資格取得

中小企業診断士とはどういう資格? 中小企業診断士にできることとは?

中小企業診断士はビジネスマンにとって大きな強みとなる資格の一つです。しかし、その名称を耳にしたことがあっても、実際にどのような資格で、それを取得すればどういった仕事ができるのかはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、キャリアアップを目指しているビジネスマンの参考になるように、中小企業診断士の役割や資格取得の方法などについて解説をしていきます。

中小企業診断士とは何ができる資格?

そもそも、中小企業診断士の資格を取得するとどのようなことができるようになるのでしょうか。まずはその点について解説をしていきます。

中小企業診断士の役割は?

一言でいうと、中小企業診断士とは中小企業を対象とした経営コンサルタントを行うための資格です。ちなみに、中小企業の定義は業種によっても異なり、製造業の場合は資本金3億円以下または従業員300人以下、小売業の場合は資本金5千万円以下または従業員50人以下と定義されています。

この定義に従うと日本の企業の実に99%以上は中小企業であり、中小企業診断士の資格を取得すればこれらの企業に対してさまざまな指導を行える立場になれるというわけです。

中小企業診断士は、中小企業が抱える経営課題が何かを診断し、その課題を解決するには何をすればよいかを助言する仕事ということになります。また、単なるアドバイスだけではなく、具体的な経営戦略を立案し、その結果や経営環境の変化などに応じて具体的な支援を行うのも重要な役割の一つです。

つまり、目前の課題の解決はもちろん、先を見据えた成長戦略の策定に関してもサポートできるようになる必要があるのです。そのためには、専門的な知識のほかに行政や金融機関とのパイプ役を果たし、自ら施策を実行できるだけの技能が求められることになります。

なお、中小企業診断士制度は中小企業支援法第11条に基づく制度で、経済産業大臣の管轄下にあります。中小企業に対するアドバイザーが必要となった際にその選定がスムーズにできるようにと、経済産業大臣が一定のレベル以上のスキルを持つ人材を登録するという形をとっているのです。

中小企業診断士の業務内容は?

中小企業支援法によると、中小企業診断士の業務は「経営の診断及び経営に関する助言」となっています。もちろん、その対象となるのは中小企業のみです。依頼を受けた中小企業診断士は最初にその会社の経営状態を診断し、現状の分析を行います。次に、分析結果に基づいてその企業が抱えている課題を洗い出します。

そして、問題点があれば解決や成長のための提案を行うわけです。いずれにしても、メインの業務は現状分析を踏まえたうえで、企業戦略を考えてアドバイスを行うことにあります。

その際に、中小企業診断士が有している専門知識を生かして、いかに有用な課題克服プランを提案できるかが仕事の成否を決める大きな鍵となります。しかし、プランを考えればそれで仕事が終わりというわけではありません。自分のアドバイスがちゃんと実行されているかをチェックするのも中小企業診断士の重要な役目です。

その結果、もしできていない部分が見つかれば、さらにアドバイスを重ね、改善を促すことになります。そうして、問題が一通り改善し、将来の見通しも立ってきて、初めて仕事を完遂したといえるのです。

中小企業診断士になるにはどうすればいい?

中小企業診断士を取得するには国家試験に合格することが大前提となります。そして、試験は1次試験と2次試験に分かれています。まず、1次試験は「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の7科目です。

試験の形式は、マークシートで「総得点の60%以上、すべての科目で各40%以上の正答」が合格基準です。ただし、この数字はあくまでも目安にすぎません。最終的には、試験委員会が平均点などを考慮しながら合格基準相当のラインを決めていきます。

1次試験に合格すれば、2次試験へと進みます。なお、この2次試験は1次試験に合格してから2年以上経過すると受験資格が消失するので注意が必要です。試験内容は、筆記試験と口述試験に分かれ、筆記試験は「中小企業の診断および助言に関する実務の事例問題」から4事例が出題されることになります。

筆記試験に合格すると、次に診断・助言に関する口述試験を行います。2次試験合格後は、15日間の実務補習か診断実務に従事し、経済産業大臣の登録を受ければ中小企業診断士の国家資格を取得できるというわけです。登録の有効期間は5年間です。

ちなみに、2次試験を受験しなくても中小企業診断士の資格を得る方法もあります。1次試験合格後に中小企業基盤整備機構、または登録養成機関が実施する養成課程に参加すればよいのです。詳細は中小企業庁のホームページで確認することができます。

中小企業診断士に求められる資質とは?

企業に適切なアドバイスをし、正しい方向に導いていくには、単に資格を取得しているというだけでは十分ではありません。そこで、この段落では中小企業診断士に求められる資質とはどのようなものかについて解説をしていきます。

経営に関する幅広い知識

21世紀に入ってから産業のグローバル化が急速に進んでいます。そのため、中小企業も国内の需要に応えつつ、海外市場を見据えた展開が必須です。そこで、中小企業診断士も広い視野を持ってさまざまな提言をしていく必要があります。

たとえ、その企業が今まで国内に向けての事業しか行ってこなかったとしても、海外展開の可能性を最初から除外していては大きなチャンスを逃すことにもなりかねません。

逆に、先入観にとらわれない広い視野を持っていれば、それだけ多くのアドバイスができることになります。このように、広い視野というのは、中小企業診断士にとって何よりも大切な資質なのです。

次に、幅広い知識を身につけ、それをフルに活用しようとする姿勢も大切になってきます。なぜなら、いくら視野が広くても必要な知識がなければ、適切なアドバイスを行うことはできないからです。中小企業診断士として活躍しようと思えば、情報を幅広く集め、その情報を精査したうえでアドバイスにつなげていく姿勢が求められます。

しかし、頭の中に知識を片っ端から詰め込み、その内容をクライアントの前で羅列するだけでは優れた中小企業診断士とはいえません。持っている知識を掛け合わせて、独自の提案ができるかどうかが重要なのです。それから、知識はなるべくまんべんなく学習する必要があります。偏った知識では真に有用な提案をすることは困難です。

経営を革新する斬新な考え方

中小企業にアドバイスをする際に押さえておかなければならないのは、通り一遍の対策はおそらく企業側でも実行済だという点です。それでもなお、中小企業診断士の力を借りなければならないということは、「ありきたりな発想では現状の打開は難しい」という事実を意味しています。

したがって、中小企業診断士は経営を革新するような斬新な考え方を常に用意しておく必要があるのです。そして、経営を革新するためには会社の現状を把握したうえで、これまでにない取り組みをすることが大前提となります。

いずれにしても、中小企業診断士としてのアドバイスは、誰でも考え付くようなものでは意味がありません。いくら、現状分析によって克服すべき課題が明らかになったとしても、これまでと同じやり方では良い結果を出すのは不可能です。現状を打破するには新しい発想がどうしても必要となってきます。

それに、企業側としても、わざわざコンサルティングを受けて想定内のアドバイスしか得られないのではがっかりしてしまいます。中小企業診断士としての付加価値を高めるためにも、いかにして斬新な考え方を身につけるかが重要な鍵となるのです。

中小企業の経営をサポートする専門家を目指そう

中小企業診断士とは、日本の企業の大半を占める中小企業の経営をサポートする専門家です。社会への貢献度は極めて高く、非常にやりがいのある仕事であることは間違いありません。

しかも、自分のアドバイスによって会社の再建に成功すると大きな達成感を味わうことができます。もし、このような仕事に関心があるなら、中小企業診断士の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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