スキルUP

営業先の担当者にイライラしないためのパターン別対処法/谷洋二郎

仕事では、さまざまな企業の担当者とやりとりを進めていきます。しかし、担当者の理解力がない場合、仕事がうまく進まなくなることも。そこで今回は、担当者の理解力がないときの対処法を紹介します。

仕事においては、さまざまな企業の担当者とプロジェクトを進めたり、サービスを依頼していくことがあります。

その際に、企業の担当者の理解力が著しく乏しいと、とたんに生産性が下がってしまうもの。

そこで今回は、営業先の担当者にイライラしないための対処法について紹介します。

理解力が乏しい人の特徴

まず、理解力が乏しい人の特徴を5パターンにまとめると、以下になります。

①一つの情報から多くを汲み取れない

②都合の良い情報だけを選択する

③価値観や解釈の軸がない

④情報を想像しカスタマイズできない

⑤理解はできてないが、こちらを信用してくれる

理解力とはすぐにつくものではありませんから、こちら側から、理解力が乏しい人の特徴に合わせてトークする必要があります。

ここでは、これら5つのパターンについて、それぞれ対処法を紹介します。

①一つの情報から多くを汲み取れない

まずは、①一つの情報から多くを汲み取れない担当者。理解力が乏しい人は「AはAである」という情報から、それしか理解しようとしません。汲み取り作業とは、

・AはAであるということは……
・AはBであるとも言えるし、
・AはCに分類されるし、
・AはDの側面もありますし、
・AはEとは違うし、
・AはFとは正反対

といった作業をいいます。

理解力の乏しい担当者には、一緒に汲み取り作業をする必要があります。

つまり、「理解させようとしている物事に対して、いろんな側面から質問を投げ掛け、別の定義や意味を持たせる作業を一緒に行う」ということです。

そして、その発言を音声で録音するなど、きちんと証拠で残しておくのです。証拠を残すことで、言った言わないが減ります。

いろいろなことをお互いに定義しているので、「でも、●●さん、以前、一緒に■■は□□という認識で話し合いましたよね? 音声記録でも残ってますよ」と優しく言えば、反論などが一気に減ります。

②都合の良い情報だけを選択する

「自分の都合の良い情報だけを選択する」ために、情報の抜け漏れが多い人も存在します。こうした担当者の場合は、なるべく情報を可視化させて、一緒に仕事をするのがいいです。

こうした担当者には、打ち合わせの最後に振り返りの時間を作りましょう。チェックシートで、すべての項目を確認したことをチェックさせ、記憶の抜け漏れを防ぎましょう。

③価値観や解釈の軸がない

「価値観や解釈の軸がない」担当者も、理解力が浅くなります。

これは、お互いに話し合っている情報を咀しゃくする明確なフィルターを持っていないからです。

情報に意味を持たせることができないので、理解をするに至りません。解釈の軸がない担当者の場合には、最初に価値や解釈を提示する必要があります。

また、一つのプロジェクトでも様々な価値が入れ込みますので、価値の優先順位をしっかり決めておき、議事録に残して共有しておくといいでしょう。価値の優先順位がわかる議事録を残しておくと、担当者の要望が突然に大幅変更したときに、それを一緒に見直すことができます。

④情報を想像しカスタマイズできない

「情報を想像しカスタマイズできない」担当者も、理解力が乏しい傾向にあります。

ここで言う理解力とは、自分でつかんだ情報からより深いイメージを持ったり、抽象化したりして、別の機会にアウトプットすることで培われていきます。

こうした担当者は、自分で知を腑に落とす機会が著しく少ないため、情報は吸収しているはずなのに、ぜんぜん理解が深くならないのです。

「情報を想像しカスタマイズできない」担当者には、実際にアウトプット作業をやらせるというのが、仕事がうまく回るコツでもあります。

打ち合わせで登場し、確認や指示をするだけの存在にせずに、何かしら産みの苦しみを与えるようにしましょう。「お題を決め、そのアイデアを箇条書きで50個用意する」と言ったことでもかまいません。

なお、担当者の修正などが多くなりそうな場合は、発言に対するルールを決めておくことも大事です。修正のタイミングや回数や期限を決めておくと、それ以上の発言はできないようになるので、一定の迷惑を被るだけで済みます。

⑤理解はできてないが、こちらを信用してくれる

最後は「⑤理解はできてないが、こちらを信用してくれる」です。

これは意外かもしれませんが、理解力のない担当者ととにかく雑談をし、関係を深める。そうすることで、担当者がこちらに丸投げしてくれるような関係を作るということです。

関係を深めるのに一番良いのは、「担当者をねぎらい、愚痴を聞く」というものです。根の深い本音を語らせて、心を開かせていくことで、本音も言いやすくなるということです。

この場合、進めている状況が、その担当者の「良い」に沿っていることを随時強調していくことが大事です。

「実は、これは●●さんの求めている、■■な考えに沿っているんですよ!」と伝えて続けることで、ふんわりとした理解でもオーケーやゴーサインが出るようになります。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

以上、イライラする担当者5つのパターンについてそれぞれ対処法を紹介しました。

仕事に携わる人全員が優れたメンバーだとは限りません。時には担当者は形上はいるが、本質的には別のところで真の担当がいて、そこで仕事を回していく、といったことも必要になります。

担当者の理解力が乏しくイライラして、本人に怒りをぶつけたり、説教をしたりしても、理解力が高まるわけではありません。

理解力が乏しい担当者に最大の誠意を示しながらも、多くの予防線を張って、仕事を成功させていきましょう。


谷 洋二郎

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】谷 洋二郎(たに・ようじろう)
クリエイター。ヒアリング、カウンセリング、コーチング、コンサルティング、ディレクション、インタビューなど、あらゆる形態のコミュニケーションに長け、企業や個人向けにデザイン、ライティング、マーケティングの3つの能力でサービスを提供。自ら制作したLINEスタンプ「爆笑ピクト」は、クリエイターズスタンプ全国2位、10万ダウンロードを突破。運営サイト「超モテ男術」は月間約30万PV、自身やメンバーが研究した恋愛ノウハウをメディア化、教材や雑誌にも展開。最近は、経営者向けにクローズドで開始した「一日して欲しいことをひたすらする」という「経営者相棒サービス」が好評。不安定で多様な場所へ繰り出すクリエイターという職業を通じ、日々、様々なコミュニケーションに向き合い、ノウハウ化に努めている。

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自己開示は、相手からの好意を得る最もパワフルな方法だ。自己開示は、人生最強のライフハックである。自分は確実に人に好かれるという絶対的自信が土台にある人生は、見える景色がまるで異なってくる。自己開示と供に人生を歩むことができれば、どんな人も、バラ色に彩られた世界を手に入れることができるだろう。

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