スキルUP

大切なのはチームで取り組むという意識統一/キングジム超整理術213⑨

「去年の資料、出しておいて」。そう頼まれて、机の中をひっくり返したことはありませんか? わずか10分でも、それが積もれば膨大な時間になります。そんなコストを削減する整理整頓術を、『“オフィスのプロ”だけが知っている キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』(キングジム ファイリング研究室)よりご紹介します(第9回)。

大切なのは道具より意識

「せっかく自分がやる気になっても、チーム内の意識が低いままではうまくいかないのではないか」

「上司でさえ、道具を揃えればそれでいいと思っている」

オフィスで新たな整理術を構築しようとすると、そんな不安の声がよく上がります。チームとして意識改革を行なわないことには、せっかく時間と手間をかけて作業をしようとしても成功させるのは難しいでしょう。

どのような業務であれ、成功のためには組織のメンバーの意識統一が重要です。目標を共有することで、組織の全員が一丸となれるのです。ファイリングによる文書管理を導入する際にも、同じことがいえます。

業務の内容と使い方に合った道具を揃えても、それだけでは目標を達成できません。使い勝手のいい道具は、ファイリングのルールを守りやすくしてくれますが、ルールを守るには守ろうとする意識が必要です。

目標がはっきりしていて、それを全員が十分に理解していれば、自然とルールを守ろうという意識が働きます。ファイリングによって文書管理をすることで、仕事の生産性が向上し、組織として良い結果を出せるようになると認識することから始めましょう。

そのうえで道具をルール通りに正しく使えば、道具本来の性能が発揮され、便利だと実感できるでしょう。道具を揃えるより、まずは意識改革が必要です。

チームで取り組むから効果も大きい

チームのなかに整理が苦手で書類を積み上げている人がいると、「あの人がいるからファイリングシステム導入は難しいのでは」と消極的に考えてしまいがちです。

実際には、どこのオフィスにも片づけができていない人はいます。それが致命的なネックになると見なしてしまうのであれば、ファイリングシステムの構築に成功することは難しいでしょう。

見方を変えてあきらめずに取り組みましょう。

まず、整理できていないということについて、当人がどう認識しているのか、確認してみてください。もしかしたら「仕事はちゃんとしているのだから問題はない」と思っているかもしれません。もしくは「いつも散らかしていて悪いけれど、うるさく言われないから大目に見てもらっている」と高をくくっているのかもしれません。

次に当人の意識を変えるために、周囲が期待の目で、常にしっかりと見ているのだと知らせることです。顧客の視線と同じくらい同僚の視線を意識するようになれば、自分の机周りをきれいにしようという気持ちにもなるはずです。

周囲がきれいであれば、自分の机だけ汚くしておけないという心理が働きます。せっかく皆がきれいに維持している共有棚を乱すこともためらわれます。チーム全員で取り組み、整った環境をつくるという目標を共有し、行動に移すのです。メンバーの誰も例外ではないと周知させ、自分だけ汚くしておけないと思わせることが考えと習慣を改めることにつながります。

仮置きは×、共有か捨てるか即決する

「整理とは捨てること」だと、ここまで繰り返し述べてきました。チームの意識を改革し、オープンファイリングシステムを維持していくためには、捨てるものは日々捨てるように促すことも大切です。

なかには捨てるか否かの判断がなかなかつかない人もいるでしょう。すると、「とりあえずの仮置き」が増えていき、ほどなくしてシステムが崩壊してしまいます。

以下のポイントをチームで徹底しましょう。

①書類はその日のうちに処理する
処理の方法は「共有するか、捨てるか」。このどちらかしかなく、その日のうちに決めて実行します。共有する場合は、その業務の担当者か上司に提出し、自分が担当している場合はその業務の共有ファイルに保管します。

②書類を捨てるための時間を確保する
情報セキュリティの面から廃棄に多少の時間がかかる書類は、少しずつ処分します。1日の始まりか終わり、昼休みの後、仕事にひと区切りついたときなどと決めて確実に行ないます。

③いつまでも保留にしない
「共有するか、捨てるか」上司の判断を仰ぐ必要があるとき、取引先の回答を待つときなど、即決できない場合は保留せざるをえません。その場合も、保留してあることを忘れずに処理できるように予定に組み込むなど、いつまでも保留しないように気をつけます。

戻すときは例外なく元の場所に

「使ったものは元の場所に戻してください」

口を酸っぱくして言っても、ふと気づくとファイリングシステムに乱れが生じて、最初のような使い勝手の良さが感じられなくなっていることはよくあります。

ファイルを元の場所に戻すことは最低限のルールです。これを守れない人がいる状態は、必ず改めなければなりません。ファイルは使って終わりではなく、元の場所に戻すまでが一連の仕事だと全員で認識を新たにしましょう。

戻さないと、ほかの人が必要なときにすぐに使えず、探しまわって時間を浪費するなど不利益を与えることになるという自覚を全員に促します。

放置されがちなファイルがあれば、戻しにくい環境になっていないかを検証することも時には必要です。たとえば、よく使う書類が遠く離れたキャビネットに置いてあると、頻繁に取りに行くのが億劫になります。「すぐにまた使うから」とつい手元にとどめてしまい、そのままになってしまうといったケースです。戻しにくいファイルがある場合は、チームで話し合い、置き場所を再検討する必要があるかもしれません。

「完全に戻す」ことも徹底しましょう。「だいたい、あの辺りだった」「この辺りだった」と、きちんと確認せずにボックスに放り込むのはルール違反です。

高い意識をそれぞれが持ち続けているかどうかが、そのまま整理整頓の状態に現れます。

キングジム ファイリング研究室

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】キングジム ファイリング研究室(きんぐじむ・ふぁいりんぐけんきゅうしつ)
業務の見える化、オフィス環境の改善、情報セキュリティ対策や内部統制対策の一環としての取り組みなど、業務効率向上に役立つファイリングシステム構築を支援するコンサルティングを行っている。導入実績は、自治体、製造業、金融機関、通信事業など多岐にわたる。
■Web:キングジム公式ウェブサイト

【書籍紹介】『“オフィスのプロ”だけが知っている キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』(KADOKAWA)
いますぐはじめたくなる職場の整理術! “オフィスのプロ”だけが知っている、職場の片づけ全技術を大公開! 個性派文具メーカーのキングジムが、長年培ってきた整理収納のコツをTips集として1冊にまとめました。

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