スキルUP

借金玉氏に聞く、発達障害でも「食える人」と「食えない人」の差とは?【前編】(2ページ目)

優等生からは受け入れ拒否、クラスの究極嫌われ者とも馴染めず……

――中学・高校時代は、どのように過ごされていたのでしょうか?

借金玉:シンプルにグレていた……というより、グレることもできなかった、というのが正直なところです。不良の社会にも馴染めず、会話の内容ならオタクの人と合いそうでしたが、僕の性質ではオタクのコミュニティにも馴染めず。じゃあ、勉強は比較的できるから、と優等生の方に入れてもらおうと思ったら、完全受け入れ拒否でした(苦笑)。

最後に煮詰められて残るのは、クラスの究極嫌われ者ですが、その究極嫌われ者同士でも仲良くできず……。もちろん、仲良くできるなら仲良くしたかったんですけどね。

――学校という組織の中で馴染むのが難しかったのでしょうか。

借金玉:不可能に近かったですね。馴染めていると思うこともあったんですが、通してみると……。高校時代は一番辛かったので、ほとんど記憶がありません。

――大学時代はどうでしたか?

借金玉:最初に入ったのは教育系の学部でした。自分がダメだったからからこそ、教育に興味があったんです。自分の経験から、学校っておかしくないか、という問題意識がありました。学校に馴染めない人は自分以外にもいたし、彼らが皆、勉強ができないとも限らない。そういう人たちを救う立場になりたいと、先生を目指しました。

でも、大学に入って愕然としましたね。そこには、「学校」が広がっていたんです。学校を作り上げる人たちが来る学校だから、当然なのかもしれません。社会的常識のある、「学校」が大好きな人たちの集まりでした。クラスも少人数で、皆で楽しい合宿とかがあって、学校の組織に馴染むのが苦手な僕には厳しかったですね。結果、2ヶ月程で退学しました。

早稲田の喫煙所に集まった「石の裏の虫勢」が心の拠りどころに

――その後はどうされていたんですか?

借金玉:発達障害者って、シェアハウスをやりたがる傾向があるんです。当時はシェアハウスという概念もなかったんですが、僕もご多分に漏れず、気の合いそうな仲間3人と一緒に3LDKに住み始めました。ハグレ者が集まって、自分たちが楽しいコミュニティができるかなと。実際、ハチャメチャでしたけど、楽しかったですね。

その後、2年弱ほど、フラフラしていましたが、そのとき知り合った尊敬する方から「大学に行ったほうがいいよ」と勧められ、大学に入り直すことを決めました。

――早稲田大学に再入学されましたが、大学生活は前の大学と違いましたか?
借金玉:早稲田の校風は最高でしたね。友達が一人もいなくても早稲田は大丈夫なんです。馴染めるサークルはなかったんですが、特に喫煙所には助けられました。

頭も眉毛もツルツルで、ハンチング帽子を被っている男とはよく喫煙所で会いました。4年間で話したのは「ライター貸して」「いいよ」ぐらい。僕も当時金髪を後ろで縛って、ヒップホップダンサーが着ているようなダボダボのB系ファッションできめていて、僕と彼が喫煙所にいると、誰も入ってこれない、なんてこともありました(笑)。

他には、チームメンバー80人の暴走族をやっていたが、ある日、暴走族やれるなら一流のビジネスマンやれるよと言われて、早稲田に進学した奴とか。魚屋で3年勤めて、ボラで人を殴った奴とか。早稲田では、個性的で面白い人たちと出会いましたね。

――早稲田は発達障害の人に勧めたい学校なんでしょうか?

借金玉:今は大分、大学の空気が清浄化され、光が強くなったと聞いています。僕が行っていた喫煙所も無くなってしまいました。当時、早稲田の喫煙所でたむろしていた僕や個性的な面々は、自分たちのことを「石の裏の虫勢」と呼んでいましたが、石の裏の虫が生息できる領域はかなり減っているようです(笑)。

――早稲田での学生生活は、比較的安定されていたんでしょうか。

借金玉:この時期は、一番楽で、楽しかったですね。ただ、その間も鬱(うつ)はひどかったです。薬物とアルコール、自殺未遂は定期的にやらかしていました。

アルバイト先でも様々なトラブルを起しました。でも、東京っていいところで、アルバイトが無限にあるんですよね。気に食わない上司や先輩がいれば、やめればいいだけです。

次のページ:
楽しい大学生活から一転、「仕事ができない」烙印を押され……

カテゴリ:スキルUP

【著者プロフィール】借金玉(しゃっきんだま)
1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。ブログ「発達障害就労日誌」Twitterが話題となり、初著書『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を刊行する。

【書籍紹介】『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)
うつでもコミュ障でも必ず成果は出る!発達障害だから書けた「弱者の戦略」。
自分は「大人の発達障害」なのでは、と悩む人が多いなか、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。
本書には、発達障害当事者である著者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハックだけを詰め込みました。発達障害の人はもちろん、グレーゾーンの人、仕事や人間関係がうまくいかない人にも役立つ1冊です。

書籍連載の一覧はこちら

あなたへのオススメ記事

  • 発達障害でも「食える人」に! 借金玉流、ミスを最小限に減らす仕事の3原則【後編】
  • 20代から知っておきたい! 仕事における「人間の7つの法則」とその対策/さけびん
  • 仕事の「報連相」がスムーズに! タスク管理ツールの意外な応用術/⼩⿃遊
  • 発達障害の僕が「食える人」に変わった「かばん」最強の選び方/借金玉
  • 「電験三種」ってどんな資格? 仕事内容・試験概要・合格率・攻略法を徹底解説!

    「電験三種」ってどんな資格? 仕事内容・試験概要・合格率・攻略法を徹底解説!

  • NEW
    コレならOK? コレだと失礼? 上司&取引先とのビジネスマナー

    コレならOK? コレだと失礼? 上司&取引先とのビジネスマナー

  • 知ればもっとおいしくなる! 食べ物の秘密クイズ

    知ればもっとおいしくなる! 食べ物の秘密クイズ

  • いざというときもスマートに! 慶事・弔事のビジネスマナー

    いざというときもスマートに! 慶事・弔事のビジネスマナー

  • おいしい英語のトリビア満載! 英語の雑学クイズ

    おいしい英語のトリビア満載! 英語の雑学クイズ

  • 言われてみると…どっちがどっち?? 違いがわかる雑学クイズ

    言われてみると…どっちがどっち?? 違いがわかる雑学クイズ

スキルUPの人気記事ランキング

  • 自分史上最大の事件勃発! ついにひと皮むけた!?/コミュ障は治らなくても大丈夫(6)

  • まず一喜一憂をやめてみる。折れない心の作りかた/自己肯定感の教科書(4)

  • 空気読みすぎて……自分の感情が出せなくなった/コミュ障は治らなくても大丈夫(5)

  • 失敗が人見知り女子を日本一のキャバ嬢に! 後天的コミュ力の磨き方/億稼ぐ技術(9)

  • 電車の騒音にイラついたら【毎日でぶどり】/橋本ナオキ

{ カテゴリ別ランキングを見る }

資格・スクール情報

  • 行政書士とは? 仕事内容を詳しく解説

    行政書士って何? どんな仕事をするの? 他の法律系資格との違いは? 行政書士に関する素朴な疑問を解決します。

    行政書士とは? 仕事内容を詳しく解説
ページトップに戻る