資格取得

行政書士になるには? 資格試験の内容から資格取得後の流れまでを解説

行政書士になるためには、まず試験に合格しなければなりません。ただし、試験に合格したからといってすぐに行政書士として仕事ができるというわけではなく、行政書士会に登録してから始めるという流れが一般的です。そこで、ここでは行政書士試験の試験内容を解説するとともに、合格後の流れなどについても詳しく説明します。

行政書士になるにはどうすればいいの?

行政書士になるには「資格を有する者」でなければなりません。行政書士法の第2条にはその資格に関することが定められており、いくつかのパターンがあります。そのひとつが行政書士試験に合格した者です。

また、資格面での条件については、行政書士試験に合格していなくても、弁護士や弁理士となる資格を有している人、公認会計士や税理士となる資格を有している人も含まれます。弁護士や弁理士、公認会計士などの職業の場合、行政書士が行う範囲の業務に携わるための資格をすでに有していると判断されるからです。

ほかにも、一定の期間公務員として行政事務を担当した経験がある人なども行政書士になれる資格を有していると判断されます。

ただし、実際に行政書士になれる資格を持っているからといって、ただちに行政書士としての業務が行えるというわけではありません。行政書士として働くためには、行政書士会に入会し、行政書士名簿に登録する必要があります。つまり、資格面での条件を満たした人が、行政書士名簿に登録することで、はじめて実際に行政書士として働けるようになるのです。

行政書士試験の概要

行政書士試験は国家試験です。行政書士法に基づき、一般財団法人行政書士試験研究センターが各都道府県からの委任を受ける形で運営されています。受験制限や受験資格は特に設けられておらず、年齢や学歴、国籍などに関係なく誰でも受験することが可能です。

試験は年に1回、毎年11月の第2日曜日に行われることが決まっています。試験時間は13時から16時までの3時間です。受験料は7000円で、台風や大地震をはじめとした自然災害などで試験が実施されなかったケースを除き、一旦払い込むと返還はされません。受験地は各地にあり、住んでいる住所や住民票のある地域以外の場所での受験も可能です。

行政書士となるための資格には他の法律系の資格を有していることや、公務員として行政事務を行った経験など、いくつかのパターンがあります。しかし、学生や行政書士の業務とは関係ない職に就いている社会人にはあまり現実的ではありません。そのため、学生や社会人にとって資格を得るための現実的なルートは、行政書士試験に合格することだといえます。

行政書士試験の内容について

行政書士試験の試験内容は法律科目と一般知識を問う問題の両方です。「行政書士の業務に関し必要な法令等」では、憲法と行政法、民法、商法、そして基礎法学の5科目のなかからそれぞれ出題されます。行政法のなかでは、一般的な法理論のほか、行政手続法と行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心として出題されるのが普通です。

なお、試験が実施される年の4月1日時点での法令に基づいて出題されるため、その年に新しく制定されたり改正されたりした法令はチェックしておく必要があります。一般常識の問題では、基本的な文章理解ができるかどうかを問われるほか、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護など幅広い出題です。

試験形式は択一式(マークシート)と記述式が併用されています。一般知識に関する内容は択一式のみ、法令等に関する内容は択一式と記述式の両方です。全部で60問出題され、法令等の問題が46問、一般知識が14問になっています。そのうち、記述式の問題は各40文字程度で行政法から1問、民法から2問です。試験の結果、合格基準を満たした者が合格となります。

合格するためには法令等の科目が50%以上、一般知識の科目が40%以上取れていなければなりません。そのうえで、全体では60%以上取っていることが合格基準となっています。

行政書士試験の難易度について

行政書士試験の合格判断は絶対評価で出されます。つまり、法令等の科目が50%以上、一般知識が40%以上、全体で60%以上という基準点を超えていれば全員が合格できる試験です。そのため、ライバルのできによって合否が左右されることはありません。

ただし、試験内容は年度によって比較的簡単だったという年もあれば多少難しい問題が出題されることもあります。相対評価で合格が決まる試験ならば、難しい問題が出題された年は受験者全体の点数も下がるため、自分の点数そのものが低くても合格するかもしれません。

しかし、行政書士試験のように絶対評価の試験で合格するためには、たとえ試験が難しかった年でも確実に合格ラインを超えていることが必要です。

行政書士試験の合格率は2010年が6.6%、2006年が4.79%、2005年が2.62%と極端に低い年もあるものの、だいたい9~15%の間で推移しています。高い年には15%を超える年もありますが、100人受験して合格者が20人いないくらいですから難易度の高い試験だということには間違いありません。

行政書士試験の勉強について

実際に行政書士試験の合格者に関するデータをみてみると、30代が最も多いという点が特徴的です。次いで40代や20代が多くなっているという結果からわかるように、社会人の受験生が多い資格であるといえます。

実際に働きながら勉強して合格することが可能です。一般的に合格するのに必要な勉強時間は600時間といわれていますが、法律初心者の場合はもう少し必要だと考えておいたほうがいいでしょう。

勉強方法としては、もちろん市販のテキストなどを使って独学で学ぶこともできます。ただし、ポイントを押さえながら効率的に勉強したい人は、通信教育を利用するか資格試験予備校に通うほうが無駄なく勉強することが可能です。

行政書士は法律に関する資格試験のなかでは登竜門といわれていることもあり、弁護士資格や司法書士資格に比べると合格しやすいかもしれません。

しかし、超難関資格といわれることもあるほどなので、目的意識を持って効率よく勉強しないと簡単に合格するのは難しいといえます。

社会人の場合は、毎日好きなだけ試験勉強に時間を費やせるというわけではないでしょう。そのため、社会人のように忙しい人は、細切れの時間をうまく使って勉強時間を確保しながら、計画的に勉強することが大切です。また、試験のチャンスは年に1回だけで、それを逃すと次の機会は1年後になってしまいます。年に1度のチャンスに照準を合わせて、学習計画を立てることもポイントです。

試験合格後から行政書士になるまで

行政書士試験に合格したあと実際に行政書士になるには、まず開業を希望する都道府県の行政書士会に入会と登録申請をすることが必要です。所定の申請書類に履歴書や誓約書、登記されていないことの証明書と身分証明書、戸籍抄本と住民票などの必要書類を添えて提出します。

申請書が提出されると、都道府県行政書士会による書類精査や現地調査、日本行政書士連合会の審査などが行われ、問題がなければ日本行政書士連合会により行政書士名簿に登録されるという流れです。その後、登録が通知され、登録証や行政書士証票が発行されます。一連の登録手続きを経てはじめて、行政書士として活動を開始することが可能になるのです。

社会人でもチャレンジできる魅力的な資格

行政書士は法律系資格の登竜門ともいわれ、行政書士事務所に所属して働くほか、単独で独立開業もできる魅力的な資格です。受験資格が特にあるわけではないため、行政書士と関連のない仕事をしている社会人でもチャレンジすることができます。

決して合格率の高い資格試験とはいえないものの、時間をうまく使い、効率よく学べば合格を勝ち取ることが可能です。法律に興味のある人なら挑戦してみてはいかがでしょうか。

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