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引っ越すように起業するとは? 現代を生き抜く“しょぼい起業術”/タロログ

自分らしく稼ぐ・生きていくために、小さく起業する方法が注目されています。話題書『しょぼい起業で生きていく』(えらいてんちょう著)について、ブロガーのタロログさんが紹介します。

ビジネス書では「年収1億円」だの「成り上がれ」だの、いわゆる”意識高い系”の本が中心です。

しかし、そうした考え方とは異なる本もあります。

堀江貴文著『好きなことだけで生きていく。』(ポプラ社)、ヒロシ著『働き方1.9 君も好きなことだけして生きていける』(講談社)といった、大きく稼ごうというより、自分らしく稼ぐ・生きていくというテーマも見られるようになりました。

その理由として、SNSが発達してさまざな稼ぎ方や職業が増え、またそれを目にする機会が増えたということがあるでしょう。

こうした、多種多様な生き方を肯定する本が増えた中でも、特に目を引くのが、今回ご紹介する『しょぼい起業で生きていく』(えらいてんちょう著/イースト・プレス)です。

しょぼい起業とは一体なんなのでしょうか。

著者のえらいてんちょうさんは何者?

そもそも「えらいてんちょうって誰なんだ?」と思う方も多いと思いますので、簡単に紹介させていただきます。

現在27歳にして、リサイクルショップ、バー(複数店)、学習塾、語学教室を立ち上げ、現在では事業譲渡し、アドバイザー兼会長をしている、やり手ビジネスマンです。

大学生時代の22歳から起業されているそうで、わずか5年でここまでビジネスを成功させているのですから、まったくしょぼくない、むしろすごい起業家です。

これだけ素晴らしい経歴を持ったえらてんさんはなぜ起業したのか、本書ではこう書かれています。

“私は学生時代、「朝起きて満員電車に乗って通勤するのが嫌」という理由で、最初から就職活動も一切せず、なんの計画もなしに、とりあえず起業しました。”(本書P.16)

“私の場合、「上場したい」「大きな会社を作ってイノベーションを起こしたい」とか、そういっただいそれた目的や夢があったわけではなく、消極的に起業したわけです。”(本書P.17-18)

そんな理由で起業したのはすごいな、と思ってしまいます。なんというか「超・いまどきの人」だな、というのが率直な感想です。

かつての起業は、ソフトバンクの孫さんのように「志高く」みたいなのが一般的だと思うのですが、もはやそういう時代でもなく、社会に出る際に就職と同じようなレベルで起業という考えがあったのでしょう。

しょぼい起業とは?

本書の第2章ではタイトルとなった「しょぼい起業」について書かれています。

しょぼい起業とは、「いつもやっている行為をお金に変える」という発想(本書P.39)と書かれています。

具体例としては、

“あなたがひとりで埼玉から東京にやってくればただの移動ですが、空のリュックに家の野菜をいっぱいに詰めて電車に乗り、東京でこの野菜を売ったらどうでしょう。その瞬間、この行為は単なる移動から「輸送」に変わります。”(本書P.38)

とあります。

稼ぐために大きなリスク、大きなリソースを投資してお金を稼ごうとするのが普通の起業だとすれば、しょぼい起業はその逆。

すでにできること、すでに行なっていることでお金を稼ごうとするのが、しょぼい起業です。このビジネスの素晴らしいところは、リスクがほぼないので事業が潰れることがないということです。

しょぼくビジネスを始めるために大金は必要か?

著書のえらいてんちょうさんは、まずお店を借りてビジネスを始めたそうです。

一般常識的にお店を開くとなると1000万円程度のお金がかかりそうなものですが、えらいてんちょうさんはこの資金をどうしたのか?

これについても、非常にユニークな解決方法が書かれていました。

“私の場合、最初は一円も売り上げる気はなくて、家じゃなくて店を借りたら面白いんじゃないの、というノリで借りた店舗なのですが、これがなかなかどうして謎の売り上げがあるのです。”(本書P.53)

発想が完全に天才ですよね。

自宅をオフィスにする人はよくいますが、まさか店を「家」として借りるとは。住所は移せないような気がしますが、その辺りも面白い解決策を提案されています。

開店資金についても、1000万程度かかるところを、

“敷金は3ヶ月分ぐらい取られますが、基本的には10万円掛からずに借りられます。だいたい初期費用50万ぐらいでしょうか。”(本書P.51)

と、わずか50万しかかからなかったそうです。

これなら、家賃12万程度の家に引っ越すのと同じ金額でお店に住める(?)ので、そこまでのハードルを感じずに「我が家」ならぬ「我が店」を持つことができます。

「そんな簡単にお店を開いて、儲からなかったらどうするの?」

という声が聞こえてきそうですが、そもそも家として借りているので家賃がかかるのは当たり前。そこまで気にする必要はありません。

しいていえば、引越し失敗といったところでしょうか。

起業のハードルをこれでもかと下げてくれる一冊

起業におけるリソースは「ヒト・モノ・カネ」と言われ、起業するためにはこのリソースをいかに上手に使うかというのが一般的です。

まさか、ここまで簡単な起業方法があると思っていませんでした。

「起業」という言葉を聞くとハードルが高く感じますが、起業で大成功する方法というより生活スタイルを変えるように起業してしまおう、というのが本書の主張です。

現在サラリーマンでこれからビジネスを始めようか悩んでいる方は、特に参考になるかと思います。本書の中には具体的な起業エピソードも含まれています。

漠然と「起業したい」程度の考えの方でも楽しく読める本でしょう。


タロログ

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】タロウ
実は零細会社の社長。最近は底辺YouTuberとして積極的に底辺コンテンツを生み出している。漫画は年間100冊ぐらい読むが、ビジネス書は年間10冊ぐらいしか読まないので、ビジネス書をちゃんとレビューできるか不安。暖かい目で見守ってください。
■Blog:タロログ
■YouTube:タロチャンネル

【書籍紹介】『しょぼい起業で生きていく』(すばる舎)

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