スキルUP

もうエンタメだけじゃない! ビジネスやライフスタイルを変えるイマドキのVR

2045年に到達するといわれている未来学上の概念、「シンギュラリティ(技術的特異点)」。今を起点とした前後30年間で、世界はこれまでどのように変わり、これからどのように変わっていくのか。AIが人類の知性を超えると予想される未来を、最先端技術のエヴァンジェリスト(伝道師)の立場から、中山五輪男氏が語った。

中山五輪男(なかやま・いわお)氏は大学卒業後、日本DECなど複数の外資系企業を経てソフトバンクグループに入社。16年間にわたり、Yahoo! のプロジェクトマネージャーや iPhone のエヴァンジェリストを務めた経歴を持つ。2017年には富士通株式会社へ移籍、理事首席エバンジェリストに就任した。

つねに時代の最先端を見てきた中山氏は、世界の今後30年をどう見ているのか? 去る2月25日、東急不動産ビジネスエアポート六本木で行われたセミナー『MY SMART WORK LIFE ~クリエイティブなビジネススタイルのヒント~ 第8回』にて、同氏が語ったロボット、AI、IoTなどの最新動向を紹介しよう。

未来を知るには、今を知り過去を振り返る

ライフスタイルやビジネスの動向を予測するには、「今を知り、過去を振り返り、未来を予想する」ことが何より大切だと中山氏は語る。セミナーでは「今」を知るために、世界企業の時価総額ランキングが紹介された。

「企業を評価するうえで、従業員の数や売上高では評価されません。時価総額が高い会社こそが高く評価されます」(中山氏)

2018年秋のデータで見た時価総額上位の企業は、アップル、アマゾン、アルファベット(Google)、マイクロソフトなど。ほとんどがアメリカ企業で占められ、日本の企業ではトヨタ自動車がやっと43位に入ってくる程度だ。

では、日本国内でのランキングはどうかというと、トヨタ自動車が20兆円でトップ。続いてソフトバンク、NTT、ドコモと続いている。

「上位にランキングしているのは、すべてイノベーション経営に成功した企業ばかりです」と同氏が語るように、たとえばアマゾンはもともと書籍しか扱っていなかったが、IT商品や家電、あらゆるモノを売るようになって成功した。日本の時価総額ランキングで上位に入る富士フイルムも、フィルム製造で培った技術を医療分野や化粧品の分野に展開している。

一方で、過去を振り返って30年前(平成元年)の世界時価総額ランキングを見ると、驚くべきことに上位はほとんどが日本企業だった。

「NTTがダントツの1位だったんですよ。そこから日本興業銀行、住友銀行や富士銀行と続き、第6位にやっと、当時世界のナンバー1のコンピューターメーカーだったIBMが入ります。でも、現在は1社もトップ10に残っていません」(中山氏)

このことから、イノベーション経営ができない会社は、生き残れないと言っても過言ではない。今話題のGAFA(Google、Apple、 Facebook、Amazon)でさえ、30年後に生き残っているかどうかは、わからないのだ。

インターネット、スマホに続き、イノベーションを牽引するのはVR

多い年で年間300回以上講演することもある中山氏
多い年で年間300回以上講演することもある中山氏

では、ここ30年での一番のイノベーションは何だろうか? それは「インターネットとスマホの普及である」と同氏は語る。ビジネスとパーソナルの両面でイノベーションを起こし、世界中にインパクトを与えた。

中山氏によると、今後、急速に普及してくるのはVRとのこと。この数年間で5倍以上に成長し、2025年の市場規模は約13兆円と予測されている。いずれ“スマホ世代”は死語になり、“VR世代”と呼ばれるようになるかもしれない。

「世界のVRがビジネスの世界に進出している割合は、2019年で65%。2022年には80%にまでなると予測されています。もうエンターテインメントだけでなく、VRは私たちのライフスタイルやビジネスの世界にどんどん入り込んでくるのです」(中山氏)

ビジネスにおけるVRの活用方法の一つが、社員教育だ。

たとえば建設会社では、高層ビルの建築作業者に危険な状況の事前体験をさせている。高所作業では、毎年多くの命に関わる重大な事故が起きている。VR技術を使えば、危険な箇所を事前に確認したり、予測できない事故に対処するためのトレーニングを行った上で、高所作業に向かうことができるというわけだ。

介護分野では、新人の介護スタッフに事前に介護方法を勉強させる際にVRが活用されている。介護の現場では、ちょっとしたミスや意思疎通の不足が、転倒や事故につながる。このように、本番での失敗が許されない分野で、効果的な予習のためにVRが果たす役割は大きい。

社員教育以外でも、トヨタ自動車はマイクロソフトのホロレンズを使って作業効率を上げている。

たとえば生産設備の入れ替えなどだ。1台あたり数億円もするような生産設備が、予定した設置場所に入らないなどという失敗は許されない。また、設置する以前の問題として、搬入時に設備が通らない箇所などが無いか確認しておく必要もある。そして、設置できたとしても生産部品を運ぶ通路がふさがれてしまったり、作業効率に関わる影響度も検討しておかねばならない。トヨタ自動車ではこのような問題を回避するために、ホロレンズを使ってあらかじめ問題点を検討し、不測の事態を避けている。

インターネットとスマホに続き、今度はVRがイノベーションを起こし始めた。このVRは、言うまでもなくIoT技術の発展に、バックグラウンドを支えられている。加速していくIoT技術と脳の融合、AIとロボット技術の未来は、社会をどのように変化させていくのだろうか?

ねこリセット

カテゴリ:スキルUP
■「MY SMART WORK LIFE」
飛躍を求めるすべてのビジネスパーソンに、高品質なシェアオフィス&コワーキングスペースを提供する東急不動産の「Business-Airport」が主催。毎回、各分野の第一線で活躍するイノベーターを招いて、これからの時代にふさわしいビジネススタイルを創造するための指針となる、さまざまな情報を提供している。

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