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これ1冊でビジネスメールの悩みを解決! 『気のきいた短いメールが書ける本』/けいろー

取引先とのやり取りで必須のメールですが、上手に文章が書けず苦手意識を持っている人も多いはず。そこで今回は『気のきいた短いメールが書ける本』のポイントを、ライターのけいろーさんが紹介します。

LINE、Slack、ChatWorkなど、チャット(メッセージ)サービスが連絡手段として定着しつつある近年。プライベートではLINEが、業務上のプロジェクトではSlackなどが、当たり前に使われるようになりました。しかし一方で、取引先や顧客とのやり取りにおいては今なおメールが欠かせません。

現代の連絡手段としては歴史の長いメールですが、「ビジネスメール」を苦手に感じている人は少なくないと聞きます。ビジネスマナーをまだ身につけられていない若手だけでなく、中堅社員のなかにも「メールはちょっと苦手……」という意識を持っている人が結構いるのだとか。

また、場面ごとで適した言いまわしが思い浮かばなかったり、どうしても説明が冗長になってしまったり、繰り返される定型文にうんざりさせられたり……。うまい書き方をインターネットで探そうにも、サイトによって言っていることが違うため余計に混乱してしまう――という問題もあるそうです。

そこで本記事では、そのようなビジネスメールに関する悩みを解決してくれる本をご紹介。『気のきいた短いメールが書ける本』というタイトルのとおり、短くても失礼のないメールの書き方を説明しています。シーン別に多くの表現例を掲載しているため、好きなフレーズを選んでそのまま使うことも可能。ぜひとも手元に置いておきたい1冊です。

「言葉づかいは変化する」ことを前提に、臨機応変に「書き方」を説明

メールに限った話ではありませんが、そもそも「言葉」は変化するものです。

誤用とされていた表現が大勢のあいだで使われるようになった結果、新たな「正しい表現」として定着したケースは少なくありません。「貴様」という二人称がもともとは敬意を示していた――ということは漢字からもわかりますし、有名な話ですよね。

同様に、マナーや言葉づかいも時代とともに変化していくもの。「二重敬語はNG」と国語の授業で習った人も多いかと思いますが、なかには「お伺い致す」「お召し上がりになる」のように、「習慣的に定着している二重敬語」として許容されている表現もあります。

二重敬語の是非については、「違和感があるからダメ」と否定しているビジネスマナー系のサイトも少なくありません。しかし本書では、「そこまで神経質にならないでもいい」とのこと。それも筆者さん自身の主観的な判断ではなく、「文化庁の『敬語の指針』で許容されているから」という根拠を挙げているため、読んでいて納得できました。

15の基本知識、17のビジネスシーン、9の敬語のFAQ

さて、本書が取り扱っているのは、文字どおり「気のきいた短いメールの書き方」です。

まず1章で取り上げるのは、メールマナーの要点。返事は後回しにしていいのか。件名は目立てばそれでいいのか。「お世話になっております」などのワンパターンな表現の是非。宛名や署名の書き方といった、ビジネスメールに不慣れな人が悩みやすい15のポイントを解説。

メールに関する必要最低限の知識を、30ページで簡潔明瞭にまとめています。そのうえで、はっきりとした正解のない曖昧な表現についても、どのような形が丁寧に感じられるかを提示。必ずしも型どおりに書く必要はなく、場合によっては「省略してもOK」とするなど、臨機応変な対応を認めているのが印象的でした。

本書のメインとなる2章では、アポ、返事、依頼、感謝、相談、お詫び、催促など、17のビジネスシーンごとにメールの書き方を解説。〈最短メール〉〈気のきいた短いメール〉〈ていねいメール〉の3段階のバリエーションで文例を示しつつ、適切な表現だけでなく、不適切な事例も並べて説明しています。

さらに、3つのパターンのほかにも、「プラス表現」として複数のフレーズを例示。類似の言い換え表現を5~10程度挙げてまとめています。フレーズはそのまま参考にして使うこともできますし、自分なりにアレンジしてもOK。同一表現の使いまわしを避け、メールの表現の幅を広げるのに役立つ内容となっています。

3章では、メールに限らずビジネスマナーにおいて大切な、「敬語」の使い方を再確認。尊敬語と謙譲語の違い、二重敬語の問題、「させていただく」や「おられます」は表現として適当かどうか、名詞につける「お」「ご」の正誤など。基礎を中心に、9つの切り口から取り上げています。

「くださる」と「いただく」など、微妙なニュアンスの違いについても比較しながら解説。1章同様、すでに定着しつつある表現については認めつつも、ほかに適した言いまわしがあれば提案しています。判断に困る表現についても解説されているため、敬語を使う際の基準として参考になるのではないでしょうか。

そのまま使える用例が豊富!メールを速く書いて仕事の効率を上げよう

本書がメール術の本として優れているのは、ずばり用例の豊富さにあります。一例として、2章で取り上げられている17のビジネスシーンのなかから、「依頼」の項目を見てみましょう。

一口に「依頼」と言ってもさまざまな場面が考えられるため、本書ではまず、「仕事のお願い」「無理をお願いする(急ぎの仕事など)」「折りいってのお願い(業務外の相談や頼みごと)」の3つのシーンに分割。それぞれの場面ではどのようなメールを送ればいいか、端的な短い文章例と、丁寧な長い文章例を並べて紹介しています。

具体的な「依頼」の表現としては、「よろしくお願い申し上げます」「ご都合はいかがでしょうか」「一度、ご相談をさせていただきたいのですが」などを提示。さらに「プラス表現」として、以下のようなフレーズもあわせて列挙しています。

・ご承諾いただけましたら誠に幸甚に存じます
・この秋の大会では、ぜひとも先生にご登壇いただきたく~
・よろしければ次回もご協力いただけないかと~
・本日は、改めてお願いがあり、ご連絡致しました
・先日ご相談致しました件につき、正式にご依頼申し上げたく~
・たいへん勝手ではございますが、今月20日までに~

ここでは一部を抜粋して引用させていただきましたが、本文では実際の「依頼」の場面を想定したメールの文中で、これらのフレーズを用いて紹介しています。これが本当にありそうなほどに具体的な文章になっているため、自分でメールを書く際の参考にもなるはず。

また、以上のような複数の例からフレーズを選び、そのまま使えるということは、メールを書く時間の短縮にもつながると考えられます。本書を机の上に置いておけば、これまではネットで適した表現をいちいち探していた人も迷うことが減り、業務の効率化につながるというわけです。

本記事の冒頭でチャットサービスについて触れましたが、メールも含めて、それらは言ってしまえば「連絡手段」のひとつに過ぎません。

しかし、あまりにも雑だったり読みにくかったりすると、相手の心証を害する可能性もあるというのが、ビジネスメールの怖いところ。ゆえに慣れないうちは時間をかけて書く必要があり、悩まされていた人も少なからずいることでしょう。

そんな人にとって、本書『気のきいた短いメールが書ける本』は、メールの悩みを解決する処方箋となりうるもの。もしよかったら、手に取って読んでみてください。

 

けいろー

【著者紹介】けいろー
フリーライター。ネットカルチャーを愛するゆとり世代。新卒入社したメーカーを退職後、趣味で始めたブログ「ぐるりみち。」経由で仕事をもらえるようになり、ノリと勢いで独立。本、グルメ、街歩き、旅行、ネット、アニメなどに関心あり。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレットなど。バーチャルな存在になりたい。

【書籍紹介】
『気のきいた短いメールが書ける本――そのまま使える! 短くても失礼のないメール術』

【参考記事】
「敬語の指針」 - 文化庁

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