スキルUP

発達障害グレーゾーンの当事者が語る、適職の見つけ方/俵谷龍佑

もし自分が発達障害で、仕事でうまくいかず苦しんでいるとしたら、仕事にどのような考え方をもって取り組めばよいでしょうか。今回は同じ悩みを持つ人に向け、俵谷龍佑さんが自身の経験を語ります。

こんにちは、フリーライター/ブロガーの俵谷龍佑です。

私は、発達障害の一つであるADD(注意欠陥障害)のグレーゾーンとして、ブログやSNSを通してADDグレーゾーンの現状や働き方について発信しています。

発達障害グレーゾーンとは、発達障害の傾向があるとだけ判断され、確定診断をされない状態のことを指します。

グレーゾーンだと、適切な医療サポートを受けにくくなるという側面があります。発達障害は、診断が医師によって分かれるため、たとえ自覚があっても判断されないケースも多いのです。

そこで今回は、発達障害グレーゾーン当事者の視点から、自分に合った適職の見つけ方について体験談を踏まえながら書いていこうと思います。

社内失業をきっかけに、発達障害の診断を受ける

僕は、小さい頃からよく「変わり者」と言われていましたが、発達障害であるという自覚はありませんでした。

発達障害を自覚するようになったのは、新卒で入社した会社員時代です。

学生時代にバイトをしている時から、とにかくケアレスミスが多く、よく怒られていました。アルバイトも長続きせず、色々な場所を転々としていたので、そこまでケアレスミスが多いことを深刻に考えてませんでした。

しかし、正社員として入社した会社では、嫌でも自分の欠点と向き合うことになりました。

ケアレスミスはもちろん、集中力が持続しない、衝動的に質問・発言をする、人と長く関係を続けるのが下手、これらの要素が社内の人を困惑させました(ちなみに、これらの症状はADDによく見られる傾向だそうです)。

最初は、「はじめは誰でもミスをする、徐々に覚えていけばいいよ」と言われていました。

しかし徐々に「なんでできないの?」「前も言っただろ?」と、周りの態度は変わっていき、また怒られるという焦りから
同じミスをしてしまう……という悪循環にはまっていました。

上司や同僚と上手に関係を築くのが苦手で、自分が本音を打ち明けられる人もおらずどんどん孤立していき、最終的には担当の仕事がゼロになりました。これがちょうど入社から半年経った頃です。

1週間に2、3回仕事があれば良い状態「社内失業」になり、私は自分自身を「異常なのではないか」と思うようになりました。

発達障害を疑い、病院で診断したところ、ADD(注意欠陥障害)グレーゾーンという診断が下されました。

アルバイトもダメだった僕が選んだのは……

会社を辞めることにした僕は、フリーランスのライターになりました。

フリーランスといっても、すぐに食べていけるほどの収入はありません。そこで、修行のためにベンチャー企業でライターのアルバイトをすることにしました。

「アルバイトだったら、正社員ほどコミットもしないし、ゆるく関われるから上手くいくかも」と思っていました。

しかし、やはり良い成果にはなりませんでした。

会社員時代ほどではないものの、集中力が持続しない、ケアレスミスが多いという状況は変わらず、他のアルバイトのライターの人と比べると仕事の進みも遅く、なかなか良い成果は出せませんでした。

「強みを伸ばすこと」にフォーカスすることが重要

正社員→アルバイトと働き方をしてみて感じたこと、それは他の人と一緒に働くと、必ず「皆が当たり前にできること(弱み)」を克服する壁にぶつかる、ということでした。

「普通の人が当たり前にできること」ができない私にとっては、弱みを克服することに時間がかかり、自信はすり減って、いつまでたっても強みを発揮できません。

他の人から信用も得られなければ、自分の強みを発揮するチャンスも与えてもらえないというわけです。

これに気づいた私は、ある選択をしました。それは、「強みを伸ばす」ことのできる「個人で働く道」に進むという選択でした。

個人で働くようになって、強みを発揮できるようになった

現在、僕は100パーセント個人で働いています。どこかに出社することもないし、決められた日に打ち合わせもありません。

個人で働くようになって、色々なことが好転しました。

【変化① 働く場所が自由になったことで、「集中力のコントロール」ができるようになった】
会社では、自分のデスクがあり、働く場所が決められています。

しかし、働く場所が自由になったことで、集中力が切れそうになったら、散歩をする、カフェで仕事をする、気分転換に地方で仕事をするなど、自分の体調や気分に合わせて仕事ができるようになりました。こうして集中力のコントロールができるようになり、作業効率がアップしました。

【変化② 毎日顔を合わせないことで、「弱み」が出なくなった】
社内にいれば、「電話に出る」「上司に報告する」「上司から仕事が頼まれる」といったことが起こります。

ただでさえ、人よりも集中力がなく注意散漫な私は、会社員時代、いつ電話が鳴るか気になって仕事に集中ができず、上司に報告するのも、「どう伝えればよいのか?」と考えすぎて、「報告が遅い」と怒られることもしばしば。

しかし、フリーランスでは出社することもなく、取引先と直接やり取りをするので、仕事のペースも乱れることもなく、スムーズに仕事ができるようになりました。

【変化③ 強みを発揮できるようになり、自己評価が上がった】
自分のペースをつかんだことで、トラブルやミスも減り、強みを最大限に発揮できるようになりました。

私は企画やアイデアを出すのが得意で、ライターの仕事でも徐々に信頼を得て「こういった記事を書くのはどうか」という提案もできるようになり、自己評価も高くなりました。

無理をしない、「自分に合った働き方」を見つける

発達障害の傾向のある人は、「人が当たり前にできることができない」から、人一倍、常に肩に力が入っています。

グレーゾーンの方は特に、障害者とも健常者とも割り切れない気持ちもあり、精神的にも疲れています。「できないといけない」という強迫観念が常にあるからこそ、頑張ってしまうのです。

しかし、日頃からストレスが他の人よりもかかっているからこそ、無理は禁物なのです。

自分に合わないことをやめるのは、決してわがままではありません。人生を長く賢く生きるための「ライフハック」です。ぜひ参考にしてみてください。


俵谷 龍佑

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】俵谷 龍佑(たわらや・りゅうすけ)
Webライター、ブロガー、音楽イベンター、ボーカリストなど様々な顔を持つ。「遊びが仕事に。仕事を遊びに。」を信念に、1箇所に囚われず、地方都市や様々な場所で仕事をする神出鬼没なノマドワーカー。働き方、自身のADD(注意欠陥障害)改善の記録、仕事効率化、ITをテーマとしたブログ「おれじなる」を運営。

★ビジネスに役立つヒントが満載「スキルUP」記事一覧はこちら

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