なぜいま「プログラミング」なのか―優秀なビジネスマンは英語の前にAIプログラミングを学べ!/石川聡彦【前編】

エンジニア向けAIプログラミング学習サービス「Aidemy」を提供するアイデミーのCEO・石川聡彦さんが、時空を超えた「世界史」という視点から、プログラミングを学ぶ必要性を語ります。
21世紀は「世界史」で300年後になんとサマライズされるだろうか?
唐突かもしれませんが、最近、私は世界史にはまっています。歴史は繰り返すので、世界史を学ぶことは未来を学ぶことだと思っているためです。
せっかくなので、もし仮に300年後も地球が存在し、「世界史」という教科が存在したら、21世紀はどのようにサマライズされるのかを、皆さんと一緒に思考実験したいと思っています。
皆さんは、300年後の世界史の教科書で、21世紀はどのような説明がされると思いますか?
さて、世界史の教科書を開いてみましょう。
16世紀のサマライズは「大航海時代」でした。同様に、18世紀後半~19世紀の最も象徴的な出来事は「産業革命」です。20世紀は「第1・2次世界大戦」に関する説明に、最もページが割かれています。
このように、21世紀がどのようなテーマで要約されるか考えたとき、私は「情報革命」と「宇宙植民」というテーマだと推測しています。
Software is eating world.
「情報革命」が21世紀のメインストリームになることは、疑う余地がないでしょう。
人々がコンピュータに慣れ親しみはじめたのは、1995年のWindows95の発売から。スマホ(初代iPhone)の発売は2007年で、この20年間で人々の生活は急速に変わりました。
「人とつながる」という人類の本源的な欲求が、端末一つで満たされるようになったためです。
これは、「農業革命(18世紀)」→「産業革命(18~19世紀)」に次ぐ大きな革命だと思っています。いま若手ビジネスマンとして生きている我々は、革命時代を身をもって体感できる、歴史的に見ても非常に恵まれた世代と考えても良いでしょう。
革命とは、痛みを伴うものです。「農業革命」によって、農民は職を失いました。「産業革命」によって、人々は資本家に雇われるようになりました。「情報革命」も同様に、人々の暮らしのあり方を変革しつつあります。
「情報革命」によって、産業は変化しています。分かりやすい例が、Uber(ウーバー)によるタクシー産業の破壊でしょう。サンフランシスコでタクシー会社が破綻まで追い込まれたのは、記憶に新しいです。
最近だと、AirBnBがホテル産業を、Expediaが旅行代理店を、Paypalが銀行を駆逐し始めています。
さらに、今後は日本の大黒柱である自動車産業まで、ソフトウェア産業に飲み込まれはじめているのです。
なぜなら、いまの自動車産業の研究開発の主流は自動運転。これはソフトウェア産業の主戦場で、AI/機械学習テクノロジーの集大成であり、GoogleやUberと競う必要があるのです。
このような革命は、"Software is eating world"と揶揄されます。意味はそのまま、「ソフトウェア産業がありとあらゆる産業を飲み込んでいる。」ということです。
飲み込む側と飲み込まれる側、どちらに学ぶのが得策なのか、火を見るより明らかではないでしょうか。
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【著者紹介】石川 聡彦(いしかわ・あきひこ)
株式会社アイデミー代表取締役CEO。
1992年生まれ。東京大学工学部卒。研究・実務でデータ解析に従事した経験を活かし、2017年より、人工知能エンジニアになるために必要な技術を学べるオンライン学習サービス「Aidemy」をリリース。「Aidemy」は正式公開後3ヶ月で会員登録数1万名、100万回以上の演習回数を記録。
さらに、早稲田大学リーディング理工学博士プログラムでは、AIプログラミング実践授業の講師も担当。
【書籍紹介】『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』(KADOKAWA)
大人気「10秒で始める人工知能プログラミング学習サービス」の代表者がおくる、人工知能プログラミングに必要な数学を、やさしく学ぶ参考書。AIプログラミングに必要な高校数学・大学数学を、キホンの基本からおさらいするから、ニガテな人でも大丈夫。この1冊で、人工知能の数学がゼロからわかります。
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