気兼ねなく休むために仕事を徹底的に「マニュアル化」する/ぞえ

仕事にかかわるあらゆる手順は、すべてマニュアル化しておくことで、緊急時もすぐに対応が可能になります。マニュアル化のコツについて、元・エンジニアの経歴を持つ漫画家のぞえさんが解説します。
「作業手順は頭の中に完璧にあります!」
という方もいらっしゃると思います。自分だけがその仕事をする分には、それでも問題ありません。でも、あなたが休むときは? 人に仕事を頼むときは?
人に仕事を頼む必要が出てきたとき、作業手順が頭の中にしかないと、口頭で説明しないといけません。自分も相手も、引き継ぎの時間が必要になります。
マニュアルとして外部出力しておくと、マニュアルを渡すだけで済みます。手順を一通り説明する必要がある場合でも、マニュアルがあれば、引き継がれる側は説明を聞くのに集中できます。逐一メモを取る必要がありません。
マニュアル化といっても、Wordで丁寧に作る必要はないのです。自分だけ、もしくは社内の限られた範囲で使うものなので、見た目にこだわる必要はありません。
画像があるとより分かりやすいマニュアルになりますが、なくても問題ありません。ただのテキストでも十分です。重要なのは「作業することが全て書かれているか」です。
何も考えなくてよくなるまでマニュアルにする

どうやって「全て」を書くか。自分がその仕事をするときの作業結果を、そのままマニュアルにしてしまえばいいのです。やったことがそのまま「マニュアル」になるのです。
例えば、ある書類を印刷して記入する仕事があるとします。その場合のマニュアルは以下のようになるでしょうか。
・△△という場所に格納されている◯◯ファイルを開く
・●●というプリンターを選んでA4サイズで印刷する
・書類のこの欄に氏名を記入する
・書類のこの欄に住所を記入する
「A4サイズ」なんてわざわざ書かなくても分かるかもしれません。でも、書いておくと迷いません。
「こんなこと書かなくても分かるでしょう?」ということも余さずマニュアル化することで、「マニュアル通りに作業を進めていけば仕事が終わるマニュアル」になります。
何も考えなくても仕事が終わる、が理想です。「マニュアル通りに作業を進めていけば仕事が終わるマニュアル」になっていれば、そのまま他の人に渡しても役に立ってくれることでしょう。
マニュアルは日々アップデートしていこう
「このケースはどうしたらいいのだろう?」と疑問が生まれることもあるでしょう。どれも同じような仕事であればやりやすいですが、現実はそうではありません。
しかし、疑問が生まれたら生まれたで、その作業結果をマニュアルに反映すれば、次から迷わないマニュアルになります。それを繰り返していくことで「完璧な」マニュアルに近づいていきます。
マニュアルは生き物です。環境が変わるにつれて、過去のマニュアルでは「何も考えずに仕事が終わるマニュアル」ではなくなってきます。どうしてもアップデートが必要になります。
正直めんどくさいです。
しかし、アップデートを繰り返していくことで楽に仕事が進み、他の人も仕事できる状況が保たれるのです。
有給休暇取得時などに気兼ねなく休むためにも、辞めるときに引き継いだ相手が困らないようにするためにも、日頃から自分の仕事をマニュアル化しておくのは大事だと感じています。
ぞえ
【著者紹介】ぞえ
週3勤務でシステムエンジニア、残りは漫画家・イラストレーターとして働いていた元・パラレルワーカー。2019年1月よりフリーランスに。体力がなく、疲れやすい自分でも好きなことをするための方法を探求している。
■ Blog:「ふりにち」
【書籍紹介】『残業を減らし定時で帰る仕事術〜SE女子のタスク管理奮闘記〜』(金風舎)
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