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「コンプライアンス」って一体何? すべてを徹底解説!/ビジネス用語(2)

コンプライアンスって一体何?コンプライアンスのすべてを徹底解説!

社会人であれば「コンプライアンス」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。コンプライアンス違反を犯した企業が取り締まられたというニュースも多く報道されています。しかし、コンプライアンスが注目されるようになった理由や、企業を守るための方法についてはよく知らないという人もいるでしょう。そこで、コンプライアンス違反を防止するための対策や、具体的なコンプライアンス違反の事例について紹介します。

{ 目次 }

1. コンプライアンスとは
2. コンプライアンスが注目されている背景
3. コンプライアンスの重要性
3-1. 不祥事の防止
3-2. 企業価値の向上
4. コンプライアンス違反の事例
5. コンプライアンスへの対策
5-1. コンプライアンスを守るための体制整備
5-2. 各規定・行動規範の策定
5-3. 社内教育の徹底
コンプライアンスへの対策をして会社を守ろう

1. コンプライアンスとは

コンプライアンスとは、英語で「compliance」と表記されます。もともとは命令や要求に従うことを意味する単語でした。しかし、日本語では法令遵守と訳されることが多いです。特に、企業においては法律や規則を守って経営することを指します。

その他にも、社内規則や道徳観、倫理観など、広い意味で使われる言葉です。コンプライアンスに違反するようなことがあれば、企業の信用は失われ、事業活動にも悪影響が及ぶでしょう。

たとえば、企業によっては自社の製品が環境に優しい素材を使用していることを公開している場合があります。これは、CSRに基づくコンプライアンスの一種です。CSRとは企業の社会的責任という意味で、企業は地域や市民に貢献するべきという考え方を指します。

社会的責任を果たすことで、社会からの信用を獲得し、企業価値の向上をはかることができるのです。また、コーポレートガバナンスも、コンプライアンスにおいて重要な要素の一つです。コーポレートガバナンスとは、企業統治と訳されます。

これは、監査役や取締役を社外に設置することで、経営者の判断を監視し、けん制しながら経営をコントロールする仕組みのことです。

2. コンプライアンスが注目されている背景

コンプライアンスは2000年代に入ってから、日本に限らず世界的にも注目を集めるようになりました。

コンプライアンスの考え方自体は2000年以前からあったものの、大企業による不祥事が相次いだことで、会社法や独占禁止法、交易通報者保護法などが施行された結果、企業はコンプライアンスの対策を強いられるようになったのです。さらに、アメリカやヨーロッパでもコンプライアンスに関連する法律が強化されています。

日本でも、グローバル化を図る企業において、コンプライアンスへの対策は欠かせません。日本では1980年代から、市場の活性化や経済成長を促すために公的事業を民営化したり、民間企業が参入できるよう規制を撤廃したりなどの施策が行われました。

自由な競争が可能になった一方で、法令違反が発覚して社会的信用を失い、倒産に追い込まれる企業も少なくありません。そこで、2000年の行政改革大綱により自己責任体制の重要性が打ち出され、コンプライアンスが重要視されるようになったのです。

3. コンプライアンスの重要性

コンプライアンスの考え方を浸透させることは、安定した事業活動を維持するために欠かせない要素です。ここからはコンプライアンスを守る重要性について詳しく説明します。

3-1. 不祥事の防止

コンプライアンスが注目され始めたのは、コンプライアンス違反により社会的信用を失い、倒産する企業が増加したためです。このような企業は年々増え続けており、倒産を防ぐためにもコンプライアンス対策が欠かせません。

企業がコンプライアンスを守ることは、世間から求められている義務であり、社会的信用を損なうリスクを避けるための手段でもあります。万が一、問題が生じたとしても、リスクマネジメントにより損失を最小限に抑えることができるでしょう。

リスクマネジメントを行う為には、まずは事業活動に伴うリスクや想定される問題を把握し、分析しておかなければいけません。また、会社法や労働基準法、改正独占禁止法など、コンプライアンスに関係する法令や法律を知っておくことも重要です。2000年以降、法令違反を犯した企業にはより厳しい罰則や処分が適用されるようになりました。

かつては罰則を科す前に是正勧告が出されていたものの、コンプライアンスが重視されるようになってからは、違反行為が発覚した時点で摘発や処分が行われる事例も増えつつあります。

3-2. 企業価値の向上

コンプライアンス体制の強化は、倒産のリスクを避けるだけではなく、企業価値の向上にもつながります。企業価値とは、簡単にいえばその企業が持つ魅力のことです。金融機関や投資家にとって、企業価値は資本を投下するべき会社を見極めるための重要な判断基準です。

企業価値が高ければ融資を受けやすくなり、安定した事業活動を続けられるうえ、倒産のリスクも軽減できます。企業価値を向上させるための方法は、売上高を伸ばしたり、コストを削減したりするだけではありません。

たとえば、企業のホームページなどで、コンプライアンス体制を強化していることを公示すれば、消費者や取引先などをはじめとする利害関係者からの信用を獲得できるでしょう。

ボランティアなど社会貢献活動への取り組みや、環境に対する配慮について公表することも、社会的な評価を得るための重要なポイントです。さらに、労働環境が良い企業であるという印象が定着すれば、従業員のモチベーションや生産性も上がります。

4. コンプライアンス違反の事例

2018年4月に株式会社帝国データバンクが発表した調査内容によると、コンプライアンス違反がきっかけで倒産した会社は、2017年度だけで231件にも及びます。倒産のリスクを避けるためには、コンプライアンス違反により倒産した企業の事例を知っておくことが重要です。

不正な会計処理や偽造など、明らかに法令を犯した行為だけが、コンプライアンス違反となるわけではありません。たとえば、故意に顧客情報を流出させた場合は、コンプライアンス違反にあたります。

しかし、ハッキングなど悪意を持った第三者により個人情報が流出した場合も、企業の管理不足が問われ、コンプライアンス違反と見なされます。さらに、企業の業績を上げるために、従業員が自らサービス残業をした場合もコンプライアンス違反となります。たとえ経営者が指示していなかったとしても、法令や法律に違反すれば企業に責任が生じるのです。

たとえコンプライアンス違反を防ぐための仕組みや環境作りに力を入れていたとしても、従業員一人ひとりの危機意識が低いままだと、コンプライアンス違反を予防するのは難しいでしょう。経営者や役員だけではなく、従業員にもコンプライアンスを認識させなければいけません。

5. コンプライアンスへの対策

コンプライアンス違反を防止するには、社内全体がコンプライアンスに対する意識を高めなければいけません。そこで、コンプライアンス対策を強化する具体的な方法について紹介します。

5-1. コンプライアンスを守るための体制整備

コンプライアンスを守るためには、まず体制を整えなければいけません。たとえば、マニュアルの内容を改正したり、コンプライアンスを推進するための部門を設けたりするのも一つの方法です。コンプライアンス部門では、企業コンプライアンスをチェックするのはもちろん、いざ問題が発生した際の対処も行います。

さらに、コンプライアンスに関する方針を決めたり、監査を担当したりする委員会を作ることも重要です。このような組織は、役員などの重役だけで構成されるケースも少なくありません。しかし、この場合、トップによるコンプライアンス違反が発生してしまうリスクがあります。そこで、外部から専門家を招くことで、コンプライアンス違反を防止することも必要となります。

コンプライアンスを整備するには多くの法律の知識が必要となるため、専門的な知見がないと適切に対処するのは難しいでしょう。法律を遵守し、正しい対策を行うためにも、専門家の助言を仰いだほうが安心ということです。

コンプライアンスって一体何?コンプライアンスのすべてを徹底解説!1


5-2. 各規定・行動規範の策定

コンプライアンスを強化するには、体制を整えると同時に、具体的なルールを設けることも重要です。まずは労働関係法による規定を、社内のルールとして共有します。ただし、法令を守るだけでコンプライアンス違反を回避できるとは限りません。

行動規範についても策定しておかなければ、自覚がないまま不正行為を行っていたという事態になりかねません。規定を作る際は、従業員が理解しやすく、経営理念との整合性がとれた内容であるかを慎重に確認しましょう。

また、従業員が共通した指針を目指せるような環境作りも重要です。曖昧な内容では、従業員によって異なる認識を持ってしまう可能性があります。各業務に関するルールは、できる限り明文化しなければいけません。さらに、規則や規定は社内に徹底して周知する必要があります。従業員に配布したり、共有ネットワークに保存したりなど、いつでも内容を確認できる環境を整えましょう。

5-3. 社内教育の徹底

企業のトップだけがコンプライアンスを管理するだけでは不十分です。社員にもコンプライアンス対策を共有し、教育することで、ようやくコンプライアンスを守ることができます。まずは会社全体にコンプライアンスの重要性や知識を周知し、意識を高めるよう努めましょう。

たとえば、外部の研修期間やe-ラーニングを活用して、定期的にコンプライアンス教育を実施するのも一つの方法です。ただし、業務ごとに関係する法令は異なります。そのため、全ての従業員に同じ内容の教育を施すよりも、従業員の役割に応じた教育を行ったほうが効率的です。

新入社員など、社会人としての経験が浅い従業員には、コンプライアンスの基本的な内容について、コンプライアンス違反の事例を挙げながら解説すると効果的です。管理職はコンプライアンスについての基礎知識だけではなく、コンプライアンス違反が発生した場合の対処法についても知っておかなければいけません。

企業の経営に直接関わる役員は、コンプライアンスを守る体制作りや運用方法について学ぶ必要があります。社内教育によりコンプライアンスの重要性を周知し、企業全体の意識を改革するよう努めましょう。

コンプライアンスって一体何?コンプライアンスのすべてを徹底解説!2


コンプライアンスへの対策をして会社を守ろう

コンプライアンスという言葉は、法律や規則を守るだけではなく、倫理観や社内規則などの意味でも使われます。世界的にコンプライアンスを重要視する風潮が広がりつつある中、日本においてもコンプライアンス対策が欠かせません。不祥事の発生を予防し、社会的信用を獲得するためにも、コンプライアンスを守るための体制を整えましょう。

カテゴリ:スキルUP

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