スキルUP

やり方ではなく目的にこだわる/仕事が速い人の段取りの仕方⑦

「残業続きで毎日しんどい」「何から手をつけていいのかわからない」。その原因は、本人の努力や能力が足りないからではありません。『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(伊庭正康著)より、残業せずに結果を出し続けるための「段取り」のコツをご紹介します(最終回)。

「やり方」にこだわらない

段取りの良い人は、「How」(やり方)より「Why」(目的)にこだわります。「やり方」を決めるのは、目的を明確にした後でいいと考えます。目的を考えれば、あれこれやる必要がなくなるからです


【「やり方」はどうでもいい、と割り切る】

つい、やることが増えてしまい、予定がゴチャゴチャになることはないですか?

これは「やり方」にこだわるからです。

「やり方」なんて、どうでもいいと考えた瞬間から、もっとラクになります。

たとえば、会議の議事録。別に議事録を書かなくても、「会議で書かれたホワイトボードをスマホで撮影して送ればいい」と考えれば、その仕事はなくなります。話し合った内容を忘れないようにすればいいだけのこと。

もっとラクしようと思うなら、各々の参加者がスマホでホワイトボードの文字を撮影するだけの方法もあります。これなら、終了後にメールを送る作業すらなくなります。あとは、合理的なほうを選ぶだけです。


また、私自身もこんな経験をしたことがあります。私が営業だったときのことです。当時はテレアポをして新規開拓するのが当たり前で、たくさん汗をかいた人が偉いとされていました。一方で私がやったのは、徹底した紹介営業。お客様からの紹介だけでなく、他業界の営業マンと紹介をしあうという方法(金銭のやり取りはなく)や、業界組合に行き、何十、何百社と紹介してもらう方法でした。

この方法ならアッという間に会社の目標をクリアします。

一部からズルとの非難も出ましたが、「投資対効果」が格段に高い方法でしたので、上司からはほめられました。


【「筋(すじ)の良い方法」の見つけ方】

この紹介営業の方法は思いつきで考案したわけではありません。あらゆる選択肢を考えつくし、その中から、最も効果的な方法を選んだのです。

このように、効果的な方法を選ぶ際は「ロジックツリー」で考えるといいでしょう。ロジカルに考えればヌケ・モレがなくなるからです。「ロジック」というと「難しい」と考える人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

もともとは私もロジカル(論理的)な考え方は得意ではなかったのですが、この方法を覚えてから、急速にロジカルになり、あらゆる選択肢を考えられるようになりました。

下の図をご覧ください。1つのトピック(この場合は「売上を作る」こと)について、課題が明確になるように、どんどん具体化させています。この樹形図のことを「ロジックツリー」といいます。

ロジックツリーのルールは3つです。

①縦の要素は「モレなくダブリなく」考える(件数と客単価など)
②方法を絞る際は、「効果的な打ち手」につながるものを設定する
③方法には正解はなく、「とりあえず決める」でOK

【ロジックツリーがうまく書けなくても気にしない】
どうでしょう。

もし、それでもロジックツリーを作るのが難しそうであれば、とにかく、ルールを無視してでもいいので、このようなツリー(樹形図)の形になるように、要素を出してみてください。グチャグチャでもOKです。

実務においては、ロジックツリーが間違っていても、さほど問題ありません。

大事なことは、ロジックツリーをきれいに書くことではなく、ヌケ・モレなく、選択肢を出そうとすること。このとき、ツリーとして俯瞰して確認することができればOKです。


職場を見渡すと、ロジックツリーで考えるのが得意な人もいます。その人の力を借りながら進めてもいいかもしれません。やり方ではなく、課題と考えを絞り、あらゆる選択肢から選ぶことが重要なのです。

◇ ◇ ◇

仕事の「課題」がきちんと見えていますか?

×【NG】「How」(やり方)にこだわる
問題に対しては、「どんな解決策があるかな」と経験やひらめきから考えてしまいがちです。しかし、この方法ですと、やるべきことを絞れず、ムダなタスクが増えてしまいます。

○【OK】「What」(目的)にこだわる
目の前の問題を解決するために「何を」解決すべきなのかを先に考えましょう。方法はその後。できるだけ経験やひらめきでは考えないようにします。

伊庭 正康

【著者紹介】伊庭 正康(いば・まさやす)
株式会社らしさラボ代表取締役。1991年リクルートグループ入社。リクルートフロムエー、リクルートにて法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は『日本経済新聞』『日経ビジネス』『The21』など多数のメディアで紹介されている。『残業ゼロの人の段取りのキホン』『仕事が速い人の手帳・メモのキホン』(以上、すばる舎)、『強いチームをつくる!リーダーの心得』『営業の一流、二流、三流』(以上、明日香出版社)など、著書多数。

【書籍紹介】『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』 (日本実業出版社)
「当たり前」を少し変えれば、クオリティの高い仕事を短時間でこなせるようになる!段取りを少し見直すだけで、劇的に効率がアップする可能性があります。本書では、資料作成、会議・打ち合わせ、メールのやり取りなど、仕事上のさまざまなシーンにおいて段取り上手になるポイントを○×の具体的な事例を挙げて紹介していきます。
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