スキルUP

ストレスを分析して最高の行動をとる/ストロング本能⑤

「人間関係で疲れてしまう」「不安やストレスに負けないメンタルがほしい」。一発勝負の世界で結果を出し続けてきた格闘家・青木真也氏による、本能を呼び覚まし「行動と成果を最大化させる」超実践的メソッドを『ストロング本能 人生を後悔しない「自分だけのものさし」』(青木真也著)からご紹介します(第5回)。

ストレスに対する傾向と対策を考える

現代人は日常生活で、さまざまなストレスにさらされています。「人間関係や仕事上のトラブルなどありますが、ストレスのない生活を心掛けましょう」なんて言われても、「そんなの、そもそも無理やんけ」と思ってしまうわけです。

では、極力ストレスをため込まないためには、どうすればいいのでしょうか。


僕はストレスを感じたら、必ず「分解」するようにしています。

「これって何のストレスなんだろう?」と、要因を突き詰めていく作業。

自分はいま、どんなことにイライラしているのか、何がいやで気持ちが滅入っているのか、などストレスの原因をノートに書いたりもします。「試合のときに殴られるのがいやだな。でも、それは生物としての怖さだから、しょうがない」といったことをノートにつらつらと書きながら、分析・分解していきます。

ノートをあとで見返してみると、この分析・分解のおかげで、要因の割合が変わっていっていることに気づきます。すると「こういうストレスに対しては、こういうモチベーションをつければいい」といった傾向と対策が、自分なりにわかるようになります。


実はこれこそが、長い人生のなかで自分自身とどう折り合いをつけていくかということにおいて非常に重要なヒントになるわけです。


2018年5月にシンガポールで行われたONE Championshipという試合のとき、なぜか「もう試合なんてしたくないな」という衝動に駆られました。

全選手が入場したあと「もう、つらい。格闘家なんて、いますぐに辞めたい」という気持ちに初めてなったのです。

僕は2019年の5月で36歳になるのですが、この年齢になると「本当に心の底から応援してくれる人って何人ぐらいだっけ」と思うようになります。

そう考えたときに、「自分のために、こんな遠くのシンガポールまでわざわざ応援しに来てくれる人がいる。今回だけは、そいつらのためにがんばってみよう」と思い直すことができました。

僕はそのとき、生まれて初めて「人のためにがんばろう」と思いました。若いころは自我が強くて、自己実現の欲求も強かったので、誰かのためにがんばるなんてことは、いっさい考えたこともありませんでした。

特に20代は「自分がやりたい」「自分で実現したい」という気持ちだけで一心不乱に突っ走ってきたものです。

ただ、年齢を重ねると、自分のエネルギーだけではどうにもならないことが増えてきます。だからこそ、人生の中盤戦をうまくマネジメントするためにも、これまでとは別のモチベーションを見つけることが重要だと考えるようになりました。

いきなりこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが、僕はもう自分のためにはがんばれないので、人のために戦おうと思っています。その気持ちは、これからも続いていくような気がしています。もう、燃料は半分も残っていない。そして、「誰かのために」の次は、たぶん「世の中のため」とか「世界平和」とか、そっちに行くんじゃないかと思っています。

誰もがそれぞれのリングで戦っている

人間は、シンプルに恐怖と向き合っていると、本能的に何かにすがりたくなります。


不倫のニュースが出ると世間の人々はこぞって叩きますが、僕の見解としては、100%正しいと思っていた人がすごくだらしなかったりする姿に、世間の人々はどこか安心感のようなものを覚えているように見えるのです。


もちろん不倫を肯定する気はないのですが、不倫が注目される本質的な構造として、一個人として周囲の人々がそこまで完璧じゃないことを知るとほっとする、そんな本能的な部分が関係しているように思えてならないわけです。


「この世に完璧なやつなんていないんだ」と。


であれば、叩くのではなく、素直に「なんだ、おまえもつらいんだな」とポジティブに捉えたほうが得するように僕は思っています。

だから「文春砲」は、そうやって「つらいのはみんな同じだから、あなたも、もう少しがんばってみようよ」というアプローチで、社会を変えようとしてくれているのだと勝手に妄想してます。


そうしたこともあってか、僕はいつも「おまえも大変だな」というスタンスで物事を考える人間です。キラキラした、それこそ「リア充」を見ても、ちょっとイタい人を見ても、「大変なんだな」「みんな何かと戦ってんだな」と思ってしまいます。

いつの時代も、悩みの原因の多くは人間関係のことだったりするわけです。妬(ねた)みや嫉妬はもちろんですが、他人に振り回されてつらいと感じるときなどは「みんなそれぞれの人生というリングで戦っている」と考え方を変えるだけで、意外と簡単に世の中のことに寛容になれるのではないでしょうか。


現代はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やインターネットを通じて、よくも悪くも、他人の幸せが可視化できる時代になりました。そのため、自分の人生に不安を覚えやすくなっているし、他人を優先しがちないい人ほど生きづらさを感じやすい世の中とも言えます。

その結果、多くの人々がメンタルをやられて困っているというのが実情ではないでしょうか。

そうした現実の根底に流れるのは、本能を忘れて、概念だけで考えてしまっているということだと思います。つまり、社会の空気や教育に飲まれてしまって本能を忘れているのです。正しく表現するならば、「本能が奪われている」のかもしれません。

青木 真也

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】青木 真也(あおき・しんや)
1983年5月9日生まれ。静岡県出身。小学生の頃から柔道を始め、2002年に全日本ジュニア強化選手に選抜される。早稲田大学在学中に、柔道から総合格闘技に転身。「修斗」ミドル級世界王座を獲得。大学卒業後、静岡県警に就職するも、2カ月で退職して再び総合格闘家の道へ。そして「DREAM」「ONE FC」で世界ライト級チャンピオンに輝く。著書に『空気を読んではいけない』(幻冬舎)がある。
■twitter:青木真也公式twitter
■note:青木真也note

【書籍紹介】『ストロング本能 人生を後悔しない「自分だけのものさし」』(KADOKAWA)
「不安に強くなるメンタル」と「疲れない身体」が同時に手に入る! 人間関係、健康、仕事、お金、自己実現、目標達成など、すべてが思い通りに! 日本を代表する孤高の格闘家・青木真也が、本能を呼び覚まし「行動」と「成果」を最大化させる超実践的メソッドを初公開!

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