スキルUP

片付けを始めるために、まず考え方を変えるところから/キングジム超整理術213②

「去年の資料、出しておいて」。そう頼まれて、机の中をひっくり返したことはありませんか? わずか10分でも、それが積もれば膨大な時間になります。そんなコストを削減する整理整頓術を、『“オフィスのプロ”だけが知っている キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』(キングジム ファイリング研究室)よりご紹介します(第2回)。

整理下手でも「管理できる量」はある

「できることならやりたいけれど、やっぱり自分には無理なのではないか……」

「一度はやり遂げたとしても、それをずっと続けていく自信が持てない」

片づけが苦手という人は、そんなふうに後ろ向きに考えてしまいがちです。

いろいろなルールに縛られると思って抵抗を感じ、不自由に思う人もいるでしょう。

そこで心にとどめておきたいのが、誰にでも「管理できる量」があり、その範囲内で維持すれば整理上手への道が開けるということ。整理整頓がどんなに下手であっても、持っている書類やモノの量を減らしていけば、管理できる量に行き着きます。必要なときにすぐに見つけられ、維持できるポイントです。

整理とは捨てること。

自分が管理できる量になるまで要らないものを捨てていけば、持っているモノを上手に、自由に使えるようになると考えましょう。「そんなに簡単に捨てられない」と思うかもしれませんが、取っておいてもどこにあるかわからず使えないのでは意味がありません。

「管理できる量」は、ファイリングのノウハウを習得したり、新しい技術を導入したりすることで高めていくことができます。限界を高める努力をしつつ、保有量をその範囲内に維持するように取り組んでみてはいかがでしょうか。

ファイリングで楽ができる

「ファイリングをすれば楽ができる」とわかっても、そのためになすべきことを考えると気持ちが萎(な)えるという人は多いでしょう。「それこそが面倒」という声が聞こえてきそうです。

たしかに、ファイリングシステムを確立するまでには、いろいろとやることがあります。考える必要もあります。ただ、それは見方を変えれば「いかに楽をするか」を実現する過程。あなたは、次のどちらを選びますか?


①面倒なことは避けて楽をする(実際には、書類探しでいつも面倒くさい思いをしている)。
②この先、楽ができるようにファイリングに取り組む。


面倒な書類探しをこれからも続けるよりも、この際、思い切って努力して楽を手に入れたほうがいいのではないでしょうか。最初に努力すれば、後でその成果が得られるのです。

たとえば、大急ぎで企画書を仕上げなければいけないとき。「あの資料、どこに行ったかな」「前回の企画書は?」と探しても、なかなか見つからず、時間ばかりが経過して焦りに焦ったという経験はないでしょうか。

そんなとき、あらかじめファイリングされていれば、必要な書類がパッと取り出せ、その分、肝心の企画を考えることに時間を使えます。どちらの出来がいいかは考えるまでもないでしょう。

ファイリングによって楽ができるのです。

表示、色分けなどの工夫で面倒をなくす

面倒くさくないようにする工夫は、使いやすい優れたファイリングに直結します。

最も身近な例が、ファイルの中身の確認でしょう。

見出しに何の表示もなければ、ファイルを開けてみないと中身がわかりません。

ひとつならまだしも、キャビネットにずらりと並んだファイルから目的の書類を探し出すことを考えてみてください。ひとつひとつ取り出し、開いて確認しなければなりません。

一方、ファイルが収納された状態で中身がわかるように表示されていたら、どれだけ楽でしょう。ファイルを開くどころか、抜き出さなくとも中身がわかるのです。面倒なことをせずに、素早く必要な書類が手に入ります。

色分けするという方法もあります。「重要」「緊急」などの事項を色で示すと、パッと見ただけで判別しやすくなります。

また、ジャンル別に色分けするといったやり方もあるでしょう。

「重要」「緊急」「社外秘」などは、いずれも赤が使われがちですから、色だけで示すのではなく、文字による表示を組み合わせると確実です。

手に取って開ける、じっと目を凝らして探すといった手間と時間が省けると、作業は楽に進みます。探しやすく、戻しやすい環境に慣れると、もう元のような面倒な状態には戻りたくないと思うでしょう。

シェアすることでスマート&シンプルになる

“持たざる開放感”を想像しても、

「それでもやっぱり捨てることには不安がある」

「必要があって取っておいたものだから、そんなにたくさんは捨てられない」

などとためらってしまう人は、情報も管理も共有化することで得られるメリットを考えてみてください。同じ書類をオフィスの何人もが持っていたりしませんか。重複をなくして、共有化し、使うときだけ取り出してきて、終わったら元に戻せばいいのです。

個人で持っていたほうが便利だからと重要書類を10人がそれぞれ持っていたら、書類を管理するリスクも、責任も、管理する工程も10倍になります。

スペースの無駄だけではありません。書類の所有には責任が伴います。

本来であれば個人で持つべきではないような書類まで抱え込んでいたりしてはいないでしょうか。そのようなリスクや責任は手放したほうが気持ちは楽になります。

すっきり楽になるために、個人で持たずに共有化しましょう。

情報もシェアし、管理もシェアするのです。そうすると、スマートに、シンプルに、楽に仕事ができるようになります。

捨てるのが不安でも、確実に共有する方法が確立できれば、心配はなくなるでしょう。身軽になって、本来エネルギーを注ぐべきことに注力できるようになり、大きな満足感が得られるはずです。

キングジム ファイリング研究室

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】キングジム ファイリング研究室(きんぐじむ・ふぁいりんぐけんきゅうしつ)
業務の見える化、オフィス環境の改善、情報セキュリティ対策や内部統制対策の一環としての取り組みなど、業務効率向上に役立つファイリングシステム構築を支援するコンサルティングを行っている。導入実績は、自治体、製造業、金融機関、通信事業など多岐にわたる。
■Web:キングジム公式ウェブサイト

【書籍紹介】『“オフィスのプロ”だけが知っている キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』(KADOKAWA)
いますぐはじめたくなる職場の整理術! “オフィスのプロ”だけが知っている、職場の片づけ全技術を大公開! 個性派文具メーカーのキングジムが、長年培ってきた整理収納のコツをTips集として1冊にまとめました。

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