スキルUP

二拠点生活ってぶっちゃけどうなの? 大都市・神戸移住のリアル

二拠点生活やワーケーションをテーマに行ってきた一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会のイベントシリーズ「local next…」。

今回は神戸をテーマにした移住促進イベント「local next…Special~海と山が近い町・神戸で二拠点生活のススメ」が、5日、SPACES大手町ビルにて開催された。

同イベントは神戸市の主催。神戸市は日本で6番目に人口が多い都市で、都心のすぐそばには海・山・農村地域が広がり、東京や各都市とのアクセスも抜群だ。最近では、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)をあわせた造語の「ワーケーション」という言葉が注目を集めている。休んでリフレッシュしながら仕事をするという新しいライフスタイルだ。神戸は都心からすぐそばに山や海があり、仕事に疲れたら釣りやサーフィンなどを楽しむこともでき、ワーケーションには最高の環境が整っている。

当日は、グラフィックデザイナー・アートディレクターの天宅正氏、Discover Japan統括編集長の高橋俊宏氏がゲストとして登壇し、二拠点生活・移住のリアルについて語った。

天宅氏は神戸市出身。20歳で大学に進学するため神戸から東京に移住。10年間、デザイン会社で必死に働いたという。東京では、クライアントの依頼や会社の指示を受けて仕事をしていたが、ある時、北海道・清里という「縁もゆかりもない」地域にデザインで関わる経験をしたことを契機に、地元の神戸でも仕事がしたいという思いが強くなっていく。

グラフィックデザイナー・アートディレクターの天宅正氏
グラフィックデザイナー・アートディレクターの天宅正氏

実際に仕事があるか不安もあったが、実際に調べてみると、思った以上に仕事は見つけられるかもという手ごたえがあったという天宅氏。「たまたま、市役所のクリエイティブディレクター募集を見つけて幸運なことに採用してもらったが、その前に『神戸にいくぞ!』という強い気持ちがあったからこそ(実現した)」(天宅氏)。

天宅氏は現在、神戸市役所で働きながら、東京と神戸の二拠点生活を行っている。市役所では「各局の幅広い案件に+(プラス)デザインの思考を入れるべく、デザイン的な観点からよりよく市民のみなさんに届く手法などアドバイスする業務についている」とのこと。チラシの細かなデザインから、何度も打ち合わせを重ねなければならないような大きな課題まで、案件は様々だ。

東京と神戸の二拠点居住だが、天宅氏は「毎日楽しい」と感じながら働いているそうだ。「毎週月曜日は朝4時に起きて、8時45分に神戸の市役所に出社する生活。(東京にいることは)4時まで起きていることはあったが、4時に起きることなんてなかった(笑)。早起きはしんどいけど、毎回旅行感覚で楽しいですよ」(天宅氏)。

今までの仕事とは違う、行政の仕事をしていることについては、「(自分が)やれるならやっちゃおうという感覚。今まで民間では、いわゆるグラフィックデザイナーとして仕事をしていたが、神戸市役所で働くようになってからはグラフィック以外の事もできるデザイナーにならねばなと、働き方・考え方が変わった」と語る。「市役所の職員と比べて、能力が低いと感じる部分もあるが、違う分野で自分の力をいかせる。だから職業として『じんわり変な形』になっている(笑)」(天宅氏)。

二拠点生活によって、仕事にどんな影響があったのだろうか。天宅氏は「東京だけで仕事をしていた時は、クライアントを探してクライアントの課題や要望に受け答えするのが仕事だと思っていた。地方で仕事を始めて『本当の課題ってなんだろう』と考えるようになってきている。もらった仕事をやるのではなく、自分からの発見、発信していこうと心がけるようになったことが大きい。広がりもあるし、その中で自分のスキルも磨ける」。

天宅氏は、二拠点生活を今後も続ける予定だそうだ。「東京と神戸をで行ったり来たりする人がいることでどちらの土地にも異質な風が入ってくる。そうすることは、神戸のためになると感じている」と強い意志をにじませた。

雑誌で移住特集をいくつも企画している、Discover Japan統括編集長の高橋俊宏氏は、若者の移住に関するイメージが変わってきていることを指摘。「働き方改革が叫ばれているが、若者は改革しなきゃならないほど『しんどい働き方』しかないのではないかと絶望している。それなら、お金もそこそこで自分の判断で自分らしい暮らしがしたいと考える人が増えている」と語る。

Discover Japan統括編集長の高橋俊宏氏
Discover Japan統括編集長の高橋俊宏氏

一方で、移住する町の魅力を発掘するのも移住者に期待されることだ。「観光は旅人で一時的な滞在だが、移住は土地の魅力が必要不可欠。一方で、無名の場所・何もない場所だから魅力がない、というわけではないという。ないものこそ、ある。何かを見出す力もクリエイティブなひとつの力。フリーで活躍するひとはそういうのを見つけるのが上手だと感じる。また、クリエイティブな人材はネットワークを持っているので、実際、池に石をなげて波紋が広がるように、地方を巻き込んで盛り上がりを見せる事例もある」(高橋氏)。

今後の働き方について、地方が持つポテンシャルについても高橋氏は言及した。「百姓は百個の職業をもっているから百姓。昔は複業を自然とやっていた。これからの働き方では、午前と午後、季節によって違う仕事をかけもちしてもかまわない。そういった意味では、日本の抱える課題を解決する鍵はローカルにあると感じている」(高橋氏)。

この日は、フリーランスのクリエーターの方や地方への移住に関心の高い人ら約30名が参加し、熱心に聴く姿が見られた。同協会では、今後も「local next」シリーズを通じて、二拠点居住やワーケーションを提唱していく考えだ。

ちなみに、11月16日(金)~11月18日(日)には、フリーランスのクリエーターを対象とした「神戸ワーケーションプログラム」を神戸で実施される。詳細は下記のサイトを参照にしてみてほしい。


StudyWalker編集部

カテゴリ:スキルUP

神戸ワーケーションプログラム募集サイト
http://kobeliveandwork.org/news/2018/09/2533/

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
https://www.freelance-jp.org

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