スキルUP

まずは「読む」。社会人に必要な「文章力」を鍛えるトレーニング/けいろー

仕事の文章力をアップさせるには、そのもとにある「読解力」をあげることが必要です。今回はライターのけいろーさんが、書籍『大人に必要な「読解力」がきちんと身につく 読みトレ』を紹介します。

社会に出てから「文章力」を伸ばしたいと考え、改めて勉強を始める人は少なくないと聞きます。

実際、会社勤めにおいて「文章」の読み書きは日常茶飯事。

上司や顧客とのメールのやり取りはもちろん、企画書や報告書といった書類作成など、日頃から当たり前のように文章に触れている人も多いはず。

こうしたことから、文章力は、会社員に必要なスキルのひとつと言っても過言ではないでしょう。

さて、一口に「文章力」と言ってもさまざまですが、特に最近は「語彙力(ごいりょく)」を取り扱った本を書店でよく見かけます。

基本的な「作文」とは別に、どれだけ多くの単語を使いこなせるかという「語彙」の問題。こればかりは勉強しなければ身につかないため、本を買って学んでいるという人も多いのではないでしょうか。

そんななか、重要であるにもかかわらず忘れられがちな、ひとつの「力」があります。

それは、文章を書く「作文力」ではなく、書いた文章をわかりやすくまとめる「構成力」でもなく、さまざまな言葉を使いこなす「語彙力」でもない。むしろそれらの大前提となる、基本的な能力。

それが、「読解力」です。

文章を読み解き、正しく理解する力――そんな「読解力」を基本中の基本から学ぶことができるのが、『大人に必要な「読解力」がきちんと身につく 読みトレ』です。

学生時代は「現代文が苦手だった」という人に、特におすすめしたい1冊です。

読めなければ、書けない

そもそも「どうして文章を『書く』ために、『読む』力が必要になるんだろう?」と、疑問に思った方もいるかもしれません。

文章は「誰かに読んでもらう」ために書くものであり、自分が読めるかどうかは関係ないのではないか。

よりわかりやすく、相手に伝わるような言葉選びをするための「語彙力」は必要であっても、他人が書いた文章を読み取る「読解力」は、ここではあまり関係がないのでは――?

それが、実は大いに関係してくるのです。

なぜなら、もし誰かに向けて文章を書くにしても、それを最初に読むのは自分だから。書いた文章が相手に伝わるものになっているかどうかを確認するには、自分がまずそれを読めなければなりません。

表現の誤りや論理的な破綻に気づくためには、自分の文章を客観的に「読む」力が不可欠なのです。

一般的に「文章力」と言えば、まず間違いなく「書く」力を指すものであり、私たちはそれを伸ばそうと考えます。

しかし、前提として「読む」力がなければ、相手に伝わる文章を「書く」ことは難しい。

昔から本を読む習慣があり、すでに読解力を身につけている人であれば問題ないでしょうが、誰もがそうであるとは限りません。

インターネット上をはじめ、どこもかしこも膨大な文字情報であふれかえっている現代。筆者はその現状を指して、「多くの人が読解力に欠けたまま、文章の洪水に触れている状態」であると表現しています。

この『読みトレ』は、そんな現状に立ち向かうための「読む」力を基礎から学べる1冊なのです。

身につけておきたい3つの「読解力」とは

日常生活において、読解力不足が原因で生じる問題は少なくありません。

依頼や指示のメールを読み間違えて失敗してしまったり、しっかりと読まずに契約書にサインをして損したり、資料を読むのに時間がかかりすぎて周囲に迷惑をかけてしまったり。また、文章の誤読によって生まれるトラブルは、今も昔も珍しくないと言えます。

本書ではそのような問題を避けるために、主に以下の3つの「読解力」を身につけることを目指すものとなっています。

① 文章を誤解や曲解なく読みとれる
② 書かれている要素の重要度を判別できる
③ 内容を自分でまとめられる

まず取り上げるのは、「要点」を把握するための文章の読み方。主観を交えず、書き手の伝えようとすることを正確に読み取るには、どうすればいいか。

文章のテーマを見抜き、書き手の主張を整理し把握するための方法として、「文を短くして理解する」ことを提案しています。

続いては「読解の3大ポイント」として、接続語・指示語・助詞の視点から、文章の読み解き方を紹介。

接続語の役割を改めて確認したうえで、文章の先の展開を予測しながら読む方法を説明しています。

読解の基礎ではありますが、忘れてしまっている人はここで復習しましょう。

ここまででが「読解」の基本的なポイント。

次の章ではさらに理解を深めるための切り口として、文章を「図解」する方法を提案。

文章を読んでもいまいちピンとこない人、頭の中だけでは文章の流れを思い描けない人の理解の手助けとなる、シンプルながら効果的な方法です。

そして後半は、現代のネット社会に欠かせないリテラシーと、長期的に読解力を伸ばすための考え方を紹介。

炎上やデマの拡散に荷担しないようにするためには、「疑って読む」姿勢が不可欠です。そのうえで着実に読解力を鍛える方法として、文章を要約し、さらには自分で「書く」ことを勧めています。

文章全般に苦手意識を持っている人のための、最初の1冊

以上のように、文章の「読み方」の基礎を一から丁寧に教えてくれるのが、この『読みトレ』という本。

学生時代に「文章」全般に苦手意識を持っており、社会に出てから読み書きの必要性に迫られて困っている──そんな人には、これ以上ないほど適切なハウツー本であると言えます。

本当に基礎的なところから「読み方」を説明し、それも小難しいノウハウ本のように文章がぎっちり書かれているわけでもないため、普段は本を読まないという人でも読みやすいといえるでしょう。

「図解」などのわかりやすく実践的な切り口でもまとめられているため、最初に読むハウツー本として非常に優れているように感じました。

社会に出てから文章に苦しまされている人は、ぜひ一度、手に取って読んでみてください。

けいろー

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】けいろー
フリーライター。ネットカルチャーを愛するゆとり世代。新卒入社したメーカーを退職後、趣味で始めたブログ「ぐるりみち。」経由で仕事をもらえるようになり、ノリと勢いで独立。本、グルメ、街歩き、旅行、ネット、アニメなどに関心あり。執筆実績として『HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour』公式パンフレットなど。バーチャルな存在になりたい。

【書籍紹介】『大人に必要な「読解力」がきちんと身につく 読みトレ』(大和書房)

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