スキルUP

雑談さえできれば結果はついてくる! 成功する雑談の仕方/けいろー

営業職や販売職では、セールストークとは異なる雑談によって、すぐれた成績をおさめることができます。今回はライターのけいろーさんが、書籍『雑談が上手い人 下手な人』を紹介します。

営業において、「雑談力」は必須である──。

書店に並ぶ「営業術」の本のなかには、そのように書かれているものも少なくありません。

商品の魅力を伝えるセールストークも欠かせませんが、実は雑談も大切。

淡々とした説明口調のまま、取って付けたような言いまわしで商品を勧めたところで、顧客の心には響かない。それよりも、たわいない雑談でもって相手を心地良くさせたほうが、契約や購買につながる──というのです。

私自身、ルートセールスとしてメーカーに勤めていた頃は、「雑談」の重要性を常に感じていました。

事実、人見知りな自分が社内でも優れた成績を収めることができていたのは、相手に合わせた「雑談」が少なからずできていたからと考えています。

雑談さえできれば、結果はついてくる。

今回読んだのは、そんな「雑談」をテーマにした本『雑談が上手い人 下手な人』(森 優子/かんき出版)です。

当書は実践的な会話術やテクニックをまとめた内容ではありませんが、広い意味での「雑談」についての筆者の考えをまとめた1冊。若者の目線ではなかなか気づけなさそうな、上の世代が魅力的に感じる「雑談」の例が多く紹介されています。

雑談が上手な人は、何をしているのか

「聞くという行為は、相手を受け入れること」というプロローグから始まる本書。

雑談が上手い人は普段、どのような姿勢で相手と接しているのか。その基本的な部分から確認しつつ、順を追って「雑談が上手い人」の考え方を紐解いていく内容となっています。

第1章では「雑談の上手な始め方」と題して、相手と話す前の段階をチェック。「10秒で相手を見抜いて印象づける」「ひと言そえて自分からあいさつする」「笑顔で自分から進んで話しかける」「相手の言葉をリピートする」など、第一印象をより良くするための考え方が並んでいます。

第2章「雑談の内容は身近なところから探す」では、雑談中に取り上げる話題について言及。世の中の出来事や目の前にあるモノ・コトのほか、未来に目を向けた「約束」の仕方にも触れています。「宗教や政治の話をしない」とはよく聞きますが、それを避ける方法がおもしろかったです。

第3章では、「雑談の上手な切りかえ方と終わらせ方」を紹介。おそらくは多くの人が悩むであろう話題転換について、「質問」や「ユーモア」によって切り替える(終わらせる)考え方を提示しています。この章は特に、読んでいて参考になると感じる人も多いのではないでしょうか。

続く4~6章では、それぞれ「相手に気に入ってもらう雑談の仕方」「相手に好きになってもらう雑談の仕方」「相手を落とす雑談の仕方」と題して、相手に好印象を残すための方法を説明。誰に対しても使える方法ではありませんが、話す相手を選べばきっと参考になるはずです。

上の世代の感覚を知ることができる

以上のように幅広い意味での「雑談」を取り扱っている本書ですが、読んでみた実感としては、思いのほか人を選ぶ本であるように感じられました。

なかでも特に、実践的な雑談のテクニック──「会話術」を身に付けるための本を探している人には、あまりおすすめできなさそうです。というのも、本書は「雑談」をシーン別に分類しておらず、また相手によって話し方を変えるようなことも前提としていません。

一口に「雑談」と言ってもいろいろな場面が考えられます。友人との会話もあれば、職場の上司との世間話もあり、はたまた営業先でのやりとりもある。本来であればそういったシーン別に「雑談」の攻略法があって然るべきですが、本書ではそのような区分けをしていません。

冒頭の時点で「雑談」の定義も定まっておらず、なんとなく「雑談」と呼べそうなものを漠然と取り上げている印象。それゆえに全体的につかみどころのない、ふわっとした論調になっているように感じました。文中の事例も、シーンによって話し相手が見事にバラバラなので、「たまたまうまくいった例」を指して「雑談が上手い人」と言っているように読めてしまうんですよね……。

ですが、これは本書のメリットとして考えることもできます。

取り上げられている事例が多岐にわたっており、それぞれが限定的な場面ながら成功しているということは、つまりそれを「雑談の成功集」として捉えることもできるのです。

本書の場合、特に上下関係のある間柄の雑談を多く例に挙げているため、若い世代が上の世代の感覚を知るのに適しているように感じました。

若者同士では忌避されるか、場合によっては場が白けかねないようなユーモアや話題転換の方法も「成功例」として書かれているため、きっと新鮮に感じられるはずです。

一般的な「会話術」の本とは違った切り口で「雑談」の幅を広げたい──そんな人におすすめの1冊です。気になった方は、まずは手に取って読んでみてください。

けいろー

【著者紹介】けいろー
フリーライター。ネットカルチャーを愛するゆとり世代。新卒入社したメーカーを退職後、趣味で始めたブログ「ぐるりみち。」経由で仕事をもらえるようになり、ノリと勢いで独立。本、グルメ、街歩き、旅行、ネット、アニメなどに関心あり。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレットなど。バーチャルな存在になりたい。

【書籍紹介】
『雑談が上手い人 下手な人』

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