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バカで可愛い若い女を妻にしたい日本男児vs不倫したい欧米男子/喜ぶと思うなよ(3)

恋愛、結婚、ハラスメント……男と女を取り巻くあれこれがグイグイ刺さる!メディアで引っ張りだこの文筆家・鈴木涼美氏の著書『女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻』より、現代男女世相論をご紹介します(第3回)。

男にとっての妻と愛人~渡米か不倫か

大人になんかならないよ、と言っていたのはオバQだったと思うけど、人間ってわりと不平不満の多いワガママで勝手な生き物なので、自分の年齢にとても納得がいっている状態、というのは実は結構少ない。


子供は早く大人になって遅い時間まで遊んでいても怒られないようになりたいと思うし、中学生は早く高校生になってバイトをしたり学校帰りに渋谷で遊んだりしたいと思うし、女子高生は早く18歳をこえて車の免許とったりキャバで働いたりしたいと思うし、田舎の女子大生はここは退屈迎えに来てと思うし、男子学生は早く霞が関やら汐留やらで働いて小銭を貯めて肩書きと札束の匂いに吸い寄せられる女を食べたいと思うし、新入社員は早くバリバリのチームリーダーになってプロジェクトを回したいと思うし、過ぎてしまえば今度は、若かったあの頃何も怖くなかった、と懐かしむに決まっているその時間を全力で慈しもうとはせずに、自分の失敗や自分の敗北は若さ(後にはもちろん、老い)のせいだ、と思いたがる。

あなたはもう忘れたかしら。


20代半ばまで大学院生をしていた私は、人より一人前の社会人になるのが遅れている、というコンプレックスがあったからか、学生時代は20歳を過ぎた後もオトナの女性というものに並々ならぬ畏敬の念を抱いていた。


例えばその頃の7歳上の代理店勤務の彼氏の同僚の女のひと、というと、洗練されていて、女らしいのにかっこよくて、マノロを何足も持っていて、目立つヴィトンのバッグやシャネルのカンボンラインなんて目もくれずにセリーヌの仕事バッグやエルメスの財布をさりげなく使っていて、

「もっと上よ、そうそこ、強く吸って」

とか色っぽい主導権があり、金曜の夜に男の誘いをあえて断って青山の会員制のバーにキャリアも学歴も収入もある女友達で集まって、シャルドネとかピノ・ノワールとかブルゴーニュとか言いながらオシャレチックな夜を過ごしていそうなイメージがあり、キャバの給料で買ったカンボンラインを下品に抱えて

「もっと奥まで。手は使わないで」

と男に主導権を握られていた私は、そんなキレイなオネエサンに

「いいなぁ、若いって」

なんて流し目で言われると、

「まだ何にもわからないお子様ね」

と嫌味を言われているような気がして、かってにひどく自尊心が傷ついた気分になっていた。


そしてそんな女の人に囲まれている男が週末を過ごす相手として私を選ぶのはとても不自然で、彼女たちに本気で対峙されたら何ひとつ敵わないような気もした。

AV女優としてのギャラとキャバクラの給料を合わせれば、高給で有名な代理店の30代の収入に比べてもそんなに見劣りしなかったはずだが、キャリアを重ねて得たお金やそれで買った品物は、同じ値段の私の服よりずっと上等に見るし、絶対に早くあっち側に行って、ついでに女同士でモナコなどへも行って、男の数ヶ月分の給料と同じくらいの値段の宝石を買ってやる、と思っていた。


当時の私にぜひ言いたいのだが、確かにやがてマノロやセリーヌは増えて、会員制の店にも男の同伴なく入れるようにはなるが、基本的にはその頃より庶民的な店に平気で入る鉄面皮こそ加齢とともに育つものだし、しかもそこではボルドーとかクリュッグとか言っているわけではなく、

「G原くん、今女子大生と付き合ってるらしいよ」

「知ってるよ、舞い上がっちゃって。若い子なんてすぐ心変わりするのにさ」

「自分より経験も知識も少ない女と付き合いたがる男なんて小物の証拠だよ、出世しないよ、あいつ、もう狙うのやめなよ」

「あーあ、それにしてもこんなに仕事続けるつもりじゃなかったのになぁ。また親が入院してさー、孫見せろってうるさいし、最近私自身腰痛やばくてさ」

「あ、それより首のポツポツイボって、取らないとどんどん増えるらしいよ」

と悲壮感たっぷりで語り合っているのであります。


そして別に「もっと上よ」とか言わないし、フェラチオ中にやはり頭を押さええつけられるし、「いいなぁ、若いって」は、社会の論理と男の好みと自らの経年劣化をイヤって言うほどよく知ったうえで、本当に心と子宮の奥から出るしっかりした経験則の叫びである。


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エリート女は意外と不倫率が高い

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女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻

女がそんなことで喜ぶと思うなよ ~愚男愚女愛憎世間今昔絵巻

作者: 鈴木 涼美
出版社/メーカー: 集英社
発売日: 2019-06-05
メディア: 単行本

【著者紹介】鈴木 涼美(すずき・すずみ)
慶應義塾大学を卒業、東京大学大学院学術情報学府の修士課程を修了。大学在学中にキャバクラ嬢として働き、20歳でAVデビュー。卒業後、日本経済新聞社に入社し、都庁記者クラブ、総務省記者クラブなどに配属され、地方行政の取材などを担当したのち退社。

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