スキルUP

これからでも遅くない! ビジネスに必要な「センス」を磨く方法

これまで、非クリエイティブ系の職種にはさほど問われることもなかった、デザイン的な「センス」。しかし、これからの時代はそうも言っていられないよう。「ふせん」を使って手軽にできる、センス磨きの方法を教えます。

Apple、Google、Amazon……これら現在を代表するグローバル企業に共通するトピックを知っていますか? それは経営に「デザイン」の考え、人材を取り入れていること。

「かつてのビジネスマンにはITリテラシーが必須とされたように、これからはデザインリテラシーが必須となっていく」

そう語るのは、経産省・特許庁による「『デザイン経営』宣言」のコアメンバーをはじめ、日本政府とのさまざまなプロジェクトに関わり、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクションなどの受賞歴もある、スゴ腕テクノロジーデザイナーの田川欣哉(たがわ・きんや)氏である。

はいそこの人! デザインと聞いて「俺にはセンスがないからいいや」なんて、すぐにあきらめない! 10月9日に開催されたグロービス経営大学院主催のセミナー「イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き~」(スピーカー:田川欣哉氏)で、センスを磨く方法を教わってきましたから。


ふせんトレーニングでデザイン的「センス」を鍛える

田川氏によると、「センスはジャッジの連続から生まれる」ということだ。目の前の物事に「Yes/No」とジャッジを繰り返すことでセンスが身につく、というのがこの話の大筋。

そして、ジャッジを繰り返すための効率的なトレーニングが、今回紹介する「ふせんトレーニング」なのだ。

プロのデザイナーもさらなるレベルアップに向けて取り入れているというこのトレーニングも、やることはごく単純なのでぜひ試してもらいたい。

やることは、以下の3つのみ。

1. 赤・青・黄の3種類のふせんを準備する
2. デザイン系の雑誌やデザインの写真集を買う
3. 自分がいいと思うものに「青」、ダメだと思うものに「赤」、どちらでもない、もしくはよくわからないものに「黄」のふせんを貼る


これを数冊分やると、それまではボンヤリとしか意識できていなかった自分の好き嫌いが可視化できる。そうやって「自分の好みの傾向は、こんな感じなのか」と認識することがスタートとなる。

これを数冊繰り返せば、青、赤のふせんの量から「自分はシンプルでスッキリしたものが好き」「赤色がアクセントに入っているものを選びがち」「おとなしいデザインは嫌い」といった、自分のジャッジの傾向が見えてくるわけだ。

黄色のふせんの量でわかる、センスの無さ

なお、ここで気にするべきは、青や赤のふせんのを“正しく”貼れたかどうかではない。気にするべきなのは、黄色のふせんの量である。なぜなら、これが「センスがない」ことを知るバロメーターになるから。

黄色のふせんは「自分にはわらない、どちらでもない」ことを表すので、黄色のふせんが多いということは、(その分野では)ジャッジができていないことにほかならない。

こうしてジャッジを繰り返す練習をひとしきり続けたら、プロのデザイナーや、その部門で自分よりもセンスがある人にふせんを貼ったものを見せて、コメントをもらってみよう。自分とは違う目線から自分の好みを批評してもらうことで、今後のジャッジの精度を一気に向上させることができるだろう。

この「ふせんを貼る」ことが習慣化できるようになると、日々の生活で目に入るすべてについて、いちいちふせんを貼らずとも、脳内で「これは青、これは赤」と瞬時に判断できるようになる。

この状態になれば儲けもの、トレーニング開始前よりも物事のジャッジができる=センスが磨かれた、と言えるだろう。

登壇したTakram代表取締役/英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェローの田川欣哉氏
登壇したTakram代表取締役/英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェローの田川欣哉氏


ふせんトレーニングを“実戦”に役立たせるには?

そうして「ジャッジができる人」になれたら、その先を目指したい。

自分が赤や黄色のふせんを貼ると考えた対象について、それをどう変更すれば自分にとっての「青」にできるか仮説を立て、改善点まで一歩踏み込んで考えてみよう。ここまで習慣的にできるようになれば、このトレーニングを始める前よりも格段に「センス」が向上しているはずだ。

つまるところ、デザインセンスを磨きたいと思ったら、いいデザインをたくさん見るしかない。悪いデザインを目にしたら残念に思えるような眼力を鍛えるしかない。

大事なのは「己を知る」こと

以上、「センスを磨く」ことについての効果的なトレーニング方法を紹介したが、実はセンスのある人になるというよりも、自分のセンスのなさ、センスの程度を改めて認識することが一番の目的であったりする。

念押ししておきたいのは、自分と切り離されたどこかに、センスの「絶対的な正解」があるわけではないということ。

センスとは結局のところ好き嫌いでしかないわけだが、こうして自分のセンスが客観視できれば、同じ好き嫌いでも「解像度の高い好き嫌い」でデザインと関わることが可能になるから、それでいいのだ。

いずれにしても、手軽ながらモノになるまでには積み重ねが必要なトレーニングであるから、早く始めるのに越したことがないのは言わずもがな。

すぐに始める? 始めない? さあ、ここでもジャッジが求められていますよ!


取材・構成=のび@びた

カテゴリ:スキルUP

【プロフィール】田川 欣哉(たがわ・きんや)
東京、ロンドン、ニューヨークをベースにさまざまなプロジェクトに取り組むデザイン・イノベーション・ファーム「Takram」代表取締役。グッドデザイン金賞、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクションなど受賞多数。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。同校では客員教授を務め、2018年には名誉フェローを授与された。

【著書紹介】『イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き』(大和書房)

【取材協力】グロービス経営大学院 東京校

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