資格取得

行政書士の補助者とは何をする人? なるために必要な資格や資質は?

行政書士といえば、士業の中でも代表的な仕事の一つです。では、行政書士事務所の求人には、行政書士以外にも「補助者」の求人が出ていることがあるのはご存じでしょうか。行政書士のサポートをする補助者という仕事は、実はとても重要な役割を果たしているのです。

そこで、ここでは「行政書士の補助者とは何をする人なのか」「必要な資格や資質があるのか」ということについて解説します。

行政書士の補助者に資格は必要?

補助者は、行政書士の業務を手助けする役割の人のことをいいます。「補助者」という言葉から「簡単な事務作業をする人」と受け取る人もいますが、そうではありません。

補助者になるためには特別な資格は必要ありませんが、資格があることでプラスになるのは事実です。ただし、補助者としての仕事で求められるのは、行政書士の資格よりも「パソコンのスキル」になります。

なぜなら、補助者の仕事は、書類作成が主な業務である行政書士を手助けすることだからです。パソコンを使って書類を作成したりメールのやりとりをしたりするので、ワードやエクセルなどのスキルがあると活かせます。むしろ、こうしたスキルが全くない状態では、補助者として仕事をするのは難しいでしょう。

事務所によっては、外回りの仕事がメインになることもあります。それぞれの事務所の方針が異なるので一概にはいえませんが、中には車の免許が必須というケースもあるので注意しましょう。また、地域によっても異なるので、「どこで働くか」によって大きく違いがあります。一ついえるのは、それぞれに合った能力が求められるということです。

補助者として働く大きなメリットといえば、行政書士の資格がなくても働けて、実務を間近で見られることでしょう。書類作成を通して行政書士の仕事内容を知ることができるので、行政書士の資格取得を目指す人にはぴったりの仕事となります。

補助者ができる仕事の範囲は?

補助者は、一般の事務職員ができないような専門的な仕事まで担当できるのがポイントです。この段落では、行政書士の補助者ができる仕事の範囲を解説します。

事務所内でできる業務の範囲

行政書士の補助者が事務所内で行う業務の範囲は、とても幅広いです。事務所によっても異なりますが、たとえば、事務員を雇っていない行政書士事務所では補助者がその役割をこなします。電話受付や来客の対応はもちろん、郵便物の処理やメールチェックといった仕事まで任せられることもあります。

しかし、補助者としてメインの仕事は、あくまで「官公庁へ提出する書類作成のサポート」です。補助者は、行政書士本人がしなければならない業務以外は担当できるため、パソコンを利用した情報収集や資料作成なども行います。

それから、行政書士が作成した書類のチェックも補助者の業務です。ミスがないかしっかりチェックすることで、スピーディーな許認可につながるため、正確かつ慎重に処理する必要があります。ミスをしてしまうことで、1人の人間の人生を変えてしまう可能性もあるのです。そのため、どれも責任感が必要とされる仕事ですが、将来的に行政書士として独立を考えている人にとっては非常に勉強になるでしょう。

ただし、行政書士事務所によってメインとしている業務が異なるのが一般的です。たとえば、外国人のビザに関する業務が多い事務所では、翻訳業務を任されることもあります。自分がどのような業務に携わりたいかによっても、仕事内容に違いが出てくるでしょう。

事務所外でできる業務の範囲

行政書士の補助者が事務所外で行う業務の範囲ですが、まずそれぞれの事務所によって業務の割合が異なるのが一般的です。なぜなら、事務所外での業務がほとんどない事務所と、事務所外での業務が多い事務所があるからです。

たとえば、許認可の申請を中心に行っている行政書士事務所の場合、頻繁に官公署へ出向く必要があります。行政書士の代わりに官公署へ足を運び、申請書類を提出するのがメインになるケースもあるのです。そうなってくると、事務所外での業務は非常に多くなるでしょう。

書類を提出するときには、補助者としての身分証明書が必要になります。なぜなら、官公署での申請書類の提出は、本来であれば行政書士の仕事だからです。きちんとした補助者の資格を持っている人でなければ任せられない仕事なので、身分証明書を携帯することは必須となります。

ただし、補助者ができることは、あくまで「書類を提出するだけ」です。行政書士の代わりに書類の提出はできますが、もし修正などがあった場合、それを訂正することは許されていません。その場で訂正ができないので、どの部分をどのように訂正しなければならないのかを官公署で確認し、行政書士に伝えて直してもらう必要があります。こうした業務は、補助者だからこそできることなので、いい経験になるでしょう。

補助者の行政事務所での立場は?

補助者の行政書士事務所での立場は、「行政書士会補助者規則」に明記されています。それによると、補助者は行政書士の指揮監督の下で官公署へ提出する書類の作成業務や提出、証明書類の請求業務を行うことが可能です。

また、行政書士は補助者を置く際に労働関係の法令に抵触しないように労働環境を整備しなければならないと決められています。つまり、補助者は、一般企業の事務職員と同等の労働者としての権利があるということです。

それから、補助者は「18歳以上」「臨時採用ではない」といったことが求められています。これは、継続的な採用を促すためと考えられるでしょう。補助者の事務の対価は、行政書士の報酬の中から支払われることもはっきりと明記されています。

もし、補助者が業務上の依頼者や第三者に損害を与えた場合、責任は監督者の行政書士が負うことも定められています。このことから、補助者は法律や規則によって守られている立場であることが分かるでしょう。

行政書士会にも登録は必要

行政書士の補助者として働くためには、登録が必要になってきます。登録するときは各都道府県の行政書士会に申請をしますが、書類の提出を行うのは補助者を採用する行政書士事務所です。申請は義務となっているので、補助者の仕事をするときには必ず手続きをする必要があります。

提出する書類は、まず「補助者採用届」1枚と、補助者の住民票1通が必要です。補助者採用届は押印されているものであることと、住民票は3カ月以内に公布されたものが対象となります。さらに、写真2枚と切手を貼った返信用封筒、手数料2000円が必要です。

書類を提出する方法は、行政書士会の窓口まで持参する他に、郵送でも受け付けしてくれます。窓口への提出なら当日中、郵送でも数日中には受理されるのが一般的です。補助者は、一般事務員ができない仕事を任されるため、登録時に行政書士証が発行されるようになっています。

また、同時に行政書士補助者徽章を受け取ることになります。これは、他の士業と同じように胸元に着けるバッジのことです。補助者の徽章は、ヒマワリをモチーフにしたバッジの中に「補」という文字が入っています。このときにもらう補助者証はとても大事なもので、補助者として仕事をするときには常に携帯する必要があります。

また、もし補助者を辞めるときには、補助者証を返納する必要があるのがポイントです。さらに、行政書士が補助者を置かなくなったときには、補助者解職届を提出し、廃止の届け出をしなければなりません。

行政書士業務を間近で学べる存在

行政書士の補助者は、行政書士の指揮監督下で、行政書士業務の一部を担う重要な存在です。「補助者」という名前から受ける印象とは異なり、決して単純な補助業務だけを行っているわけではありません。

また、補助者は、行政書士の仕事を近くで見ながら実務の経験を積むのにぴったりの立場です。資格がない人でも補助者になれるのは、大きなメリットといえるでしょう。

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