スキルUP

プレイング・マネージャーの思考力を倍増させるノート術/倉下忠憲

思考力が求められるプレイング・マネージャーにとって、ノートは思考力を何倍にもアップさせられる最高の思考補助ツールです。今回は、ライフハックブログ「R-style」の倉下忠憲さんが、思考のためのノート術をご紹介します。

マネージャーの仕事において、「考える」場面は意外と多いものです。

それも、単に情報をまとめて提出すればOKというものではありません。

・状況に対する意見
・こんがらがった問題を打破するアイデア
・新しい企画の提案

など、自分なりの「考え」を添えて、成果物を作り出すこと。こういう仕事が、プレイング・マネージャーにも求められます。

そこで必要なのが、「思考力の底上げ」。

思考力を底上げするためには、フレームワークの活用など様々な方法がありますが、今回お伝えしたいのが「ノートの使い方」です。

ノートは、思考力を何倍にもアップさせられる最高の思考補助ツールです。ノートを使うことで、頭だけで考えているよりははるかに「考え」を進めやすくなります。

今回は、そうした思考のためのノート術の入門をご紹介します。

コツその1. ノート一面にすべてを書き出す

たとえば、上司から「現場の課題を報告してくれ」と頼まれたとしましょう。そのとき、いきなりWordを開いて報告書を作り始めるのは早計です。

もちろん、すでに頭の中に明確な答えがあるならばそれでも構いません。しかし、考えがまとまっていない状態で、いきなり成果物を作り始めようとしても、考えがまとまらないどころか、むしろ混乱が増してきます。

混乱した状況に陥らないために、まず「ノートで考える」のです。

やることは簡単です。大きめのノートを使い、自分が認識していることをすべてそこに書き出していきます。

「現場の課題」がテーマであれば、自分が知っている課題を洗いざらい記入するのです。

その際、選別せず、気になることはすべて書き込むのがポイントです。

「これはたいしたことはないから、書かなくていいか」のようなことは考えずに、ただひたすらに書き出すのです。

これがもしメモであれば、要点を絞って書き込むことが必要でしょう。メモとはまさしくそのためのツールです。

しかし、これはノートです。

スペースを気にせず、頭の中身をそこに放り出すことが真のノートの使い方です。

コツその2. 書き出してから考えはじめる

そうして書き出しが終わったら、ようやく「考え」を進めていけるようになります。

似ている課題があるならば、それを線で囲んでみましょう。

ある状況の原因となるものが見つかったら矢印で繋いでおきます。

重要なものは二重で括ったり、赤ペンで線を書き加えてもよいでしょう。

欠けている要素を思いついたら書き足し、書き足したことも合わせてまた全体を眺めます。

ここで行なっていることは、情報の整理であると共に、情報の分析でもあります。

分析のためには脳を働かせる必要があるわけですが、書き出さない状態で分析をするのはいけません。

「何について考えているのか」(対象)と「どう考えるのか」(分析)の両方について、脳が労力を割かなくてはいけないからです。これはたいへんな苦労です。

しかし、いったんノートに書き出してしまえば、「何について考えているのか」(対象)に関しては脳は覚えておく必要がなくなります。そのぶんの労力を、「どう考えるのか」(分析)に使えるようになるわけです。

あとは考えた結果を報告書にまとめるだけです。

コツその3. 脳を解放しておく

以上はノートを使った思考法の中でも、単純なものにすぎません。

しかし、一度やってみるとわかりますが、こうしてノートを使いながら考えを進めると、非常に抵抗値が小さくなります。スムーズに考えを進めていけるのです。

想像してみてください。ノートの一面に書き出された要素をすべて覚えていながら、それらすべてについて「考える」ことができるだろうか、と。相当に難易度は高いでしょう。

ノートに書き出すだけで、その労力の半分が解放されるのですから、やらない手はありません。

◇ ◇ ◇

以上、プレイング・マネージャー向けに、思考のためのノート術をご紹介しました。

なお、今回ご紹介した方法の応用として、普段から「気になったこと」をちょこちょこノートや手帳に書き出しておく、というやり方があります。

そうすれば、その分の脳のメモリが節約できるので日常的に頭を使いやすくなるわけですね。

これも有用なノート術だといえるでしょう。

倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

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