スキルUP

「メンタル」を上手にコントロールする方法とおすすめ本3冊/けいろー

「体調管理も仕事のうち」と言うように、仕事で活躍するためには、日々のメンタル管理も必要。ここでは、悩まされがちな「人間関係」や「モチベーション」の問題の解消方法や対策を示し、助言してくれる本をご紹介。

「体調管理も仕事のうち」という言葉があります。

社会人たるもの、自分の健康は自分で管理できて当然である――というような意味でしょうか。振り返ってみれば、自分も入社1年目には上司からこのような言葉をかけられていた覚えがあります。少し調子が悪そうにしていると、「それでも社会人か!」と叱責されていた記憶。

……でも、これっておかしくありません?

二日酔いだとか、自分でコントロールできるものならばわかります。ですが、急な発熱や怪我といったものは避けようとして避けられるものでもありません。どれだけ気をつけていようが風邪はひきますし、予防接種をしていてもインフルエンザに罹ることはあります。

そのような不可抗力まで「体調管理」に含めるのは、さすがに理不尽すぎるのでは……。

しかし一方で、ある程度は自分で管理できるようにしておきたいポイントもあります。「なんとなくやる気が出ない」とか、「いちいち感情的になってしまって疲れやすい」とか、「新しいことを始めても、三日坊主になってしまって続かない」とか。

――そう、メンタルの管理ですね。

もちろん肉体的な健康と同様に、いつも精神的に健康でいられるとは限りません。失敗すればあれば落ちこみますし、嫌なことがあれば感情的にもなります。そうやって自分の感情に素直でいられることこそが、むしろ「健康」の証とも言えますしね。

ですが、そんなときに必要以上に落ちこみすぎたり、やる気をなくしてしまったりするのは避けたい。それが自分の心の問題である異常、ある程度は自分で「調整」できるようにしておきたいところです。

そこで本記事では、日常生活や仕事の場で悩まされがちな「人間関係」や「モチベーション」をテーマにした、3冊の本を紹介。その解消方法や対策を示し、助言してくれる本をまとめました。

没頭=幸せ?夢中になることで不安をなくす考え方『没頭力』(吉田 尚記・著)

不幸ではないけれど、幸福とも言い切れない。人生に絶望しているわけではないけれど、将来に希望を感じられているわけでもない――。そんな「漠然とした不安」への対処法として、本書は「没頭力」という考え方を提示しています。

その狙いは、「"なんかつまらない"を解決する」こと。

気づけば夢中になっていて、あっという間に時間が過ぎ去り、終わったあとはスッキリしていた――そんな経験、ありませんか? スポーツをしているときとか、読書をしているときとか。趣味に限らず、集中して仕事や勉強に取り組めた日には、このように感じたことがあるかもしれません。

そうして「没頭」している最中やその直後は、なんとなく「楽しい」と感じているものです。その活動が好きであるかどうかは別として。少なくとも夢中になっている以上、ネガティブな感情は抱いていないのではないでしょうか。

つまり、「没頭」はポジティブな状態であり、「幸せ」のひとつの形と言えるのでは……?

そこで筆者は、まず「没頭」とはどのような状態を指すのかを分析。心理学の「フロー」の概念などを参照しつつ、その条件を確認しています。そのうえで、実際に「没頭」するための方法を紐解きつつ、その人が自然と夢中になれる活動を見つけるための考え方を提示。

「没頭」を主軸に「幸せ」を考えるという切り口は、読んでいて新鮮に感じられました。

観念的な自己啓発書と比べると実践的な内容で、ハウツー本のような読後感も受ける本書。具体性のある手法が書かれており、読んですぐに実行できるのも嬉しいポイントです。ビジネス書のようでありながら、意識高く語られる「成功」や「承認」を目的にしていないのも印象的ですね。

言うなればそれは、意識の低い「幸せ」の探し方。うまくいくかもわからない「成功」や他者からの「承認」は問題にせず、自己完結的な「『没頭』によって毎日を楽しく過ごそう!」と。この考え方に共感させられる人は、決して少なくないのではないでしょうか。

なんとなくモヤモヤや違和感を抱えている人、物事に集中して取り組めない人、自分の「好き」が見つけられない人──。幅広い層に勧められる1冊です。

ブッダの言葉から学ぶ、心穏やかに暮らす方法『反応しない練習』(草薙龍瞬・著)

最近は書店で「仏教」の考えを取り入れた本を見かける機会が増えましたが、本書はそのうちの1冊。原始仏典に書かれたブッダの言葉を参照しながら、日常生活におけるさまざまな「悩み」を解消する考え方を示したものです。

その中心となるのは、タイトルにもある「反応しない」という考え方。

混ぜっ返すようではありますが、人が悩みを持たずに生きていくのは困難です。日々の環境や人間関係は絶えず移り変わるものであり、常に理想的な状態を維持するのは難しい。それこそ悟りを開きでもしないかぎり、悩むことなく生きるのは不可能だと言えるのではないでしょうか。

ですが、そもそも「悩み」とはどのようなものなのでしょう?

筆者曰く、「悩み」とは「心の反応」のこと。怒りも、悲しみも、嫉妬も、貪欲も、渇望も、あらゆるマイナス感情は「心の反応」によってもたらされるもの。ということは、それが自身の心の揺れ動きである以上、自分でコントロールすることもできるのでは――?

そこで考えるべきは、「悩みを抹消する」方法ではなく、「悩みがある」と理解したうえで心穏やかに過ごすための視点です。悩み事に対しては「悩みがある」と自覚し、「悩みには理由がある」と考え、「理由のある悩みは解決できる」と、順を追って理解していくこと。

その理解なしに、自分の心を見直すことはできません。そして、以上のような考えをもとに、本書では「反応しない」ための考え方を数多く提示しています。

より具体的には、「余計なことを判断しない」「自分を否定しない」「他人の視線を気にしない」「勝ち負けや優劣にこだわらない」といった切り口。いずれもブッダの教えに沿って概説されていますが、まったく難しい話はなく、自然と共感・納得させられる内容でした。

仏教全般について取り扱うわけではなく、引用されているのはブッダ個人の言葉が中心。しかし難解な表現はほとんど見られず、専門用語はしっかりと説明してくれるため、仏教のことはちんぷんかんぷんという人でもスイスイ読むことができます。

本書は原始仏教の入門書としても最適だそうですが、自分にとっては「ストレスなく暮らすための心構え」を記した本として、純粋に興味深く読むことができました。普段から怒りっぽい人、気分の浮き沈みが激しい人、他人との折り合いの付け方に悩んでいる人などにおすすめです。

内向的な人に勧めたい、「ぼっち」の挟持『ひとりぼっちを笑うな』(蛭子 能収・著)

最後に紹介するのは、バラエティ番組などでもおなじみのマンガ家・蛭子能収さんの著書『ひとりぼっちを笑うな』。前の2冊とはまた毛色の違う、筆者のキャラクターが垣間見える「ゆるい」1冊です。

本書を特におすすめしたいのが、自分を「内向的」だと感じている人。

大勢で群れるよりもひとりでいるほうが落ち着く人、友達が少ないことに不安を感じている人。嫌われないように他人の顔色を窺いがちな人――などなど。何かと「絆」や「人間関係」が重視されやすい世の中で、「ひとりぼっち」でいることを肯定してくれるような内容となっています。

筆者曰く、「他人のことは尊重するべきだけれど、他人の目を気にする必要はない」。

たしかに人付き合いは大切です。しかし、目には見えない他人からの評価や、集団の同調圧力とを必要以上に気にする必要はありません。それどころか筆者は、学校や企業といったコミュニティにおける問題は、過剰な集団意識が引き起こしているのではないかとも書いています。

そのようななか、どのように集団と関わり、自立した「ひとり」として立ち回っていくか。本書では、そんな「ぼっち」としての考え方が、筆者の経験から語られます。「目立ちたくないけれど褒められたい!」という素直な感情も垣間見えて、思わず共感してしまうこともしばしば。

もちろん、必ずしも「ひとり」が良いとは言い切れません。なので、たとえ内向的であっても、自分の世界に閉じこもることは避けて、趣味などの自分が没頭できる何かを持っておくこと。自分が没頭できる世界を通じて他者とコミュニケーションを取ることを、筆者は勧めています。

密な人間関係やコミュニケーション能力の必要性が声高に叫ばれるなかで、「ひとりぼっちも悪くないよ?」という考えがあってもいいと思うのです。私自身、集団行動に苦手意識を感じていたこともあり、積極的に「ぼっち」を肯定する蛭子哲学に救われたような気持ちになりました。

日頃から生きづらさを感じている、「ひとりぼっち」のための処方箋。

人間関係に疲れたときに、ぜひ手に取って読んでみてください。

まとめ

以上、日常生活における「悩み」を紐解いた本を紹介させていただきました。改めて並べてみると思いのほか統一感のない3冊ですが、どれもそれなりに身近な、多くの人が悩んだことのある問題なのではないかと思います。

代わり映えしない日常のなかでこみ上げてくる漠然とした不安や、モチベーションの問題。あるいは逆に、大きな出来事や人間関係といった外部環境の変化によって可視化される、心を乱す悩みとの向き合い方。はたまた、内向型人間が常日頃から感じている生きづらさ。

このような、すぐには解決できない悩みに直面したとき。

そんなときこそ、「本」の存在が助けになると私は考えています。

自分が正しいのかわからなくなってしまったり、相手が間違っていると決めつけて憤ったり、あまりの理不尽さに世界を呪いたくなったり。悩みすぎて冷静でいられなくなったときには、他人の考えが書かれている「本」の世界に身を置いてみる。

自分とは無関係な他人の意見だから、それも直に話を聞くのではなく、文字を通して自分のペースで知らない人の言葉に触れるからこそ、「あ、こういう考え方もあるんだな」と冷静になれる部分もあると思うのです。上に挙げた3冊だけでなく、「本」それ自体もまた、メンタルコントロールに適しているのではないでしょうか。

今回、紹介させていただいた本とこの記事が、少しでも誰かの参考になり、悩んでいる方のモヤモヤを晴らすきっかけになれば幸いです。

けいろー

【著者紹介】けいろー
フリーライター。ネットカルチャーを愛するゆとり世代。新卒入社したメーカーを退職後、趣味で始めたブログ「ぐるりみち。」経由で仕事をもらえるようになり、ノリと勢いで独立。本、グルメ、街歩き、旅行、ネット、アニメなどに関心あり。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレットなど。バーチャルな存在になりたい。

【書籍紹介】
『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』
『反応しない練習』
『ひとりぼっちを笑うな』
カテゴリ:スキルUP

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