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社会人の基礎体力! 実務で役立つ「文章術」を身につけるために読むべき3冊/けいろー

稟議書・企画書・報告書など、会社員が書く文章は多岐にわたります。ここでは、会社員として身につけたい「文章術」の本をご紹介。実務で役立つ「文章の書き方」を紐解いた、選りすぐりの3冊をピックアップします。

「会社員に必要な能力」と聞いて、あなたはまず何を思い浮かべますか?

基本的な職務遂行能力をはじめ、ビジネスマナーにコミュニケーション能力など、身につけておきたいスキルはさまざま。休日はビジネス書を読んだりセミナーに足を運んだりと、勉学に励んでいる人も少なくないのではないでしょうか。

そんななか、意外と忘れられがちなのが、「文章力」。

もちろん高校や大学でも文章の書き方は習いますし、学生時代は嫌になるほど論文を書かされて、「文章の書き方なんて身に染みついとるわい!」という人もいるかもしれません。

ですが、普段の仕事で必要になる「文章力」は、「論文の書き方」とイコールではありません。上司や同僚、取引先に送るメール以外にも、稟議書・企画書・報告書など、会社員が書く文章は思いのほか多岐にわたります。

そこで本記事では、会社員として身につけておきたい「文章術」の本を、3冊まとめて紹介。実務でも役立つ「文章の書き方」を紐解いた、選りすぐりの3冊を取り上げています。よかったら、参考にしてみてください!

仕事でもネットでも使える「書き方」を学ぶ最初の1冊『新しい文章力の教室』

「3冊も読む時間がない……」という人にまずおすすめしたいのが、『新しい文章力の教室』(唐木 元・著、インプレス)。ビジネスシーンにも対応した、読み終えた瞬間からすぐに使える「文章の書き方」をまとめた1冊です。

その内容は、大手ニュースサイトで新人教育を担当していた編集者による、実践的な文章術。社内の勉強会で実際に共有されてきたノウハウということもあり、その効果はお墨付きです。

「良い文章とは何か」「どのように形にすれば良いのか」といった考え方の説明から入っているため、文章に苦手意識を感じている人にも理解しやすい構成だと感じました。そのうえで、基本的な作文技法から細かい表現の指摘まで、順を追って学ぶことができます。

そんな本書が目指すのは、ずばり「完読される」こと。

ともすれば「時と場合による」と結論づけられてしまいそうな「良い文章」の定義、それを「完読される文章」と見定めて、読者に最後まで読んでもらうための書き方を説明しています。これが本書の特徴であり、大きな魅力だと言えるでしょう。

1冊を通して紐解かれるのは、徹頭徹尾「完読される」ための書き方と考え方。明快に、スムーズに、伝わるように。本書に書かれている工夫は、どれもこれもが「完読される」ためのもの。目的がはっきりしているため迷うことがなく、理解しやすい構成になっていると感じました。

筆者曰く、「文章力は社会人の基礎体力」。

まずは基礎を学ぶところから、順々に積み上げていきましょう。

文章力以前の「思考力」を養う『文章力の鍛え方』

続いて紹介する『文章力の鍛え方』(樋口 裕一・著、中経の文庫)は、『新しい文章力の教室』と比べると、変化球のようにも感じられる1冊です。

その名のとおり「文章の力を鍛える方法」を説明しているのかと思いきや、それはあくまで取り扱うトピックのひとつに過ぎません。本書が大きなテーマとして取り上げているのは、むしろ「文章力」以前に必要となる大前提──「思考力」を身につける方法です。

曰く、“文章を書くということは、根拠を明確に発信すること”。

自身の意見を言語化し、相手に伝わるよう論理的に説明することを求められる「文章」においては、何よりも「思考力」が重要になってくる。そのためには、日常生活のなかでも考える習慣を身につけ、描写力や表現力を磨き、物事を筋道立てて説明できるようにする必要がある。

そのように「思考力」を磨くことによって、「文章力」もまた鍛えられる──というのが、本書の大きな主張であると読めました。

最終的には自身の意見を文章に落とし込むところまで含めて、「文章力」と「思考力」を身につけるための考え方を説明しています。全体で65個もの考え方が登場するので、「気になった部分だけを掻い摘んで参考にする」という読み方ができるのも嬉しいポイントですね。

ただ本の内容を鵜呑みにして教えられるだけでは物足りない人、自分でもあれこれと考えながら学びたい人におすすめしたい1冊です。

実例も豊富な文章術の名著『伝わる・揺さぶる!文章を書く』

最後に取り上げるのは、「完読される」ことをゴールにしていた『新しい文章力の教室』のさらにその先、「読み手の心を動かし、人を揺さぶる」文章を書くことを目指す本。「書く」ことの本質に迫る名著『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(山田ズーニー著・PHP研究所)です。

本書で取り上げる「文章」が目指すのは、読み手の納得・共感を得ること。

より具体的には、「自身の主張が相手に伝わり、そのうえで望む結果を得る」ことを目標に見定めています。単に「最後まで読まれる」だけでなく、「文章で人を動かす」ところまで考慮していることから、『新しい文章力の教室』の応用編と言ってもいいかもしれません。

「応用」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、その内容は平易かつ明瞭。文法などの小難しい説明はなく、どのような文章にも応用できる「伝わる・揺さぶる」ための書き方を、わかりやすく解説しています。「問い」の立て方を重要視している点は、先の『文章力の鍛え方』と通じる部分もあるかもしれませんね。

さらに後半では、「実践編」として複数シーンの事例も紹介。上司の説得方法をはじめ、議事録・志望理由・依頼文・謝罪文の書き方が実例とともに取り上げられています。基本的な説明のみならず、読んですぐに使える知識も散りばめられた、非常に実用的な本だと言えるでしょう。

文法や語彙よりも大切な、「書く」ことの本質と考え方をわかりやすく教えてくれて、しかも実践的な例も豊富という、至れり尽くせりな1冊。手に取って読みやすい新書サイズなので、通勤の電車内などで読んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

まとまった文章を書くのは苦手だし、シャレた言いまわしも思い浮かばない。だから、自分には文章力がない――と考えている人も、少なからずいるのではないでしょうか。

ですが、そもそも「良い文章」とは、必ずしも「明快な説明文」や「センスのある言いまわし」を指すものではありません。実際、『伝わる・揺さぶる!文章を書く』でも、次のような指摘があります。

文章の善し悪しは、目指すゴールによって違う。芸術作品はともかく、私たちが、仕事や日常で書く文章は、考えれば、読み手や目指す結果がはっきりしたものが多い。まず、ゴールを明確にすること。そして、ゴールから逆算して必要なことを、必要なレベルまでやればいい。(山田ズーニー著『伝わる・揺さぶる!文章を書く』Kindle版 位置No.487より)

仕事上の文書を見ても、たしかにその目的ははっきりとしています。企画書であれば、上司を納得させGOサインをもらうこと。報告書であれば、情報を正確に共有すること。そういった場面で「センス」を求められることはそうそうないでしょうし、難しく考える必要はありません。

本記事で紹介させていただいた本は、どれも「目的」をはっきりとさせたうえで書き方を説明しています。目指すところがはっきりしていれば、読んでいる途中で目的を見失うこともないはず。苦手意識を克服するという点でも、これらの3冊がきっかけになってくれるかと思います。

まずは1冊だけでも、手に取って読んでみてはいかがでしょうか。

【著者紹介】けいろー
フリーライター。ネットカルチャーを愛するゆとり世代。新卒入社したメーカーを退職後、趣味で始めたブログ「ぐるりみち。」経由で仕事をもらえるようになり、ノリと勢いで独立。本、グルメ、街歩き、旅行、ネット、アニメなどに関心あり。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレットなど。バーチャルな存在になりたい。

【書籍紹介】
『新しい文章力の教室』
『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』
『文章力の鍛え方 』
カテゴリ:スキルUP

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