スキルUP

プレイング・マネージャーは、業務ログを絶対に書き残せ!/倉下忠憲

現場を把握するプレイング・マネージャーにとって、日々の業務の状況を記録することは必須の作業です。今回は記録とその振り返りのコツについて、ライフハックブログ「R-style」の倉下忠憲さんが解説します。

プレイング・マネージャーにとって、ノートは必須です。重要とか便利といった程度ではなく、ノートがなくては話にならない、というくらいの必携ツールです。

ノートはA5でもB5でも、手帳でも、大学ノートでも、ルーズリーフでも大丈夫です。環境によっては、デジタルツールの場合もあるでしょう。そこは、職場環境や自分の好みで決定できます。

しかし、記録を残すツールを使わない、という選択だけは絶対にありません。

ノートは、情報の活用度を飛躍的に(いっそ爆発的に)高めてくれます。さらに、使い方によっては、思考力や発想力の向上にもつながります。

さまざまな情報を必要とし、問題解決や決断が求められるマネージャーの仕事においては、欠かせないツールだといっても過言ではないでしょう。

ポイント1. 現場に近い情報を自分の手で記録する

ノートに記録を取ることには、若干の面倒さが伴います。

ただ、その手間は必要な効能を得るためのコストだと考えられます。そのコストを支払わずに、メリットだけを享受することはできません。

もしあなたが昇進すれば、部下に「報告書、上げといて」と頼むことで、さまざまな記録が手に入るようにはなるでしょう。それは結構なことです。

しかし、プレイング・マネージャーではそうはいきません。自分でせっせと手を動かないと、有益な情報は手にできないものです。

また、プレイング・マネージャーであるからこそ、現場に近い情報が手に入るというメリットもあります。

これは有利な点とも言えるので、面倒がらずに記録していくことを心がけましょう。

ポイント2. 「やったこと」を記録する

一口に記録といっても、残していく記録にはさまざまな対象が考えられます。

どんなことを記録してもそれぞれ役に立つことはあるでしょう。

しかし、一度にいろいろなことに手を出すと、挫折してしまいます。特にノートを使い慣れないうちは、記録することを一つに絞ってみましょう。

はじめて記録ノートを使い始めるなら、最初に書くのは「業務ログ」がおすすめです。それも、特に凝ったものではなく、簡素なものからスタートしてみるのがコツです。

「業務ログ」の基礎は、「その日、何をやったのか」を淡々と書いていくことです。

書き方としては、業務日誌風に書く方法もありますし、実際にやったことを個条書きに並べていく方法もあります。そのあたりは、お好みで選択してください。

ただし、あまり長々と書かないほうがよいです。長々と書いてしまうと、情報量は増えますが、読み返すのがつらくなります。
その日の業務のうち、主要と思える2〜3点の事柄に絞り、自分がやったことや、その結果などを毎日簡単に記していきます。

【書き方例1】
「プロジェクトAの企画案をまとめた。個人的には良い出来だと思うが、チームの了解を得られるかは不明。一度会議で検討してみること。そのための資料作りも必要」

また、さらに簡潔に箇条書きにしてみてもよいでしょう。

【書き方例2】
・プロジェクトAの企画案をまとめた
・研修のアンケートを集計した
・Excelのマクロを書き換え

ポイント3. 記述を振り返る

上記のような記述を毎日書き綴っていき、一週間に一度のタイミングでそれらを振り返ってみます。

するとまず、自分が何をやってきたのかという進捗感が得られます。

いろいろ忙しいと、あっという間に時間は過ぎていき、自分が何一つ成し遂げられていないような気がしてしまうものですが、実際そんなことはありません。日々、何かの進捗は生まれています。

日々の進歩を確認できるのは、精神的な安定感を得るためにも有用です。

もちろん、より実際的な効能もあります。過去の自分が「何をしようとしていたのか」を思い出せるのです。

タスク管理ツールなどを使っていても、そこに登録し忘れているものが結構あるものです。

上記のように日誌や個条書き形式で書いておき、それを読み返すと「そういえば、あれをやろうと思っていたんだ」ということが想起できます。

あとは、それが本当に実行が必要かを検討して、タスクリストに加えればよいでしょう。

◇ ◇ ◇

上記が、業務ログの基礎中の基礎です。慣れてきたら他にも記録していきたいことはたくさんありますが、スタートとしては、まず最小限の内容から試してみるのがよいでしょう。

毎日やったことを簡単に記録し、週に一度それを読み返す。

ただそれだけのことでも、仕事の進め方に変化が生まれると思います。変化が実感できたら、さらに記録していくことを増やしていきましょう。


倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

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