停滞日数)を表します。
④ガントチャート:日程計画や日程管理のために、計画と実績の進捗度を目に見えるように表したものです。一般的に、横軸は日程(月・週・日数・時間)を表します。縦軸には、さまざまな管理要素を割り当てることができます。たとえば、工程、個人、機械、仕事など、それぞれの項目別に、計画と実績を横長の長方形で表し、直感的に進捗状況が把握できるようになっています。


金城 順之介
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【著者紹介】金城 順之介(きんじょう・じゅんのすけ)
中小企業診断士・1級販売士。大手サービス業で店舗責任者として長年営業に携わり、幅広い経験を積む。中小企業診断士資格の取得後、独立。主に販路開拓や売上アップのためのマーケティングコンサルタントとして活動する傍ら、LEC東京リーガルマインド専任講師として10年以上の講師キャリアを持つ。
【書籍紹介】『ゼロからスタート! 金城順之介の中小企業診断士1冊目の教科書』(KADOKAWA)