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イワシの群れは「ルール」にしたがう/身近な科学 信じられない本当の話

AIや量子コンピューターなど、現代科学の話題は今後の未来に関わる大切な情報です。そこで、『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美著)で科学の教養を身につけましょう。今回は第16回目です。

群れの動きを定義したルール「ボイド」

水族館の大きな水槽の中では、イワシが群れをなして泳いでいます。

よく見ていると、合図もないのに一斉に向きを変えています。それでいて、互いにぶつかり合うことはありません。訓練していないとできないような行動です。

この魚の動きに着目し、コンピューターで解明した米国人クレイグ・レイノルズ氏は、この動きのルールをボイドと名付けました。

ルールは群れの各イワシに対して、衝突回避(しょうとつかいひ)、整列、結合の3つから成り立ちます。「衝突回避」とは周囲の仲間と適度な距離を保つこと、「整列」は周囲の仲間と進む方向・スピードを合わせること、そして「結合」は周りの仲間がたくさんいる方向へ向かうことを意味します。

 

以上のルールにしたがってシミュレーションすると、イワシの群れの動作がコンピューターの画面上で再現されたのです。

このルールはイワシに限らず、他の動物の群れの動きにも適用できます。実際、1987年にレイノルズ氏がボイドの着想を得たのは、ムクドリの飛翔(ひしょう)からといわれます。

私たちの動きも、このような単純なルールで決定されているという研究もあります。たとえば、東京・渋谷駅のスクランブル交差点で人がぶつからずに横断できるのにも、ボイド的なルールが見出(みいだ)されています。

実は人も、複雑に見えて意外と単純なルールにしたがって群れているのかもしれません。

(つづく)

著:涌井 貞美 / 絵:ケン・サイトー

【著者紹介】涌井 貞美(わくい・さだみ)
1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。

【書籍紹介】『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(KADOKAWA)
身近な理論からあの生きものまで、常識を超える現代科学100話。「AI」「量子コンピューター」などの言葉をよく見聞きする昨今。これら「現代科学」の話題は今後の未来に関わる大切な情報です。本書は現代科学のポイントをやさしく図解。誰でも科学の教養を身につけられる内容です!
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