スキルUP

発達障害の僕が「食える人」に変わった「バインダーもりもり作戦」/借金玉

『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(借金玉著)で、仕事や人間関係がうまくいかない人にも役立つライフハックを学びましょう。今回は第2回目です。

かばんの中の「神隠し」対策

書類もかばんと原則は同じで、「集約化(ぶっこみ)」が重要です。これは、後述する僕の大学時代のハック「全てのノートを1冊でとる」と全く同じ原理です。紛失したりするよりは、とにかく「存在している」ことが大事なのです。

ただ、書類は薄くて「大切なときになくなる」という生き物ですので、かばんやノートよりもさらに工夫が必要です。あいつらは基本的に油断したら逃げ出すタイプのやつだと認識してください。

僕はもともと、案件をクリアファイルに分けてとにかく突っ込むという方針を採用していたのですが、この方法は一覧性が低く、かばんの中でよく「神隠し」が発生します。客先で必死に探しても見つからなかった書類が、家に帰ったらポロッと出てくる。そういう苦労はもう懲り懲りです。

クリアファイルが使えない発達障害者にとって、とてつもなく便利なのが「バインダー」です。僕は、現在進行している仕事の流れごとに書類をそれぞれひとつずつのバインダーにセットして、持ち歩いています。さすがの僕でも、バインダーの4つや5つであれば、管理可能です。

そして、これは「バインダーを全部取り出せば、今自分が抱えている仕事の書類の流れが一望できる」ということにもなります。現代人はとても忙しいので、大体3つや4つの仕事を並行してやっていると思いますし、僕も営業マンとして1日に3~4件客先を回ることはザラにあるのですが、その程度の数のバインダーはそのままかばんに入ります。もちろん、先述の「大きなかばん」であればですが。

これは本当に便利です。僕はまさに「仕事を自宅に持ち帰った結果、書類を紛失する名人」だったのですが、このハックを採用してからは驚くほど頻度が減りました。裸の書類は確実に紛失しますし、クリアファイルもよくなくす僕でもさすがにバインダーは紛失しないようです。

このハックのさらに便利なところは、お客様からサインを貰ったりハンコを貰ったりするのに、バインダーがあればそのままやれるということです。

客先で書類を裸で出してハンコを貰おうとする営業マン、結構いますよね。僕は車のボンネットの上で契約印を押してもらったことがあります。僕は全く気にしませんが、世の中の人はこういう気遣いの不足を結構気にするようです。風が吹く野外で書類を確認してもらったり、あるいは参照しながら作業をしなければならなかったりする仕事もありますよね。これもバインダーひとつで完全に楽になります。というか、ないと本当に大変です。

オマケに、大きめの事務用クリップをひとつバインダーに挟んでおくとベターです。風が吹いても書類をホールドできます。お客様の前で書類がバタバタするの、格好悪いですよね。

このバインダーハックの利点はそれに留まりません。そのまま机上に積んでも、書類の管理が大変やりやすくなります。僕は、これで書類の紛失が劇的に減りました。デメリットは「大きい」ということだけですが、我慢できる範囲だと思います。少なくとも、机上にさまざまな書類を十字に重ねていくあのやり方では、僕は間違いなく全てが混ざり合い、不思議な現象が起きて一部が消滅します。

分けることは分かること

金融機関に勤めていたときに「分けることは分かることだ」という指導をいただきました。これはまさしく金言だと思います。しかし、僕は一般の人たち程度の「分け方」では見失ってしまう。「徹底的に分ける」のが基本なのです。

普通の人たちは、ひとつの書類入れに複数の仕事の書類をまとめて入れても必要なときに取り出せるのだと思います。しかし、それは僕には全く不可能なことです。A社の仕事はバインダー①、B社の仕事はバインダー②、そのようにして分けることが必要です。しかし、「分けた」物の場所が分散してしまうと、それは必ず見失われてしまう。「仕分けられた」上で「一箇所にまとめて保管されている」、この状態がベストです。集約化、一覧性、一手アクセス。そういうことですね。

バインダー単位であれば、一覧性もかなり確保できます。クリアファイルに入れただけの書類と比べて、探しやすさの差は歴然です。バインダーの一番上にクリアファイルを挟んでおけば、汚損や折れもほぼ回避できます。

僕は、オフィスでも書類管理と仕事の進行管理にこのバインダーハックを採用しています。

増えるときは、机上に10個くらいバインダーが重なります。最初は奇異な目で見ていた上司も、最近はバインダーを使い始めました。「ね、便利でしょ」と密かに思っています。社外に書類を持ち出すことも多いのですが、バインダー単位で仕事の進捗を把握できているので、書類の持ち出し忘れなどもほぼありません。

借金玉

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】借金玉(しゃっきんだま)
1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。ブログ「発達障害就労日誌」Twitterが話題となり、初著書『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を刊行する。

【書籍紹介】『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)

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