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「タダ」に食いつくうちは二流! 差をつけるには投資も必要/人生の勝率の高め方(4)

仕事、お金、人間関係……すべては「ゲーム」であり、その「成功のツボ」には共通項がある! 人生の勝算を高める技術を『「人生の勝率」の高め方 成功を約束する「選択」のレッスン』(土井英司著)よりご紹介します(第4回)。

※この記事は、語り手(Dさん)が開催した講座で、Dさんが受講者からの質問に答える形で進行します。

「無料」の中に、良い選択肢はあるはずがない

【D】:僕はずっとマーケティングを勉強してきたからわかるのですが、人間は「無料」という言葉に過剰反応します。人間は無料に弱い。


【セミナー受講者】:私も、無料は大好きです。


【D】:無料が好きなのは、「自分は損をしない」と思っているからです。でも、そんなことはないんです。

「無料」という言葉に弱い人は、自分は得しているつもりでも、実際はもっと大切なものを奪われています。

考えてみてください。

どうして、「Yahoo!」や「Google」のサービスは無料で手に入るのですか?

それは、「Yahoo!」や「Google」が「広告収入」で稼いでいるからです。そして、広告を出している企業には、広告費を払ってでも、ぺイできるしくみがあります。

みなさんは、「無料だ」と思っていろいろな情報を見ているかもしれませんが、頻繁に広告と接触しているうちに、本当は必要ではない何かを「ほしい」と思わされて、知らないうちに購入し、お金を失っているわけですね。


【セミナー受講者】:企業が「Yahoo!」や「Google」に広告費を払って商品を宣伝する。私たちが広告の商品を買う。すると企業が儲かる。企業は儲かったお金からまた広告費を払って商品を宣伝する。そしてまた私たちが買う。そうして私たちはお金を失っていく、と……。

直接的に「Yahoo!」や「Google」にお金を払っているわけではないけれど、商品を購入した企業から間接的にお金が流れているわけですね。


【D】:そうです。


【セミナー受講者】:では、無料セミナーは? 無料でノウハウが手に入るのだから、おいしいのでは?


【D】:「無料セミナー」に参加しても、あまり効果は期待できないと思います。

もちろん、「出版記念セミナー」をはじめ、何かの記念に行われるものは例外ですが、一般的には、無料セミナーや金額の安いセミナーに通っても、「時間のムダ」に終わることが多い気がします。


【セミナー受講者】:でも、安いセミナーの中にだって、いいセミナーはあると思う。


【D】:完全否定はしませんが、現実には、微妙ですね。

セミナーの価値は、次の公式で決まると僕は考えています。

・セミナーの価値=「1、行動を促す要素」×「2、方法論の秀逸さ」×「3、講師と知り合うメリット」×「4、参加者と知り合うメリット」

まず、1番目の「行動を促す要素」ですが、オリジナルのコンテンツを持たない人、はっきり言うと、「人のコンテンツを拝借しているだけの講師」は、ここを正確に語ることができません。

自分自身が行動していないため「どうしたらいいか」という各論が語れませんし、自分自身がメリットを享受していないので、情熱が持てない。

2番目の「方法論の秀逸さ」も、単なる受け売りであれば、あとから陳腐化する危険性があります。やはり、情報は鮮度が重要なのです。安いからといって、古い魚を並べる魚屋さんに行ってはいけないのです。

3番目の「講師と知り合うメリット」ですが、これも安いセミナーの講師と高いセミナーの講師では大きな違いがあります。

仮にみなさんが教えてもらったことを実行しようとした場合、高いセミナーの講師は、最高の人脈・手段を用意することができます。

一方で安い講師は、自分のレベルに合った人脈しか用意できません。

そして最後、4番目の「参加者と知り合うメリット」。参加者は「これから成長していく人たち」ですから、今の段階で知り合っておけば、将来、大きなメリットがあります。

では、みなさんに質問します。

将来性のある人間は、自己投資にお金を惜しむでしょうか? それとも惜しみなく自己投資するでしょうか?


【セミナー受講者】:惜しみなく投資すると思う。


【D】:ですよね。

リーマン・ショックのあと、「キャッシュバックセミナー」を開催したことがあります。

セミナー代金として1万円先払いしてもらい、セミナー当日、参加者に1万円返すという、実質的に「無料」のセミナーです。


【セミナー受講者】:ずいぶんひねくれていますね。最初から無料にすればいいのに(笑)。


【D】:リーマン・ショックによって景気が後退すると、投資意欲が冷えるので、「セミナーに参加しよう」という人も少なくなります。でも僕は「それはおかしい」と思ったんです。


【セミナー受講者】:なぜ?


【D】:投資というのは、「リターンが投資を上回る」からやるわけですよね。だとすれば、「景気が悪いから投資をやめる」というのはおかしい。

景気が悪くなると、たいていのものが安くなるのだから、「むしろ投資をすべき」なんです。でも、多くの人がわかっていない。

景気のいいときにはセミナーに参加するけれど、不況になったら自己投資しない、なんてバカな話はありません。もしそうだとしたら、もともとそのセミナーは単なる趣味か娯楽にすぎなかったのでしょうね。

できる人というのは、いつだって不況のときにお金を使っています。誰もが悲観したときに割安で株を買い、上昇したら売る。だからこそ儲かる。これに対して、損する人というのは、いつも逆を行っています。

問題は、不況時に投資できない自分のライフスタイルやお金の使い方が悪いのであり、不況が原因ではないのです。


【セミナー受講者】:まさに、バリュー投資だね。


【D】:定員は180人でしたが、たった2時間で埋まりましたよ。実質無料だから。

僕は頭にきて、セミナーの最初から最後まで、ずっと説教をしてやりました(笑)。

「あなたたちは、タダだから来たんでしょ。でもね、タダより高いものはない。だってあなたたちは、2時間、ずっと説教を聞かされるはめになったんだから。

タダの情報に食いついているうちは二流です。あなたたちは、僕のことは知っていたけれど、お金を払ってまで話を聞いてみようとは思っていなかったんですよね? タダだから来たんですよね? だからダメなんだ」

って(笑)。


【セミナー受講者】:Dさんらしい(笑)。


【D】:参加者の多くは、僕の説教を聞いて「なんでこいつにそこまで言われなきゃいけないんだ」と腹を立てたと思うのだけど、なかには、「D氏はムカつく奴だけれど、だったら、D氏のセミナーを全部受けてやろうじゃないか」という気概のある人もいた。

『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)の著者、こんまりさんも、そのひとりです。

彼女は、この後、『社長のためのマーケティング力養成講座』など、うちの教材やセミナーに積極的に投資をしました。その結果、どうなりましたか? アメリカでも有名になり、投資額を大きく上回るリターンを得ましたよね。


【セミナー受講者】:どうして、多くの人は自分の教育に投資できないのですか?


【D】:多くの人が教育に投資できないのは、投資の絶対額に目を奪われているからです。

以前、秋田に講演に行ったとき、集まった参加者に少しイジワルな質問をしたことがあります。

「僕が『絶対に1億円儲けさせる方法』を教えると言ったら、聞いてみたいですか?」

会場にいたほとんどの人が手を挙げました。続いて僕が、

「受講料は500万円です。それでも参加しますか?」

会場にいるほとんどの人が手を挙げませんでした。

おかしくないですか?

500万円支払えば、1億円儲かるのに、手が挙がらないんです。


【セミナー受講者】:1億円のリターンより、500万円の支出に痛みを感じるからですよね。


【D】:では、金額を下げて考えてみましょう。500円投資して、1万円儲かる案件があったら投資しますか? しますよね。

でもよく考えてみると、500万円投資して1億円儲けるのも、500円投資して1万円儲けるのも、リターンの比率は一緒です。

500円だったら投資をするのに、500万円だと投資をしないのは、「絶対額」に騙されているからです。

タダだと食いつくのが大衆。絶対額が安いと食いつくのが大衆。

大衆でいるかぎり、お金を儲けることはできないと思います。

野口悠紀雄さんが『「超」納税法』(新潮社)の中で書いていたけれど、どんなに頭の中が賢くなっても、そこに税金は課せられません。

普通、企業の生産力が上がると税金は増えていきますが、自分がどれだけ賢くなって生産力が上がっても、国は頭の中に税金を課せられない。だから、教育が最強の投資なんです。

物事を判断する力を身につけようと思ったら、「さまざまな決断の局面で、他のものにたとえてみたり、視点を変えてみる」ことをおすすめします。

「魚屋さんだったら、鮮度の落ちた魚を買うだろうか」

「1億円のダイヤモンドを守るのに、銃も刀も使える若くて屈強な男と、素手の老人、どちらをボディガードとして雇うだろうか」

目先のお金や欲に惑わされなければ、正しい情報やサービスを正しい値段で買うことが可能になります。

そのためには、仮に値段が高くても、まずはいいリターンの商品を買うことからはじめてほしいと思います。


【セミナー受講者】:『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(クリス・アンダーソン/NHK 出版)という本も売れましたよね。


【D】:なんで無料がダメかというと、「みんながやるから」です。

無料に食いつく人は大勢いるのだから、その中にいい選択肢が残っているはずはありません。

「無料になった瞬間」に限っていえば、選択肢が残されているかもしれませんが、それは、格安航空会社が用意した「1席100円」の航空券を取りにいくようなものです。

「その航空券を摑める幸せな人間になれる」とは、絶対に思ってはいけない。そんな幸せな人間は、ほんのひと握りです。


【セミナー受講者】:絶対になれない?


【D】:少なくても「絶対になれない」と思わなくてはいけない。でも人間は、「自分だけは……」と思いがちなんです。「自分だけは、おいしい思いができるんじゃないか」とか。

まず、「自分は特別」だという感情をなくしたほうがいいのです。

人間も、基本的には、確率の中の一部です。

だから、「自分だけは特別」と思うことなく、「世の中の成功確率と自分の成功確率は一緒だ」と思うべきです。



著=土井 英司

カテゴリ:スキルUP
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「人生の勝率」の高め方 成功を約束する「選択」のレッスン

「人生の勝率」の高め方 成功を約束する「選択」のレッスン

作者: 土井 英司
出版社/メーカー: KADOKAWA
発売日: 2019-09-13
メディア: 単行本

【著者紹介】土井 英司(どい・えいじ)
エリエスブック・コンサルティング代表取締役。日経BP社を経て、Amazon.co.jp立ち上げに参画。数々のべストセラーを仕掛け、「アマゾンのカリスマバイヤー」と呼ばれる。同社のCompany Awardも受賞。独立後は数多くの著者プロデュースを手掛ける。

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