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「なんとなく雰囲気のいい人」の特徴とは? 『話し方で損する人 得する人』/けいろー

雰囲気が良い人の話し方を観察してみると、そこには「損」な話し方と「得」な話し方があることがわかります。今回はライターのけいろーさんが、書籍『話し方で損する人得する人』を紹介します。

世の中には、「なんとなく雰囲気のいい人」がいます。

際立った個性や才能のあるなしに関係なく、周囲から好かれている人。もちろん、誰しも影では何を言われているかはわかったものではありませんが……少なくとも、表立った悪口を耳にすることのない人。

優れたリーダーシップを持っているわけでもなければ、他者を引きつけるカリスマがあるわけでもない。いつも集まりの中心にいるわけではないのに、自然と声をかけられるし、周りからも好かれている。

そんな人が、あなたの周囲にも1人はいるのではないでしょうか。

「なんとなく雰囲気のいい人」の特徴とは?

そのような「なんとなく雰囲気のいい人」を観察してみると、彼ら彼女らはいくつかの特徴を持っていることがわかります。気配りが上手、誰に対しても平等、感情表現が豊か、悪口を言わないーーなどなど。どこか物腰が柔らかく、ネガティブな印象を感じさせない人が多いように見受けられます。

特徴はほかにも考えられますが、なかでも特に「話し方」は無視できません。「悪口を言わない」というのもそうですし、ほどほどに感情を込めた自然な抑揚は聞こえがよく、話しているときの表情も好印象。

そして何より、言葉選びがうまいんですよね。

今回ご紹介する『話し方で損する人得する人』は、そんな「なんとなく雰囲気のいい人」の「話し方」を紐解いた本です。家族や友人との日常的な会話だけでなく、職場で「できる人」だと思われる話し方や、飲み会やデートといった特定の場面での言葉づかいにも言及。

自分の普段の「話し方」を見直したいという人に、ぴったりの1冊です。

コミュニケーションの「当たり前」を見直す

冒頭で「言葉を制するものは人生を制する」とまで断言する本書の筆者は、心理カウンセラーの五百田達成さん。著書には『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』などがあり、書店で見かけたことのある人もいるのではないでしょうか。

そのような「コミュニケーション」に関係する本を多く書かれている筆者が、人間関係における「話し方」に焦点を当てた最新刊。それがこの『話し方で損する人得する人』です。

既刊を見るかぎりでは、「男」と「女」、「長氏」と「末っ子」といったように、二者を比較して論じることの多い筆者。今回も同様の構成を採用しており、「損」な話し方と「得」な話し方の2つに分類。具体例を示しながら、「好感度の高い話し方」とはどのようなものかを明らかにする内容となっています。

ところで、書店に並ぶ会話術の本を手に取って読むと、「質問」の重要性について指摘されていることがしばしばあります。

他者とのコミュニケーションにおいては、演説のように一方的に話してはいけない。「自分の話をする」のではなく「相手の話を聞く」スタンスで、テンポよく「質問」を投げかけることが肝要。そうすることによって、円滑で気持ちのいい会話ができるーーといった指摘ですね。

しかし一方で、あれこれと相手に質問しすぎるのもよくありません。

もちろん、相手の話を聞く姿勢は大切。ですが、矢継ぎ早に疑問を投げかけるばかりだと相手は疲れてしまいます。

この問題については、本書でも「すぐに質問をはさんで話の腰を折る」のは「損」であると指摘。悪印象を与えかねない話し方として取り上げています。

では、この場合の「得」な話し方はどのようなものなのか。答えは、「相手の話をすべて聞いてから質問する」こと。

相手のペースを崩さないように相槌を打ち、話し終えたタイミングで質問をする。むやみに疑問を投げまくるよりは、このほうが相手からの好感も得られやすいーーと説明しています。

筆者曰く、“「聞く」といっても、英語で言う「ask(たずねる)」ではなく「listen(聴く)」の姿勢が必要”。

当たり前と言えば当たり前のことなのかもしれませんが、聞くことはコミュニケーションにおいては大切なポイントです。こういった「当たり前」を再確認できるという意味でも、本書は多くの人におすすめできます。

話し方を見直すことで、人間関係を好転させる

本書は「家族・友人編」「飲み会・デート編」「職場・ビジネス編」の主に3つの章で構成。それぞれの章で、シーンごとに適した「話し方」を取り上げています。

一口に「話し方」と言っても、場面が変われば、その場に適したコミュニケーションも変わって当然。求められる「コミュニケーション能力」の意味がプライベートとビジネスでは微妙に異なるように、場面に合わせた「話し方」を提案しています。自分が苦手だと感じるシーンに絞って読むこともできますし、幅広い層に勧められる本であるように感じました。

ただ、読んでいる途中、引っかかりを覚えた部分もありました。

先ほどの「場面によって『話し方』が変わる」という指摘は、見方を変えれば、さらにミクロな視点でも同様に言えることなのではないでしょうか。「場面」よりも細かい単位ーーつまりは「人」によっても、各々に適した「話し方」は変わってくると思うのです。

たとえば、本書で取り上げられている「話し方」のひとつに、「『要するに○○でしょ』と相手の話を要約する」のは「損」であるというものがあります。友人との会話では、問題の解決よりも共感を重視するべき。「まとめる」のではなく「広げる」ように話したほうが得であり、相手からも好印象を得られるーーという指摘です。

たしかに、そういう一面もあるとは思います。特に複数人が集まる飲み会などでは、お互いのいわゆる“愚痴大会”になるのも自然な流れ。あれこれと要約したり反論したりするより、ひたすらに「わかる」「そうなんだ」と相槌を打つほうが共感も得やすく、お互いにすっきりと話せますよね。

ですが、それも実際のところは「人を選ぶ」のではないでしょうか。本書でも「悩み相談の場合は別」としていますが、安易な共感が相手を傷つけてしまうことだってあります。

一般論としての「要約はいけない」という指摘には納得できますが、それも結局は相手次第であり、一概には「損」と断言できないと感じました。

もちろん、本書の場合はアンケート結果を元に「損」か「得」かを判断しているため、多数派の意見を前提とした説明になってしまうのは仕方ありません。ですが、実際には「話す相手によっても印象は異なる」「時と場合による」ということも、忘れてはならないように思います。

大切なのは、本書が示す「損」「得」を参考にしつつも、目の前にいる相手をしっかりと見て話すこと。自身の話し方や言葉づかいを見直すことは、周囲の人間関係を見直し、好転させることにもつながります。特に職場での立ち振る舞いに苦戦している新入社員などは、本書の指摘が参考になるのではないでしょうか。

普段はあまり省みる機会のない、「話し方」を再検討する1冊。気になる人は、ぜひ手に取って読んでみてください。

けいろー

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】けいろー
フリーライター。ネットカルチャーを愛するゆとり世代。新卒入社したメーカーを退職後、趣味で始めたブログ「ぐるりみち。」経由で仕事をもらえるようになり、ノリと勢いで独立。本、グルメ、街歩き、旅行、ネット、アニメなどに関心あり。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレットなど。バーチャルな存在になりたい。

【書籍紹介】
『話し方で損する人 得する人』

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